駅からの散歩
No.325 原宿・六本木 11月13日
以前の会社で環境関係の部署に所属している友人から、「青山で環境ボランティア見本市がある
から行って見よう」と誘われた。最近は時間が許せば、出来る限りお誘いは受けるようにしている。
それは歳とともに、無関心なものが多くなり、興味の範囲が狭くなり、行動力が無くなってしまうから
である。「相手から誘ってもらえる」、このチャンスは逃してはいけない。そう思うのである。
朝10:30に青山紀伊国屋前で待ち合わせた。渋谷に向かって歩くと国連大学という施設があり
その1Fに、それぞれの団体のブースが並んでいる。地球温暖化防止、リサイクルと廃棄物対策、
生物多様性などの環境活動の紹介である。友人はそれらのブースに立ち寄って話をしていたが、
私は「御苦労様」と思うものの、彼らのように献身的な気持ちの人々とはかけ離れた存在である。
すんなりとは入り込めず、友人とは一歩離れたところで見ていた。
同じ国連大学の歩道側に「ファーマーズ・マーケット」という農産物主体の市場が開催されていた。
実利的な私はこちらの方に興味を引かれた。全国各地からのこだわりの農産物を集め毎週土曜
日曜に開催されているらしい。スーパーに比べると5割前後は高いと思われるが、商品それぞれに
語るべきうんちくがあるようで、それが消費者に興味と安心感を与え人気になっているのであろう。
環境ボランティアとファーマーズ・マーケットを見終えて渋谷まで歩く。渋谷駅近くで、友人がTVで
紹介されていた「ラーメン屋」に行こうと言いだし、久々に豚骨のラーメンを食べて友人と別れた。
今週、小田原に住む友人の奥さんが表参道ヒルズで手織り服の催事をやっている。案内葉書を
もらっていて、どうしようと迷っていた。販売商品は全て女性物で買う気もないから行っても仕方が
無いのだが、「ここまで来たから、ついでに寄って見よう」、そう思い直して山手線の原宿で降りた。
原宿駅から表参道を歩く。ケヤキ並木の大きな道には、銀座と違って若者向けの有名ブランドの
店が並ぶ。少し人通りが少なくなったあたりに表参道ヒルズがある。その一角にオバサマ相手の
彼女の店があった。お店を覗いてみたら彼女の友人なのであろうか、服を見ながら談笑している。
商売の邪魔をしてはいけないと思い、来たことだけを告げて帰ろうとすると、「あっ、ちょっと待って、
日展の招待券が余っているから行ってみない?」、そう言ってレジそばにあったバックから券を出し、
私に渡してくれた。まだ昼の1時過ぎである、時間もあるから招待券をもらって観に行くことにする。
今度は明治神宮前から乃木坂へ、思いもしなかった国立新美術館で「日展」を見ることになった。
日展はもう30年以上前になるだろうか、上野で開催されていた時に女房と1度行ったことがある。
会場は1Fから3Fまで6つの展示室に分かれていた。最初に洋画の展示館に入る。大きな会場
全体を包むように絵具の匂いが漂う。作品のほとんどが脚立が無ければ描けほどの大作である。
作品一つ一つに掛けた膨大な時間とエレルギー、画家の「この一作」に賭ける意気込みを感じる。
洋画、日本画、工芸美術、彫刻、書、と見て回るが、その圧倒的な展示数(洋画だけで2000点)
に戸惑う。最初はゆっくり鑑賞していたが、これでは回りきれないと思い後半は流すように歩いた。
「犬も歩けば棒に当たる」ではないが、最初は友人と環境ボランティアに行くだけの予定であった。
そこからつながりつながりして、思わぬことに「日展」まで見ることになった。見れば見たで、そこに
感想が生まれ、私の鈍い感性の刺激になる。なにも「今日はこうしよう」とスケジュールを立てて
行動しなくて、行き当たりばったりで動いても、それはそれで結構面白いものである。論語で言う
「七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず」(七十になってから、心のおもむくままに行動し
ても、道理に違うことがなくなった、と言う意味らしい)、私も70真近である。きっちり計画を立てて
行動しなくても、大きな問題が起こることもないであろう。自分の中に制約を設けず自在に動く。
そのことが歳とともに顕著になってくる、「興味の範囲が狭まり、無関心になり、行動力が無くなる」
ことへの対策になるのかもしれない。
青山の国連大学広場で 環境ボランティア見本市が開催されていた。
同じ国連大学前で行われるファーマーズマーケット@UNUは毎週土日10:00~16:00開催。
