平成24年11月1日
所属している山の会から送られてきた今月号の会報を見て言葉を失った。会員のNさんが急逝されたという。今年7月会山行で南アルプス鳳凰山登山をした時、Nさんと私が担当リーダーだった。山行の2日間とも雨で生憎の天候だったが、Nさんの周到な準備と落ち着いた統率が山行を成就させた原動力となった。17名のパーティを導いて先頭を歩むNさんの力強い姿が、今だ記憶に生々しい。無事下山後、麓の温泉で隣り合った時Nさんが「疲れたネー。」と発したけれど、その表情に疲れは微塵も無く余裕シャクシャクの風情だった。私より年配なのに身軽な脚力、穏やかで温かみある統率力、経営者として社会人でも立派な実績を刻むNさんは、私等足元にも及ばぬ大きな人間性を感じさせた。鳳凰山の岩場を軽々歩いたNさんが、何故街中の転倒で命を落とさねばならなかったのか。現実の理不尽さに言葉が無い。次回の山行でも「お早うございます。」と明るい声と笑顔で、Nさんがバスに乗り込んで来るような気がしてならない。・・・・ご冥福を祈念します。