3月9日(金)
「春雨や一雨ごとの暖かさかな」何て何処かで聞いたような俳句が浮かび、春の息吹に俄かにゲージュツ心を刺激された私は雨降る中を、六本木のサントリー美術館へと出掛けた。・・・なあ~ンてのは真っ赤な嘘で、例によって新聞販売店からタダ券を貰ったので、雨が降って他にやる事も無いので暇つぶしに出掛けたのでした。
東京ミッドタウンガレリア3階のサントリー美術館で開催されていたのは、「寛永の雅」という江戸時代寛永期の美術工芸品が展示された展覧会だ。寛永時代というのは、戦国時代の世が収まり江戸幕府が確立して平和な世が訪れた時期であるという。
サントリー美術館入口
館内には湯呑等の茶道具、絵巻物、掛け軸、屏風絵、陶器等の多くの美術工芸品が展示されていた。取説によればこれらは雅に洗練された造詣深い品々であるそうだ。
「雅」とは、宮廷風、都会風、優美で上品、洗練された感覚を持ち、風雅、風流であるという意味合いらしい。雅の心を一切持合わせぬ私のゲージュツ心は、これらの名品を前にしてもピクリとして心躍らず困ったものだ。
ここは作品に添付された取説に従い、判ったような顔をして(時々うなづいたりして)判ったふりをしよう。隣で熱心に判った風な顔で見ているオバちゃん、アンタだってそうでしょ。それが美術館でのマナーってもんざんす。
時速0.2キロで館内を巡り終えた私の心は、すっかり疲れてしまった。美術館を出た後、妻がぜひ行きたいと言うので西麻布の居酒屋「権八」へ向かった。ここは昔、小泉首相がブッシュ米大統領と一緒に訪れた事で有名になったお店だ。
西麻布の「権八」
我々は5時半と早めに入店したので、ソコソコ席は空いていたが、その後アッと言う間に満席となった。土地柄のせいかお店の従業員もお客さんも大方が外国人で、何処か異国のお店へ迷い込んだような気分になる。
料理は程々に美味しく料金もあまり高くなかったので、マアマア良いお店だった。異国情緒も味わえたから、5段階の評価では4点くらいかな。春雨の中、アラセブン夫婦の都内散策は、芸術鑑賞とグルメでソコソコ楽しいお出掛けでした。