不揃い野菜、珍しい品種、旬の野菜など、これまで一般には手に入らなかった
知る人ぞ知る人気生産者から直接野菜や果物を販売。
食べる「ほうずき」 1個100円は高い。
1個食べて見たが、甘い独特な味がする。
北九州小倉区出身の「唐そば」と言う店で昼食
つけ麺 800円
表参道
歩道に座るのに抵抗はないようだ
表参道から脇道に入ってもズラリと人が並ぶ。約100m
その先頭にあったのは「Eggs'n Things(エッグスンシングス) 」と言う店
ハワイを訪れる世界中の旅行客にとって人気のカジュアルレストランとか
表参道ヒルズ
友人の奥さんが、表参道ヒルズで毎年1週間「手織り服」の催事を行う
一点3万から5万円
明治神宮前から地下鉄で乃木坂へ、国立新美術館へ向かう
以前は上野で開催されていたが、国立新美術館に移って5年目だそうだ
国立新美術館
洋画
展示場の洋画、日本画、彫刻など各分類ごとに10点前後の「特選」という金の紙が貼られている。
膨大な作品の中から選者は何を基準に「特選」を選ぶのだろうか?興味があるのでインターネットで
「特選」の受賞理由を調べてみた。それを何作品かの写真に添付してみる。
特選 小休止(パイプの煙)
受賞理由
人形にレインコート、砂時計等、使い古された愛着のある物ばかりをアトリエの一隅に配置し、
くり返し見て描くことにより深味のある表現になっている。今回一段と完成度の高さが見られ、
今後の展開が楽しみ。
特選 アルテミス
受賞理由
北海道育ち、雪の白さの中で培われた作品。長年にわたり白い世界を追求し続け、
今回の作品に結実した。卓越したデッサン力と構成力には目を見張るものがある。
今後さらに大きな飛躍が期待出来る。
特選 チョーク絵のある静物
受賞理由
長崎で活躍する26才の新鋭。「チョーク画」という新しい技法を武器に臨んだ作品である。
ジャンルとしては、静物画になるが、背景に人物を配するという難しい課題を若い感性で
見事に融合させた秀作である。
特選 獺祭図
受賞理由
テーマに合ったものを少しずつ集め、丹念に観察し、彼独自のスッキリとした空間と
ものの存在を感じさせる作品である。
特選 アトリエ・物語
受賞理由
日展らしい奥行きの深いフィールドでの描き手として力を発揮している。的確な描写力に裏打ち
されている表現は説得力を持つ。2度目の特選受賞者として、さらなる発展を期待する。
特選 光差す時間
受賞理由
郷里のベンガラ工場跡に座す自分を描いたものである。風化したコンクリート壁の色と
服の色がノスタルジックに語りかけ、差し出された手のひらには、幸せを願う青い鳥が
しのび寄る。象徴的な作品となり秀作。
特選 雄流
受賞理由
現代のリアリズムを問う作品である。作者はあえて、現実と映像の「はざま」を追求している。
ここで表現された空間は、堅牢であり、手で触れることのできる不思議な被膜となっている。
写真を超えるリアリズムとして秀逸である。
上の絵の右の草地、1本1本の草まで描き込んである
水の透明感がすばらしい
日本画
日本画
工芸美術
この世界まったく理解不能
彫刻
マネキン置き場にいるような感覚
人と彫刻とが混じり合う
内閣総理大臣賞 春雷
受賞理由
「思いきり躍動する馬の形態を、写実と抽象のはざまで表現したもの」との作者の弁。
作品は熱情と詩情に溢れた大作で、馬の細部表現を省略し、ダイナミックな動勢を空間に
大らかに自然に構成し、その存在感は量感を伴って的確である。作者の感性による独自な
様式化は、永年に亘る作者の内実の輝きも加わり、生命感のある秀作である。
日展会員賞 花茎
受賞理由
静謐の中に凜とした佇まいを示した作品である。コスチュームは流れるような量感表現であり
ながら、アクセントをつけて制作されている。更に、両手の空間構成も作品のもつ心象を補う
働きをつくりだしており、特筆できる優作といえる。
書
3Fから1Fのカフェを見下ろす
夕日に照らされる国立新美術館
美術館から六本木へ
11月20(日)に開催される「六本木マスカレード」(仮装パレード)の為の仮面コレクション。
「六本木マスカレード」は、今回六本木で初めて開催される仮装の祭典で、国立新美術館
の六本木星条旗通りを思い思いの仮装でスタートする仮面での仮装パレードらしい。
世の中のイベントも段々様変わりしてくる感じがする。
チャイ300円
サングリア 300円
さすが六本木の屋台、扱い商品がシャレている
