9月19日(土) 天気=晴れ時々曇り
早朝6時、集合場所の市役所駐車場へ到着すると既に大勢の人が集まっていた。今日のボランティアは、市民21名、職員5名の総勢26名が参加するとの事、副市長や職員の見送りを受けてバスは出発した。
外環道や常磐道はさほどの渋滞も無かったが、谷和原インターを降り被災地近くになると道路規制の為か渋滞がひどくなった。それでもAM8時半過ぎには、支援地域の集合場所に到着した。
今日我々が支援するのは関東鉄道、北水海道駅付近の住宅街、既に水は引いており壊れた建物があるわけじゃないから、一見するとのどかな郊外に見える。しかし家々には浸水の痕跡がクッキリ残り、高い所では2m近い浸水だった事が伺われる。
今日常総市には2千名近いボランティアが集結したようだが、この地区に150名程動員されたそうだ。沖縄訛の若いお兄ちゃんが地域のボランティアリーダーで、陽気に且つテキパキと作業の指示をする。
被災者宅の水に浸かった使用不能品の搬出、ゴミ収集車への積込が主な作業になった。山のように積まれたゴミは「こんなにあるのか。」と一瞬途方にくれるが、流石に大勢でやれば作業は早い。アリのようにたかって瞬く間にゴミの山が小さくなっていった。
あるお宅では庭に陶器の飾り物がありまだ新しい。奥さんは一部欠けているからこれを捨てて欲しいと言う。でも娘さんは「残そうよ。」と涙を溜めて異を唱える。間にいる私はただオロオロするだけだ。
あるブラジル人のご家族が助けを求めてきた。家の冷蔵庫を外へ搬出して欲しいと言う。狭い室内に大きな冷蔵庫が2台あり、一人、二人ではどうにもならない。四人がかりで何とか搬出できた。遠い異国でこんな災難に遭い、お気の毒としか言いようがない。
最初は「ヤッタルゼー」と燃えていても、ヘドロの臭いが漂う中、ロクなトイレも無い過酷な環境での作業は午後になるとグッタリ疲れを増す。しかしボランティアは此処を去ればヌクヌクとした我が家に戻る事ができるが、復旧するまでこの環境に身を置かねばならない被災者の方々を前にしてグチは言えない。
作業の終わり帰り際に、その被災者の方々からから「ありがとうございます。」とお礼の言葉を頂く。私なんぞ他人様から感謝されるなんて事殆ど無いから「こんな俺でもチョットはお役に立てるんだ。」と嬉しくなるし生きる勇気も湧いてくる。そういう意味じゃこっちこそボランティアの機会を与えてくれてありがとうございますとお礼を言いたい心境だ。
作業終了時(けっこうドロだらけ)