Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

北アルプス、唐松岳~五竜岳登山詳細(2日目)

2016年09月06日 | 山歩き

唐松岳山荘→ 五竜岳→ 五竜とおみゴンドラアルプス平駅

9月3日(土)    天気=晴れ時々曇り

 

05:30唐松岳山荘→ 06:36~47大黒岳下コル→ 07:45~08:00五竜山荘→ 08:50~09:08五竜岳→ 09:50~10:13五竜山荘→ 11:50~12:02大遠見山→ 12:52~13:02小遠見山→ 13:57五竜とおみゴンドラアルプス平駅

 

 未明に稜線を覆っていた霧が日の出と共に幕が開いたようにサッと引き、爽やかな朝を迎えた。黒部川対岸の剣岳から薬師岳に繋がる稜線が朝焼けに紅く染まっている。

 紅く染まる立山(左)と剣岳(右)

 朝日を浴びる唐松岳

 牛首ピークから五竜岳

 カップうどんとパンだけの簡素な朝食を済まし、5時半に唐松岳山荘を出発する。山荘の東隣に聳える牛首ピークの西斜面をトラバース気味に少し登り、「牛首の岩場」と呼ばれる岩場の降りがしばらく続く。6年前に白馬から五竜までの幕営縦走で此処を通過した時はそれ程難しいという記憶は無かったが、今は一寸嫌らしく感じられる。それだけ齢を取りバランス感覚が悪くなったという事か。

 牛首の岩場

 岩場をヘッピリ腰で歩く妻

 岩場の降り

 小さな大黒岳の岩峰を越えると砂礫の道をジグザグに降って行く。やがて大黒岳下の最低鞍部に着き、ここで一息いれる。休憩を終えると今度は白岳に向かって登って行く。白岳への登りは、ゆったりした尾根道で心地よく歩いて行ける。豪壮な山容の五竜岳がだんだんと大きくなってくる。振り返ると唐松岳の姿がだいぶ遠のいた。

 最低暗部手前の砂礫の道

 最低暗部から東面の岩壁

 白岳への登り

 白岳の登りから振り返り見る唐松岳(左)と牛首ピーク(右)

 白岳を登り詰めると眼下に五竜山荘の建物が現れた。山荘前のベンチは多くの登山者で賑わっている。山荘周辺にはテント場があり眺めも良くて最高の環境だ。6年前は白馬から一日歩いて此処に着き、私もテントを張った。あの頃既に齢60歳は越えていたけれど、まだ充分に体力はあったのだ。

 白岳直下から五竜山荘と五竜岳

 五竜山荘

 軽い食事を済まして、五竜岳へと出発する。最初は単調な尾根道だが、上部は急な岩場の道に変る。30年程前の4月末、残雪の五竜~鹿島槍を岳友F君と二人で縦走した時、この斜面は凍結したアイスバーンで、けっこう緊張させられた。

 五竜への登りから五竜山荘

 五竜への登りから鹿島槍ヶ岳

 黙々と登る我々の前を黒シャツの若者が空身でユラユラと歩いている。山頂手前で道を譲ってくれたので、妻が「山頂には行かないの?」と訊ねたら、「僕、五竜山荘のスタッフ何で、山頂には何度も行ってるからいいんです。」と応えた。要らぬお世話というものだった。

 五竜岳山頂直下

 山荘から50分で五竜岳(2814m)に到着した。山頂からは360度の展望が拡がる。特に岩尾根伝いに南に聳える鹿島槍ヶ岳の双耳峰が圧巻だ。北には白馬三山が聳え、昨日登った唐松岳はここから見ると標高も低く凡庸な山頂にしか見えない。

 五竜岳山頂

 山頂から鹿島槍ヶ岳

 山頂から白馬岳方面

 山頂から西の立山・剣岳方面

 山頂から東の高妻山方面(左奥)

 20分ほど景色を堪能して山頂を後にする。来た道を辿って40分ほどで五竜山荘に戻って来た。近くのベンチから「もう登って来たんですか。」と声を掛けられた。昨日同室だった町田市のご夫婦だった。ここで休んでこれから五竜岳へ向かうと言う。「頑張ってください。」という我々の声を背に、ご夫婦は出発していった。

 水分補給をタップリして我々も下山を開始する。まず白岳のピークに登り、そこから急な尾根を降って行く。「荒れた急峻な道なので気をつけて」と注意喚起の看板が設置されているが、それ程酷い道じゃない。しかし急坂なので脚の筋肉にけっこうダメージがある。

 遠見尾根上部の鎖場

 急坂を降って沢音が聞こえる鞍部から少し登ると西遠見のピークでそこから先はアップダウンの少ないユッタリした道に変る。西遠見を降った所は小さな池がある砂地の広場でベンチもあって良い休憩ポイントだ。

 西遠見ピーク付近

 西遠見の池

 そこからしばらくユルユル降って行くと「大遠見」と書かれた標識があった。ここが遠見尾根コースの中間点くらいになり、登り降りする登山者が大勢憩っていた。大遠見から更に降って中遠見のピークを越える。大した登りで無かったが、中遠見の登りは今までの疲れもありけっこうきつかった。

 中遠見から次の小遠見(2007)まではそれ程遠くは無かった。このピークは五竜や鹿島槍の素晴らしい展望台なのだが、残念ながらガスに覆われ全く視界は無い。

 ここからゴンドラ駅があるアルプス平までは標高差500mの降りだが良く整備された遊歩道なので大変歩き易い。やがて巨大なケルンが建つ地蔵の頭(1676m)に着いた。この下までリフトが稼働しており、この一帯はもう観光エリアで大勢の人で賑わっている。リフト沿いの遊歩道を10分ばかり降って、五竜とおみゴンドラアルプス平駅に着いた。

 アルプス平への降りから地蔵の頭(右手前)と白馬山麓

 リフト沿いの遊歩道を降る(右下の建物がゴンドラ駅)

 アルプス平から八方尾根の眺め

 人気と知名度では八方尾根ゴンドラより劣るものの、このゴンドラもけっこう賑わっている。乗車の際、係員が冷たいオシボリを差出してくれたのは汗にまみれた我々にはありがたいサービスだった。ゴンドラの窓から優雅に青空を舞うパラグライダーが幾つか望まれた。

 山麓駅に到着すると車で近くの神城地区に在る「十郎の湯」に向かう。ここは素朴な雰囲気で料金も安いから、この辺りで登山の際をした時は必ずといってよいほど立寄るお勧めの日帰り温泉だ。

 山歩きの後の温泉程ありがたいものはなく、疲れた身体が一変にリフレッシュした。程々の好天に恵まれて北アルプスの山歩きを充分に堪能した二日間だった。歩いてる最中は苦しい事もあるけれど、終わってみればそれさへ楽しい思い出に変る。だから山歩きが止められない。

コメント (2)
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