No.325 原宿・六本木 11月13日
以前の会社で環境関係の部署に所属している友人から、「青山で環境ボランティア見本市がある
から行って見よう」と誘われた。最近は時間が許せば、出来る限りお誘いは受けるようにしている。
それは歳とともに、無関心なものが多くなり、興味の範囲が狭くなり、行動力が無くなってしまうから
である。「相手から誘ってもらえる」、このチャンスは逃してはいけない。そう思うのである。
朝10:30に青山紀伊国屋前で待ち合わせた。渋谷に向かって歩くと国連大学という施設があり
その1Fに、それぞれの団体のブースが並んでいる。地球温暖化防止、リサイクルと廃棄物対策、
生物多様性などの環境活動の紹介である。友人はそれらのブースに立ち寄って話をしていたが、
私は「御苦労様」と思うものの、彼らのように献身的な気持ちの人々とはかけ離れた存在である。
すんなりとは入り込めず、友人とは一歩離れたところで見ていた。
同じ国連大学の歩道側に「ファーマーズ・マーケット」という農産物主体の市場が開催されていた。
実利的な私はこちらの方に興味を引かれた。全国各地からのこだわりの農産物を集め毎週土曜
日曜に開催されているらしい。スーパーに比べると5割前後は高いと思われるが、商品それぞれに
語るべきうんちくがあるようで、それが消費者に興味と安心感を与え人気になっているのであろう。
環境ボランティアとファーマーズ・マーケットを見終えて渋谷まで歩く。渋谷駅近くで、友人がTVで
紹介されていた「ラーメン屋」に行こうと言いだし、久々に豚骨のラーメンを食べて友人と別れた。
今週、小田原に住む友人の奥さんが表参道ヒルズで手織り服の催事をやっている。案内葉書を
もらっていて、どうしようと迷っていた。販売商品は全て女性物で買う気もないから行っても仕方が
無いのだが、「ここまで来たから、ついでに寄って見よう」、そう思い直して山手線の原宿で降りた。
原宿駅から表参道を歩く。ケヤキ並木の大きな道には、銀座と違って若者向けの有名ブランドの
店が並ぶ。少し人通りが少なくなったあたりに表参道ヒルズがある。その一角にオバサマ相手の
彼女の店があった。お店を覗いてみたら彼女の友人なのであろうか、服を見ながら談笑している。
商売の邪魔をしてはいけないと思い、来たことだけを告げて帰ろうとすると、「あっ、ちょっと待って、
日展の招待券が余っているから行ってみない?」、そう言ってレジそばにあったバックから券を出し、
私に渡してくれた。まだ昼の1時過ぎである、時間もあるから招待券をもらって観に行くことにする。
今度は明治神宮前から乃木坂へ、思いもしなかった国立新美術館で「日展」を見ることになった。
日展はもう30年以上前になるだろうか、上野で開催されていた時に女房と1度行ったことがある。
会場は1Fから3Fまで6つの展示室に分かれていた。最初に洋画の展示館に入る。大きな会場
全体を包むように絵具の匂いが漂う。作品のほとんどが脚立が無ければ描けほどの大作である。
作品一つ一つに掛けた膨大な時間とエレルギー、画家の「この一作」に賭ける意気込みを感じる。
洋画、日本画、工芸美術、彫刻、書、と見て回るが、その圧倒的な展示数(洋画だけで2000点)
に戸惑う。最初はゆっくり鑑賞していたが、これでは回りきれないと思い後半は流すように歩いた。
「犬も歩けば棒に当たる」ではないが、最初は友人と環境ボランティアに行くだけの予定であった。
そこからつながりつながりして、思わぬことに「日展」まで見ることになった。見れば見たで、そこに
感想が生まれ、私の鈍い感性の刺激になる。なにも「今日はこうしよう」とスケジュールを立てて
行動しなくて、行き当たりばったりで動いても、それはそれで結構面白いものである。論語で言う
「七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず」(七十になってから、心のおもむくままに行動し
ても、道理に違うことがなくなった、と言う意味らしい)、私も70真近である。きっちり計画を立てて
行動しなくても、大きな問題が起こることもないであろう。自分の中に制約を設けず自在に動く。
そのことが歳とともに顕著になってくる、「興味の範囲が狭まり、無関心になり、行動力が無くなる」
ことへの対策になるのかもしれない。
青山の国連大学広場で 環境ボランティア見本市が開催されていた。
同じ国連大学前で行われるファーマーズマーケット@UNUは毎週土日10:00~16:00開催。
