Fさんの日々の記録と山歩き

 山歩きが生き甲斐の団塊世代オッサン、ある事無い事日々感ずるままに綴っていこうと思います。

南アルプス、聖岳~赤石岳登山(3日目)

2016年08月07日 | 日記

百間洞テント場~百間平~赤石岳~富士見平~椹島ロッジ

8月1日(月)     天気=晴れ後雨

04:57百間洞テント場→ 05:42百間平→ 07:20~08:00赤石岳→ 08:12~17大倉尾根下分岐→ 09:37富士見平→ 10:18~24赤石小屋→ 11:53~55樺段→ 13:00椹島(ロッジ泊)

 

 今朝は3時半起床で5時前には百間洞テント場を出発した。最初から急登の道だが、それも長くは続かず40分程で百間平に着いた。百間平は山上の広大な高原で感じが北アの雲の平に似ている。朝陽を浴びて広々とした雲上の高原を歩いて行くのは心が弾む。

 百間平から赤石岳

 百間平から聖岳

 百間平を過ぎると馬の背と呼ばれるアップダウンの少ない尾根を進む。ここも眺めが良くて気持ちの良い道だ。少し尾根を降って大斜面下のコルと呼ばれる鞍部で一息入れ、いよいよ赤石岳山頂に向け急登が始まる。

 馬の背尾根から百間平

 馬の背尾根から中央アルプス方面

 最初は岩がゴロゴロした道を緩やかに斜上して登り、次に左へ曲がって砂礫の道をジグザグに登って行く。厳しい急登だが西斜面なので朝日が当らず涼しいのが助かる。やがて幾つかのピークが林立する山頂部の一端に辿り着いた。前方に赤石岳避難小屋が見え、その左のピークが赤石岳(3120m)の山頂だった。

 赤石岳山頂(左)と赤石岳避難小屋(右)

 百間洞から赤石岳まで約2時間20分程のタイムで、昨日の聖平から聖岳までに要したタイムとほぼ同等だった。残念な事に山頂に着いた頃から雲が増し周囲の景色が見えない。コーヒーを飲みながら40分程待ったが結局雲が途切れる事は無く8時ジャストに山頂を後にする。

 赤石岳山頂から避難小屋(実際は素泊まり専門の営業小屋)

 山頂から12分程で着いた小赤石岳手前の鞍部から大倉尾根を降る道が右に分岐している。大井川源流の椹島ロッジまで標高差約2千mの長い下山道だ。ここで赤石岳を振り仰ぐと纏わる雲も無く山頂がスッキリと見えている。降るのが少し早すぎたかと悔やまれた。

 大倉尾根分岐から小赤石岳

 分岐から赤石岳山頂

 分岐から大倉尾根下山道

 分岐から北沢源流部まで急降下の道をジグザグにグングン降って行く。この辺り高山植物が咲き乱れているが、私は花より団子(ビール)派なのでノンビリお花見物という気にはならない。降り着いた北沢源流部には細い水流があり冷たい水を得る事ができた。

 北沢源流部の水場

 沢の源流部からラクダノ背と呼ばれる急峻な尾根のトラバース道になる。ハシゴ場やロープが多くアップダウンが幾度もある道なので消耗を強いられる。大倉尾根に達し富士見平と呼ばれる展望ポイントに着いて休憩する。ここから富士山や周辺の山々が見えるはずだが、ぶ厚くなった雲に隠れ殆ど展望は無い。又ここに白い石碑が建ち、それは戦時中赤石岳山頂に墜落した旧日本軍戦闘機を悼むものだった。

 ラクダノ背尾根のトラバース道

 富士見平の展望ポイント(中央の石碑が旧日本軍戦闘機墜落の慰霊碑)

 富士見平からは樹林帯の緩やかな降りになった。しばらくすると大倉尾根2500m地点に建つ赤石小屋に着いた。とても綺麗で快適そうな小屋だが天気がだんだん悪化してるので、一息ついただけで下山を開始する。

 赤石小屋

 赤石小屋から赤石岳(雲に隠れて姿が見えない。)

