雪だるまクラブのスキーツアーでは、障害者のレベルに合わせてグループ分けをして健常者がサポーターとなってグループを指導するという形をとっているが、3年ほど前から私はマンツーマンでH君とペアを組むようになった。
多分グループ分けを考える会長が、H君と私の相性が良いと思っているからであろう。でもH君と二人のスキーは、最初の頃には随分戸惑った。彼は殆ど言葉を発しないので意志の疎通が図れず、互いの会話が無いのでそれが少し苦痛でもあった。
しかし去年辺りから「別に会話なんてどうでもいいじゃないか。」と思いを改めるようになった。二人でリフトに乗っても、H君は勝手に何かを口ずさんでいる。私は私で「山が綺麗だなとか、あのスキーヤーカッコいいなあ」何て勝手に夢想している。考えてみたら私は他人との会話はそれ程好きじゃない。会話に気を使うくらいなら黙っている方が気楽だ。
だから今年はH君とのマンツーマンを自ら志願した。そんなH君と私の間柄だが、少しづつ親密度の度合が増してきている気がしないでもない。今年はレストランでの休憩中も、私の分までお茶を運んでくれるようになった。そして最終日に別れる時も「アリガト」と私の目を見て言ってくれた。
足腰の強いH君は中級斜面以下ならどんなゲレンデも、ボーゲンスタイルの直滑降で休まず滑って行く。今まで転んだ姿を見た事が無く、その力強さには感心する。そんな彼と来年も一緒に滑れればいいなあと思う。H君はどう思ってるか判らぬけれど、クラブの中で多分私ほどH君との相性が良いパートナーはいないと自負しているので。
私のパートナーH君