不揃い野菜、珍しい品種、旬の野菜など、これまで一般には手に入らなかった
知る人ぞ知る人気生産者から直接野菜や果物を販売。
食べる「ほうずき」 1個100円は高い。
1個食べて見たが、甘い独特な味がする。
北九州小倉区出身の「唐そば」と言う店で昼食
つけ麺 800円
表参道
歩道に座るのに抵抗はないようだ
表参道から脇道に入ってもズラリと人が並ぶ。約100m
その先頭にあったのは「Eggs'n Things(エッグスンシングス) 」と言う店
ハワイを訪れる世界中の旅行客にとって人気のカジュアルレストランとか
表参道ヒルズ
友人の奥さんが、表参道ヒルズで毎年1週間「手織り服」の催事を行う
一点3万から5万円
明治神宮前から地下鉄で乃木坂へ、国立新美術館へ向かう
以前は上野で開催されていたが、国立新美術館に移って5年目だそうだ
国立新美術館
洋画
展示場の洋画、日本画、彫刻など各分類ごとに10点前後の「特選」という金の紙が貼られている。
膨大な作品の中から選者は何を基準に「特選」を選ぶのだろうか?興味があるのでインターネットで
「特選」の受賞理由を調べてみた。それを何作品かの写真に添付してみる。
特選 小休止(パイプの煙)
受賞理由
人形にレインコート、砂時計等、使い古された愛着のある物ばかりをアトリエの一隅に配置し、
くり返し見て描くことにより深味のある表現になっている。今回一段と完成度の高さが見られ、
今後の展開が楽しみ。
特選 アルテミス
受賞理由
北海道育ち、雪の白さの中で培われた作品。長年にわたり白い世界を追求し続け、
今回の作品に結実した。卓越したデッサン力と構成力には目を見張るものがある。
今後さらに大きな飛躍が期待出来る。
特選 チョーク絵のある静物
受賞理由
長崎で活躍する26才の新鋭。「チョーク画」という新しい技法を武器に臨んだ作品である。
ジャンルとしては、静物画になるが、背景に人物を配するという難しい課題を若い感性で
見事に融合させた秀作である。
特選 獺祭図
受賞理由
テーマに合ったものを少しずつ集め、丹念に観察し、彼独自のスッキリとした空間と
ものの存在を感じさせる作品である。
特選 アトリエ・物語
受賞理由
日展らしい奥行きの深いフィールドでの描き手として力を発揮している。的確な描写力に裏打ち
されている表現は説得力を持つ。2度目の特選受賞者として、さらなる発展を期待する。
特選 光差す時間
受賞理由
郷里のベンガラ工場跡に座す自分を描いたものである。風化したコンクリート壁の色と
服の色がノスタルジックに語りかけ、差し出された手のひらには、幸せを願う青い鳥が
しのび寄る。象徴的な作品となり秀作。
特選 雄流
受賞理由
現代のリアリズムを問う作品である。作者はあえて、現実と映像の「はざま」を追求している。
ここで表現された空間は、堅牢であり、手で触れることのできる不思議な被膜となっている。
写真を超えるリアリズムとして秀逸である。
上の絵の右の草地、1本1本の草まで描き込んである
水の透明感がすばらしい
日本画
日本画
工芸美術
この世界まったく理解不能
彫刻
マネキン置き場にいるような感覚
人と彫刻とが混じり合う
内閣総理大臣賞 春雷
受賞理由
「思いきり躍動する馬の形態を、写実と抽象のはざまで表現したもの」との作者の弁。
作品は熱情と詩情に溢れた大作で、馬の細部表現を省略し、ダイナミックな動勢を空間に
大らかに自然に構成し、その存在感は量感を伴って的確である。作者の感性による独自な
様式化は、永年に亘る作者の内実の輝きも加わり、生命感のある秀作である。
日展会員賞 花茎
受賞理由
静謐の中に凜とした佇まいを示した作品である。コスチュームは流れるような量感表現であり
ながら、アクセントをつけて制作されている。更に、両手の空間構成も作品のもつ心象を補う
働きをつくりだしており、特筆できる優作といえる。
書
3Fから1Fのカフェを見下ろす
夕日に照らされる国立新美術館
美術館から六本木へ
11月20(日)に開催される「六本木マスカレード」(仮装パレード)の為の仮面コレクション。
「六本木マスカレード」は、今回六本木で初めて開催される仮装の祭典で、国立新美術館
の六本木星条旗通りを思い思いの仮装でスタートする仮面での仮装パレードらしい。
世の中のイベントも段々様変わりしてくる感じがする。
チャイ300円
サングリア 300円
さすが六本木の屋台、扱い商品がシャレている