 大倉尾根の下山路は樹林帯の緩やかで歩き易いが、とに角距離が長い。歩けども歩けども樹林帯の変わり映えせぬ道が続く。林道の痕跡が残る樺段に着く。ここが赤石小屋と椹島の中間点くらいになる。更に変化に乏しい樹林帯を降って行くと、谷間を流れる沢音や時折走る車の騒音がだんだん聞こえるようになった。やがて眼下に椹島の建物が見えるようになり、長い鉄の階段を降ると大井川沿いの東俣林道に降立った。ここから椹島のロッジまでは僅かな距離で午後1時ちょうどに到着した。赤石岳からここまで5時間の道程だった。

 樹林帯の大倉尾根下山道

 東俣林道出合地点

 椹島は上高地の徳沢みたいな雰囲気で下山した人やこれから登る人達で賑わっている。東海フォレストのバス乗り場には午後2時発のバスに乗る人達の列ができていたが、東海フォレストの施設に宿泊した人で無ければこのバスに乗車できない。

 椹島ロッジ(広い敷地に幾つもの建物がある。)

 ロッジの受付へ行き素泊りで宿泊を申し込む。時間が早いのでロッジの片隅で朝露に濡れたテントを展張し日干ししていたら、ロッジのオニィさんから「勝手にテントを張らないでくれ。」と叱られた。一瞬ムッとし渋々テントを撤収したが、その後激しい夕立となったので、テントを濡らさずにすんだ。サッカーの岡崎選手に似た坊主頭の恐いオニィさんに感謝である。

 その後も雨は止む事無く降り続き、結局翌朝まで止む事は無かった。今夜椹島に泊り明日登ろうとする人達の半数くらいは登山を断念したようで、翌朝6時15分発の畑薙第一ダム行き始発バスは超満員になった。

 私的には山中好天に恵まれて南アルプスの大景観を堪能できた楽しい三日間だった。去年の秋、谷川岳以来の幕営装備を背負っての縦走で、体力面に些かの不安はあったが、終わってみればけっこう余裕があった。テント泊登山もうしばらくは楽しめそうと一寸自信がついた山行だった。

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南アルプス、聖岳~赤石岳登山(2日目)

2016年08月05日 | 山歩き

聖平~聖岳~兎岳~中盛丸山~百間洞

7月31日(日)     天気=晴れ後曇り

05:40聖平→ 06:04~07薊畑→ 06:49~56小聖岳→ 07:50~54聖岳→ 08:06~10奥聖岳→ 08:23~51聖岳→ 09:37聖兎のコル→ 10:25~49兎岳→ 11:21~27小兎岳→ 12:07~17中盛丸山→ 12:28百間洞下降点→ 12:41~43大沢岳→ 12:53百間下降点→ 13:27~38百間洞山の家→ 13:40百間洞テント場

 

 朝4時20分頃起床、ラーメンだけの朝食を済まし5時40分頃聖平テント場を出発する。周りに張られていたテントは既に殆ど撤収されており、南アの登山者は皆早起きだ。

 聖平小屋の左脇を抜けて緩やかな道を5分も歩くと、上河内岳から聖岳に続く主脈縦走路に合流した。ここは広い草原で上河内岳や光岳等南ア南部の山々の眺めが良い。ここを右に曲って樹林の尾根をしばらく登ると易老渡からの登山道が左から合流する薊畑と呼ばれる地点。

 主脈縦走路合流地点から上河内岳

 薊畑から光岳方面

 平成9年の正月に私は単独でこの登山道を登り、薊畑にテントを張って元旦の朝新雪を踏越え聖岳へ登った。山頂には誰も居らず、私が新年の聖岳登頂者一番乗りだった。秘かな自慢である。

 合流地点から樹林帯の道を40分程登り、森林限界を越えた小ピークが小聖岳(2662m)だった。山頂は尾根の小さな高まりに過ぎないが眺めが良く、目前に聖岳山頂へ続く広大な斜面が広がる。左側がガレた細尾根を越えて、広々とした砂礫の斜面をジグザグに登って行く。私は単純なのでこんな単調な登りが割合好きで、けっこう良いペースで登って行く。

