歳を取るとおせっかいになるのか、周りにいる未婚の男女の恋愛問題について口を挿むことが多くなった。それは人生経験の故か、旨くいかない男女関係の相談を受けても、その見通しが意外と利くようになったと思うからである。我々の時代は周りの人々が仲を取り持ったり、見合いをセットしたりと気を回してくれていたが、今は自分で相手を見つけ、自分の行動と判断で決めていかなければいけない。したがって多くの若者が自分の思いだけで突っ走ったり、将来設計を考えすぎるあまり現実と折り合わず、婚期を逸したりすることが多いように思う。
最近相談に乗っている中で、ある仕入先の営業マンの例がある。彼は29歳、関西出身で東京の私立大学を卒業して、大手合成樹脂の会社の東京支店に勤めている。東京支店には女性社員も多く、その中の24歳の事務員を好きになった。何度かのデートを重ねて順調だと思っていた彼は、より親密さを演出するためにスポーツタイプの車を買った。金額は320万円、そのすべてをローンにして買ったようである。そして彼女を誘ってドライブに行くようになる。その当りから彼女との関係はかみ合わずギクシャクするようになっていく。
彼はどうしても30歳までに結婚したいと思っている。しかし24歳の彼女はまだ遊びたい盛りで、そんな気は無いようである。そのあたりの温度差があったからなのか、それとも安月給なのに、すべてローンで車を買う無謀さを嫌ったのか、彼女が次第に離れていくようになった。昨年の暮れに社内の若い人達で忘年会があり、2人も出席した。2次会でカラオケ店に繰り出したとき、別の席で別の男性と親しく話す彼女を見て、とうとう彼は切れてしまい店内で大暴れしたそうである。翌日そのうわさは社内に広まり、2人の関係は決定的になってしまった。
そんな事件の後で私に相談に来たわけである。だれが考えても元には戻りえないと思うのだが、それでも彼はよりをもどし、何とか結婚まで持っていきたいという。「自分の気持ちを、もう一度彼女に伝えようと思っているのですが、どう思いますか?」と聞かれた。さてどう答えようと迷ったが、「多分今、彼女は追われれば追われるほど逃げると思う。だからここは先日の非礼を詫びて、今後社内で彼女に会っても挨拶はするが一切誘わないようにする。3ヶ月、半年しても彼女からアプローチがなければ、彼女にその気持ちがないのだからさっぱり諦めたほうが良い。もし彼女に少しでも気持ちが残っていれば、彼女の方から誘ってくるはずだから、それまで待つしかないと思う」、そう言っておいた。その後、彼は定期的に私に経過報告してくれるようになる。
しばらくして社内で彼女に会っても無視はされなくなり、相手から声をかけてくれるようになったそうである。しかしその時思わず誘ってしまい、その都度体よく断られたそうである。彼は私のアドバイスは聞かず、何とかしたい一心で食いついていったのであろう。それからはもう誘うことも出来なくなり、半年が過ぎてしまった。先日彼が仕事で訪ねて来た時、「どうしても彼女を諦められないから、もう一度だけチャンスを作りたい」と言う。「自分は趣味でバンドを組んでリードギターをやっている。10月に発表会をやるから、その時に彼女を誘って見たい。彼女が来てくれるようだったら、それを切っ掛けにもう一度アタックしてみる」と言う。彼の一途な思いは可愛そうに思うほどである。
私は彼の熱くなる気持ちに水を差しておかなければと思い、「多分彼女はめんどくさいから来ないと思うよ。そのときはもうきっぱり諦めるんだね」、「結局ほれた方が弱いわけで、貴方は選ばれる方になっている。カッコ良くスポーツカーを乗り回す男、リードギターを弾くバンドマンは彼女に対してなんのポイントにもなっていないと思う。だからもう外見にこだわるのはやめて、少し本でも読んで内面の充実を図ることの方が大切だと思う。急がば回れだと思うんだが・・・」、そんなようなことを話しておいた。彼は私から見ても、気さくで明るい性格で悪い男ではないように思う。しかし彼の行動や考え方は年齢の割には幼く軽い感じがする。そして女性から見たとき、多分彼には「何か」が足らないのであろう。だから結婚対象から除外されるのかもしれない。その「何か」が男には良く分からないのである。
最近見た記事に、「近年の若者に多くみられる恋愛スタイル」の特徴として、1.相手からの賞賛を得たがる。2.相手からの評価が気になる。3.相手の挙動から目が離せなくなる。そして結果として多くの場合、交際が長続きしない。と書いてあった。これらの特徴をもつ恋愛を「アイデンティティのための恋愛」と名づけ、最近は相手に愛情を注ぐ他者愛よりも、自分を認めて欲しいという自己愛の方が上回るような恋愛傾向にあるということである。
これを今回の話に当てはめると、彼は自分自身に十分な自信がないため、その自信を補強するためにスポーツカーで箔をつけようとした。そして今度は自分の演奏する姿を見せることで自分の評価を上げようとするのだろう。結局彼の恋愛は本当に彼女のことを思う愛情ではなく、好きだと思う女性に自分を認めて欲しいという自己愛の方が上回るような恋愛なのかも知れない。だから彼が今後も今の路線で結婚相手を探す限り、彼の努力は報われないのかもしれない。
そして同じ記事の中に「本当の恋愛とは」として、
1.相手に条件を求めず、ありのままの相手を好きになろうとする。
2.自分のことを考えるのではなく、相手のこと二人のことを考えるようにする。
3.ありのままの自分を相手に出すようにする。
4.精神的に支えあう存在になるように意識する。
