Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

北ア、南岳~北穂高岳登山(1)

2015年09月26日 | 山歩き

上高地から槍沢ロッジまで

9月22日(火)    天気=晴れ

09:27上高地→ 09:33~50上高地ビジターセンター→ 10:27~51明神→ 11:33~12:10徳沢→ 12:58~13:22横尾→ 14:38槍沢ロッジ(宿泊)

 

 朝5時前我家を車で出発して、9時過ぎには上高地に到着した。私が若い頃は前日の夜、新宿駅からギュウギュウ詰めの急行アルプスに乗り翌朝やっとこさ着いたのに、今は便利な時代になったものだ。

 歩き始めてすぐに河童橋で恒例の記念写真、見慣れていてもここから眺める穂高連峰は絶景だ。私はすぐ歩きたかったのだが、妻が近くに在るビジターセンターを見物したいと言う。出発早々夫婦喧嘩も嫌なので渋々ながら従う。

 河童橋で記念の写真

 河童橋から梓川と穂高連峰

 横尾へ向かう遊歩道は穂高の眺めと梓川のせせらぎがマッチして、歩いていても心が弾む。道沿いはシルバーウィーク中とあって人の列が絶えない。出発して約2時間半で横尾に着いた。ここから眺める前穂高岳は、スイスアルプスを見るようで私のお勧めビューポイントだ。

 梓川と中央奥に大天井岳

 横尾から前穂高岳

 横尾から涸沢へ向かう道と別れ、槍沢本流を遡って行く。この先は本格的な登山道なので観光客の姿は無いが、連休後半とあって下山の人が次々と降ってくる。登り優先が登山のマナーだからすれ違う度道を譲ってくれるのだが、その都度「すみませ~ん。」と言いながら速足で通過せねばならずペースが乱れて逆に疲れてしまった。

 槍沢の清流

 一ノ俣谷の木橋

 川沿いの木々は色づき始めており、秋の気配が漂う。14時半過ぎ、そんな木立の中に建つ槍沢ロッジに到着した。ここは山中の山小屋にあっては珍しく入浴ができる。石鹸・シャンプーは使えぬけれどお風呂に身を浸すだけでも身体が癒される。居心地の良さに、ここから日帰りで槍ヶ岳を往復する人も多いようだ。小屋は程々の賑わいで、風呂上りのビールと美味しい食事に満足してグッスリ熟睡できた。

 槍沢ロッジ

 

 

槍沢ロッジから南岳小屋まで

9月23日(水)    天気=晴れ

05:41槍沢ロッジ→ 06:10~21槍沢キャンプ地→ 07:48~08:02天狗原分岐→ 08:40~09:00天狗池→ 10:55~11:05横尾尾根分岐→ 11:24~26南岳→ 11:33南岳小屋(宿泊)

 

 気持ちの良い快晴の朝を迎えた。昨日の疲れも取れ、5時40分頃軽い足取りで出発する。歩き始めて30分程で槍沢のキャンプ地に着く。以前よりトイレ等も整備され、快適なテント場です。

 槍沢キャンプ地

 キャンプ地から槍沢の左岸(右側)を登って行く。前方には槍へ続く東鎌尾根の稜線が見える。尾根直下の大曲りからゆるやかに左折して槍へと直上して行く。中々の急登だが、ジグザグに刻まれた道は意外と歩き良い。残雪期ならば沢の真ん中を一直線に登り、下りは尻セードで一気に滑り降りるので実に痛快な所だ。

 キャンプ地上部の槍沢(奥に大曲りと東鎌尾根)

 大曲りから槍沢上部

 キャンプ地から約1時間半で天狗原分岐に着く。殆どの人がこのまま直上して槍ヶ岳へ向かうが、我々は左折して天狗原経由で南岳へ向かう道に入る。このコースは私にとって未踏なので、今回の登山はこの道を歩くのが目的の一つだった。

 天狗原分岐

 天狗池に向かう登山道

 分岐から約40分で残雪が残る天狗池(2524m)に着く。ここは槍ヶ岳展望地として有名なビューポイントで、多くの人が撮影に訪れている。我々も眺望を満喫した後、横尾尾根の稜線に向け登って行く。池の上部は天狗原と呼ばれる氷河地形跡地で、眺めは良いが岩がゴロゴロと堆積し歩き難い道である。疲れ始めた脚を宥めつつ池から約1時間で横尾尾根の稜線に達した。前方に展望が拡がり見慣れぬアングルで見る穂高連峰の雄姿が圧巻だ。思わずしばし見惚れてしまう。

 天狗池から槍ヶ岳

 天狗原の登山道

 横尾尾根稜線から穂高岳方面

 ここからコースは横尾尾根経由で南岳へ向けて一気に急登する。岩がゴロゴロして最後はロープとハシゴ場が連続する実に体力を消耗する道で、稜線を歩く登山者の姿が見えてるのに中々距離が縮まらない。天狗池から2時間掛かって、ようやく槍から穂高へ続く稜線に達した。もう槍の穂先も同等の高さに見える。

 南岳へ突き上げる横尾尾根

 横尾尾根分岐から見下ろす横尾尾根

 横尾尾根分岐から槍ヶ岳

 ここまで来れば南岳(3033m)を越えて南岳小屋までは僅かな距離、まだ午前中なのでコースタイムから計算すると北穂まで行けぬ事もない。しかし南岳山頂から大キレットの険しさを見て、今日は南岳小屋泊りが無難と考え(翌日この判断が正しかったと痛感する。)、山頂直下の小屋へ向かう。

 南岳山頂

 小屋に入り、受付のオニィさんに宿泊を申し込むと「ウチは原則予約制なので、事前に予約の電話を入れて欲しかったんですけどね。」と一言嫌みを言われた。その事は承知していたのだけど、山小屋だからと甘く考えていた。「ハイハイ済みません。」と答えたが、こんな事なら南岳の山頂から電話すればよかった。

 南岳小屋(奥が南岳)

 今年4月に白川郷の宿で誘ってくれたオネェさんの姿も見掛けたが、従業員は皆、出入りする登山者達への飲食応対でテンヤワンヤの忙しさ、声を掛けそびれていたけれど合間をみて「4月の白川郷ではお世話になりました。」と話しかけたら、「わあ~来てくれたんですか。」と喜んでくれた。

 小屋内の喧騒を逃れて入口脇のベンチでビールを飲んでいたら、前の席に中高年の男女が座った。夫婦にしては互いの雰囲気が不自然だなと思ったら、男性は大森義昭さんという山岳ガイドで、大キレットを歩きたいという女性の依頼でマンツーマンのガイドをしていると言う。

 ほろ酔い加減で大森さんといろいろお話させてもらった。私が「今三百名山踏破中で、それを終えたら次は何をすればよいか未定だ」と話すと、「私はクライミングスクールを主宰してるけれどやってみませんか。前穂北尾根や剣の八ツ峰等のバリエーションルート挑戦も面白いですよ。」と誘ってくれた。言われて成る程それも有りかなと一瞬思った。

 この大森さん後日検索したらけっこう有名なガイドさんで、映画「岳」の山岳コーディネーターもやっており主演の小栗旬や長澤まさみも指導したそうだ。彼の誘いに「三百名山を終え、その気になったら連絡させてもらうかも知れません。」と返事をした。

 食事前の夕刻、小屋横の展望地から大キレットを挟んで悠然と聳え立つ穂高連峰を陶然と眺め、「やっぱり槍穂高は最高だなあ。」と此処に来られた喜びを実感する。

 南岳小屋から大キレットを挟んで穂高連峰

コメント
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