《真壁は古い城下町として栄え、江戸時代から明治大正にかけて、豪商達が建てた300以上の見世蔵や土蔵・門などが町内に多く点在する。そのうち100棟以上が国の登録有形文化財となっている。約400年前の江戸時代の町割がほぼそのままの形で残る町としても貴重である》、そんな紹介記事を見て一度は行って見たいとリストアップしていた町である。しかし交通の便が悪く、電車やバスを乗り継いでも日帰りで行ける場所ではなかった。それが昨年、圏央道が部分的に繋がり古河までいけるようになった。そんなことから今回この真壁町(茨城県桜川市)に行ってみることにしたのである。
自宅から圏央道の入間川ICまでは30分、高速に入って境古河ICまでは1時間、高速を降りて一般道で約1時間と、自宅から2時間半で高上町駐車場に到着した。「観光客は車で来るしかない」そんな立地からか広い町営の駐車場が用意されている。この時期、散策する人はいないのだろうか、駐車したのは私の車だけである。料金箱に自己申告でお金を入れ、観光マップを持って町に出た。
町を歩いて直ぐに気がつくことがある。人が歩いていない、コンビニがない、食堂や喫茶店など飲食業がない、雑貨店などは商品が並んでいるだけで店の人もいない。聞こえる音は油蝉の声だけ。SF映画で住人が突然いなくなり、無人化した町に迷い込んだようである。町は川越市のように古い建物が並ぶのではなく、豪商達の古い家屋が町の中に点在している。そして一般の民家も2階建ての日本建築で、町全体が私が生まれた昭和初期の町並みの雰囲気である。真壁の町は交通の便が悪かったがために、時代から取り残された町である。しかしこのことが反対に今からは価値ある町のように思えてくる。
高上町駐車場
帰りも私の車1台だけだったから、今日1日の駐車収入は500円
駐車料金は自己申告
上の封筒に車のナンバーを記入しお金を入れて料金箱へ
赤線の内側が重要伝統建造物群保存地区
高上町通り
星野家のギャラリー和空間
旧真壁郵便局
戦前戦後を通じてランドマークとして親しまれた近代建築
谷口家
真壁の近代を支えた谷口製糸所建物群と旧家住宅建物
谷口家は真壁の中でも屈指の旧家
橋本旅館
典型的な昭和初期の旅館建築
朽ち果てているが集会所に使われている
見芽通り
見芽通り
真壁伝承館
図書館や歴史資料館などある複合型施設、町の中で唯一の近代建築だが
白と黒の基調で真壁の町並みに調和した外観にしてある
中央に秋楡(アキニレ)の木が一本植えてある
真壁伝承館
真壁伝承館
2012年の日本建築学会賞を受賞した。
右は伝承館の黒塀、左は根本医院
猪瀬家
明治期の本格的で造りが良い薬院門
村井醸造
17世紀以来の歴史を誇る造り酒屋
伊勢屋旅館
明治期の伝統的な町屋建築と土蔵造りの料亭建物
潮田家
元呉服太物商鶴屋
密光寺
江戸後期の仏堂
市塚(章一)家
左は 市塚(政一)家
保蔵状態の良い長屋門
市塚(昌宏)家
古式を留める薬医門
手前は小田部鋳造、後方は西岡本店
梵鐘や半鐘など伝統工芸の拠点施設
西岡本店
明治初期に建設された醸造所
夏休みの真壁小学校グラウンド
正面は筑波山
ここから折り返し、車を止めてある駐車場へ