今日は坂東第11番札所、岩殿山安楽寺である。前回10番で一緒した東武線森林公園に住む友人の家が近くだから、一緒に歩く予定だった。しかし2日前に38度の熱が出て寒気がするから行けないという電話が入り、今回は単独行になった。一人で歩くときは一人の楽しみ方がある。雰囲気があると思えるルートを選んだり、目に付いた草花に目をやったり、絵の題材になりそうな風景で立ち止ったり、写真の構図を考えるのに時間をかけたり、自由気ままに歩く。こんな風に一人が楽しめるようになったのは60歳を過ぎてきてからだろうか。
20代後半の夏、憧れて一人旅に出たことがある。東京から中央線小海線と乗り継ぎ美しの森へ、そこから再び小海線で小諸に着いたときは暗くなっていた。駅に降り宿を探すのに片っ端から電話しやっと1軒の旅館に泊ることができた。翌日懐古園や小諸城址を一人で散策し東京まで戻った。見て歩く風景に感激するわけでもなく、ただ自分の立てたスケジュールをこなしているだけで、旅を楽しむ余裕はなかった。家族連れの多い夏休み、周りは一人で過ごす私をどう見るだろうか?と、気にしながら旅していたように思う。たぶんその年代の私は一人旅行を楽しむ余裕がなかったのであろう。
東武東上線の東松山駅駅を降りて東に向かう。東松山は池袋から急行で1時間の距離にある郊外である。このあたりまで来るとマンションは少なく庭付きの一戸建てが多くなる。道々にある桜もすでに散り始め、家々の庭を飾る花々も一斉に咲き始め春爛漫を感じる。駅から1時間少しで安楽寺に着く。このお寺は埼玉県比企郡吉見町にあり、地元では吉見観音と呼ばれている。吉見の地名で思い出すのは「吉見百穴」、以前来たことはあるがもう一度見ることにした。あと松山城跡、箭弓稲荷と余力があると思えばあちらこちらに寄ってみる。これも一人ならではの自由さである。
東武東上線 東松山駅東口
東口から真っ直ぐ伸びる駅前通り
桜の花びらが浮かんだ下沼公園
市野川土手の桜並木
市野川
これだけ花を付けると異様な感じがする。
郊外の一戸建てならではの贅沢
桃の花
春爛漫
参道
右側は阿弥陀如来像「吉見大仏」と呼ばれる
第11番札所 岩殿山 安楽寺
この寺の草創は、およそ1300年前、
東国を巡遊していた行基が、観音像を刻んで岩窟に納めたのが始まり。
三重塔は江戸時代初期の建築
朱塗りの薬師堂
桜は散り際に花の中心部が濃くなり、ピンクが濃くなるらしい
吉見百穴(よしみひゃくあな)
今から1200年前の古墳時代の横穴墓群
横穴は200個近くある
穴の内部
戦時中、同じ岩山に掘られた地下軍需工場跡
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岩は凝灰質砂岩で出来ているから掘りやすい
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吉見百穴の前のうどん屋で昼食
肉汁うどん650円
岩室観音堂
洞窟内の石仏
胎内くぐり
ハート型の穴をくぐる
岩窟ホテル
明治時代後期から大正時代にかけて、農夫高峰峰吉の手によって掘られた。
その時に「岩窟ほってる」が訛って「岩窟ホテル」と聞こえ新聞に報道されたのが始まり
松山城跡
市野川
箭弓稲荷参道
箭弓稲荷(やきゅういなり)神社
神社は昔から勝負の神としてお参りが盛んで
箭弓(やきゅう)=野球から絵馬がバットやベースの型になっている
東松山駅西口