8月12日(金)
今年から新たな祝日となった「山の日」が昨日だった。国と山岳関連業界が経済効果を目論んだ安易な祝日のような気もするが、登山というスポーツが活性化するのなら目くじらを立てる事もないかなとも思う。
その関係なのか、昨日の午後8時から始めるフジテレビ番組「奇跡体験アンビリーバボー」では登山に関する奇跡体験が放映されていた。一つは7年前の夏北海道トムラウシ山で8名が犠牲になった山岳遭難で、亡くなった人と生還できた人の生死を分けたのは何だったのか等が詳細に解説され見応えあった。
もう一つは「余命僅かな夫、妻との約束のヒマラヤ登山」というドキュメンタリーで、登山を愛好する中年夫婦の夫にガンが見つかった。しかもそれは身体のアチコチに転移した余命三ヶ月の末期ガン、死を覚悟した夫は以前妻と約束したヒマラヤ登山を身体が動くうちに実行しようと決意する。
夫婦は医師の反対を押切り強引に退院してヒマラヤ登山へ出発し、ゴーキョ・ピーク、カラパタールの登頂に見事成功する。そして奇跡はこれに留まらない。余命三ヶ月を宣告された夫の末期がんは進行を止め、ヒマラヤ登山から16年経ち83歳になった今も、夫婦は元気に登山を続けているという。専門家の話では、目的を持って前向きに生きようとする人は免疫力も高まるので、その影響があったのではという意見だった。
ところで私も54歳の時胃ガンを患った。手術を終えて退院した後、「日本縦断ウォーキング」と「フルマラソン完走」をささやかな人生の目標とし、いずれも実行した。そして来年中には「日本三百名山踏破」を完結しようと思っている。
あの時医者は「大丈夫ですよ。任せてください。」と言って胸をドンと叩いたけれど、もし「残念ですが余命〇ケ月の末期ガンです。」何て宣告されて今があるのなら、何処かのテレビ局から「ぜひ出演をお願いしたい。」と依頼があり、そして私は一躍有名人となったかも知れぬ。何て良からぬ妄想が頭の片隅に湧いた。