5.今だけでなく、将来の二人のことに思いをはせるようにする。
6.ときめくから好き、と言う時期を越えて、「安心感や信頼感を持てるから好き」へ移行することを喜ぶ。 とあった。
恋愛の成就は頭で考えれば考えるほど、面倒なものである。
最近相談に乗っている中で、ある仕入先の営業マンの例がある。彼は29歳、関西出身で東京の私立大学を卒業して、大手合成樹脂の会社の東京支店に勤めている。東京支店には女性社員も多く、その中の24歳の事務員を好きになった。何度かのデートを重ねて順調だと思っていた彼は、より親密さを演出するためにスポーツタイプの車を買った。金額は320万円、そのすべてをローンにして買ったようである。そして彼女を誘ってドライブに行くようになる。その当りから彼女との関係はかみ合わずギクシャクするようになっていく。
彼はどうしても30歳までに結婚したいと思っている。しかし24歳の彼女はまだ遊びたい盛りで、そんな気は無いようである。そのあたりの温度差があったからなのか、それとも安月給なのに、すべてローンで車を買う無謀さを嫌ったのか、彼女が次第に離れていくようになった。昨年の暮れに社内の若い人達で忘年会があり、2人も出席した。2次会でカラオケ店に繰り出したとき、別の席で別の男性と親しく話す彼女を見て、とうとう彼は切れてしまい店内で大暴れしたそうである。翌日そのうわさは社内に広まり、2人の関係は決定的になってしまった。
そんな事件の後で私に相談に来たわけである。だれが考えても元には戻りえないと思うのだが、それでも彼はよりをもどし、何とか結婚まで持っていきたいという。「自分の気持ちを、もう一度彼女に伝えようと思っているのですが、どう思いますか?」と聞かれた。さてどう答えようと迷ったが、「多分今、彼女は追われれば追われるほど逃げると思う。だからここは先日の非礼を詫びて、今後社内で彼女に会っても挨拶はするが一切誘わないようにする。3ヶ月、半年しても彼女からアプローチがなければ、彼女にその気持ちがないのだからさっぱり諦めたほうが良い。もし彼女に少しでも気持ちが残っていれば、彼女の方から誘ってくるはずだから、それまで待つしかないと思う」、そう言っておいた。その後、彼は定期的に私に経過報告してくれるようになる。
しばらくして社内で彼女に会っても無視はされなくなり、相手から声をかけてくれるようになったそうである。しかしその時思わず誘ってしまい、その都度体よく断られたそうである。彼は私のアドバイスは聞かず、何とかしたい一心で食いついていったのであろう。それからはもう誘うことも出来なくなり、半年が過ぎてしまった。先日彼が仕事で訪ねて来た時、「どうしても彼女を諦められないから、もう一度だけチャンスを作りたい」と言う。「自分は趣味でバンドを組んでリードギターをやっている。10月に発表会をやるから、その時に彼女を誘って見たい。彼女が来てくれるようだったら、それを切っ掛けにもう一度アタックしてみる」と言う。彼の一途な思いは可愛そうに思うほどである。
私は彼の熱くなる気持ちに水を差しておかなければと思い、「多分彼女はめんどくさいから来ないと思うよ。そのときはもうきっぱり諦めるんだね」、「結局ほれた方が弱いわけで、貴方は選ばれる方になっている。カッコ良くスポーツカーを乗り回す男、リードギターを弾くバンドマンは彼女に対してなんのポイントにもなっていないと思う。だからもう外見にこだわるのはやめて、少し本でも読んで内面の充実を図ることの方が大切だと思う。急がば回れだと思うんだが・・・」、そんなようなことを話しておいた。彼は私から見ても、気さくで明るい性格で悪い男ではないように思う。しかし彼の行動や考え方は年齢の割には幼く軽い感じがする。そして女性から見たとき、多分彼には「何か」が足らないのであろう。だから結婚対象から除外されるのかもしれない。その「何か」が男には良く分からないのである。
最近見た記事に、「近年の若者に多くみられる恋愛スタイル」の特徴として、1.相手からの賞賛を得たがる。2.相手からの評価が気になる。3.相手の挙動から目が離せなくなる。そして結果として多くの場合、交際が長続きしない。と書いてあった。これらの特徴をもつ恋愛を「アイデンティティのための恋愛」と名づけ、最近は相手に愛情を注ぐ他者愛よりも、自分を認めて欲しいという自己愛の方が上回るような恋愛傾向にあるということである。
これを今回の話に当てはめると、彼は自分自身に十分な自信がないため、その自信を補強するためにスポーツカーで箔をつけようとした。そして今度は自分の演奏する姿を見せることで自分の評価を上げようとするのだろう。結局彼の恋愛は本当に彼女のことを思う愛情ではなく、好きだと思う女性に自分を認めて欲しいという自己愛の方が上回るような恋愛なのかも知れない。だから彼が今後も今の路線で結婚相手を探す限り、彼の努力は報われないのかもしれない。
そして同じ記事の中に「本当の恋愛とは」として、
1.相手に条件を求めず、ありのままの相手を好きになろうとする。
2.自分のことを考えるのではなく、相手のこと二人のことを考えるようにする。
3.ありのままの自分を相手に出すようにする。
4.精神的に支えあう存在になるように意識する。
5.今だけでなく、将来の二人のことに思いをはせるようにする。
6.ときめくから好き、と言う時期を越えて、「安心感や信頼感を持てるから好き」へ移行することを喜ぶ。 とあった。
恋愛の成就は頭で考えれば考えるほど、面倒なものである。
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