Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

物静かな山ガールだったら車に乗せてあげたのに

2016年08月10日 | 日記

 8月10日(水)

 先週の南アルプス登山では赤石岳から下山後、人里離れた大井川源流の椹島ロッジに宿泊した。ここは東海フォレストが経営する宿泊施設でその他に売店食堂キャンプ場等があり、真夏でも暑さ知らずの別天地である。

 ここに泊る人の殆どは南アルプスを目指す登山者で、私が泊った日も多くの老若男女で賑わっていた。しかし生憎の天気でその日の午後から雨が降り始め、翌朝になっても降り止まなかった。

 それでも雨衣に身を固め覚悟を決めて山へ向う人も多かったが、雨の勢いに押され登山を諦めた人もかなりいて、畑薙ダムへ戻る朝一番のマイクロバスは満席だった。登山を諦めた悔しさなのか重苦しい車内で、異彩を放っていたのが私と同年輩と思われる4人組のオバ様グループで、「明日も天気悪いんじゃ、景色も見えないしねぇ~」とか「大丈夫、山は逃げないんだから」と弁解がましい会話で盛り上がっている。

 聞くとは無しに話を聞いてると、このグループは各地の山を頻繁に登っているらしく「あの山はどうだった」だの「あの小屋がどうだった」と山の自慢話の華が咲き、内心私は「ウルセーなあ」と不愉快な気分だった。

 ところがバスが走り続ける中、雨はだんだんと勢いを無くし、畑薙ダム駐車場に着いた頃には青空さへ広がり始めた。登山を諦めた人達にとっては、何とも皮肉な空模様という他はない。

 バスを降り、我家へと車を走らせる。と下界へ向かう車道の端を、例の4人組オバ様グループが日差しを浴びてテクテクと歩いている。彼女たちは公共の交通機関で来たらしく突然の予定変更に車の手配ができず、数キロ下のバス停まで歩く羽目になったようだ。

 一瞬乗っけてやろうかなとも思ったが、先程の不愉快な気分が頭の片隅にあり彼女らに排気ガスと砂煙を浴びせて通り過ぎてしまった。その時の私の顔「ニヤッとしてなかったか?」って、イエ私は心優しき山男だから決してそんな事はありませんよ。

 雨降る椹島ロッジの朝

コメント
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