米国アカデミー賞の4部門にノミネートされた事で一躍注目を浴びた映画「ドライブ・マイ・カー」が、近くの映画館で公開されたのでさっそく観てきました。今一番の話題作とあって、平日にも拘わらず大勢の観客が席を埋めていました。
主役を演ずる西島秀俊さんは親しみの持てる二枚目で、私の好きな俳優さんの一人です。彼が演ずる舞台俳優兼演火家「家福悠介」は愛する妻と二人暮らしだったが、ある日妻は突然の病で急逝してしまう。
それから2年後、家福は広島で開催される演劇祭の演出を任される事になった。舞台劇は手話を混じえた多国語で語られる異色なもので、開演に向け粛々と稽古を積み重ねていく。
しかし主役を演じる男性俳優が暴力事件を起こした事で、舞台劇は家福が代役を務めるか中止にするかの瀬戸際に立たされる。窮地に追い込まれた家福は、広島で彼の専属ドライバーを務めていた寡黙な女性みさきと、彼女の故郷である北海道へ車を走らせる。そこで彼は自分の内面に隠されていた苦悩に気づくのだった。・・・
このように物語は続きます。この映画の原作は村上春樹氏の小説だが、彼の本は難解で私のシンプル脳では理解し難いものが多く、殆ど読んだ事がありません。数多くの賞を獲得し多方面から称賛されたので、この映画は間違い無く映画史に残る名作なのでしょう。
しかし正直に感想を言わせてもらえば、物語に引きずり込まれるような面白さを感じられなかった。きっとレベルの低い私の脳みそでは、この映画の隠れた魅力を見つける事ができなかったのでしょう。
スクリーンに映る広島の風景は美しかったけれど、庶民には縁の薄い舞台演劇の世界は馴染めなかったし、ラストシーンでみさきが何で韓国の町へ移り住んだのかも今一つ意味不明でした。
寅さん映画「男はつらいよ」の第一作を不朽の名作と思っているようじゃ、映画ファンとして未熟という事なんでしょう。まだまだ修行が足りませんや。