 小聖岳山頂

 小聖岳から聖岳

 小聖岳から1時間程で聖岳(3013m)に着いた。平成9年の元旦に登った時誰一人いない山頂は猛烈な西風が吹き荒れ随分心細い思いだったが、今は多くの人達が山頂のアチコチで憩い登頂の喜びを噛み締めている。

 聖岳山頂

 山頂から手前下に聖平方面

 山頂から赤石岳

 山頂から兎岳方面

 山頂部の東端に在る奥聖岳(2978m)はまだ未踏だったので空身でピストンする。こちらの山頂も眺めが良く、高く黒々と聳える富士山が特に印象的だ。再び聖岳に戻るとコーヒーブレイクでしばらく身体を休める。30分ほどで休憩を終え、聖岳を後にする。次の兎岳までは直線距離で2キロ程しかないが、間に大きなアップダウンがあり標高差にして400m降り、兎岳へ200m登り返さねばならない。これぞ南アルプス縦走の醍醐味とマゾ的な喜びはあるが正直長い降りは辛く、登り返しはもっと辛い。聖から兎岳(2818m)までは1時間半を要した。

 奥聖岳から聖岳

 奥聖岳山頂から富士山

 聖の降りから兎岳(左)、小兎岳(右)

 南アルプス一帯は殆ど携帯が通じないけれど展望の良い山頂なら通じるかも知れぬと、誰も居ないのを幸いに兎岳山頂でブログのメールを作成し頭上で振りかざしてみたら「送信が完了しました。」とディスプレイに表示された。案外通じるもんだ。

 兎岳山頂

 山頂から聖岳

 山頂から中盛丸山方面

 兎岳を降り次の小兎岳(2738m)を登って行く。このピークは大した登り降りではないが、次の中盛丸山は標高差150mの急登で疲れの蓄積した身体にはけっこう厳しかった。汗だくで登る私の前を雷鳥の親子がしばし先導して気持ちを和ませてくれた。

 小兎岳から兎岳

 小兎岳から中盛丸山

 中盛丸山への登りで出会った雷鳥親子

 中盛丸山(2807m)の山頂は360度の展望で気持ちの良い場所だ。朝方登った聖岳が随分遠くなった。そして次のピーク大沢岳の右斜面下に、今宵の宿営地百間洞山の家が小さく見えた。百間洞への道は中盛丸山と大沢岳の鞍部から右へ下降するので、鞍部にザックを置き、空身で大沢岳を往復する。大沢岳(2819m)も中盛丸山と同様眺めは良かったが、だんだん雲が多くなってきた。

 中盛丸山山頂

 山頂から大沢岳(百間洞へは大沢岳手前を右下に降る。)

 大沢岳山頂から中盛丸山(右手前)と聖岳(左奥)

 鞍部に戻り再びザックを背負って百間洞へ降って行く。百間洞山の家までは意外に遠く30分を要してようやく到着した。小屋の前のベンチでは宿泊の人達が7~8名、ビールを飲みつつ寛いでいた。テント場は小屋から100m以上離れているのでテント場の受付を済ましビールのロング缶を買って、テント場へ向かう。

 百間洞山の家

 テント場は清流の傍にあり、せせらぎが心地よい場所だ。テント場料金は600円で聖平より100円安かった。難点は山小屋から遠い事で買い物やトイレ等いちいち往復するのが面倒くさい。今宵はあまりテント泊の人が居らず、静かな一夜を過ごす事ができた。

 百間洞のテント場(遠くに聖岳が望める。)

 

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南アルプス、聖岳~赤石岳登山(1日目)

2016年08月03日 | 山歩き

聖沢登山口~聖平(テント場)

7月30日(土)     天気=晴れ後曇り

08:33聖沢登山口→ 09:44~52聖沢吊橋→ 12:22~29岩頭滝見台→ 13:33聖平(テント場)

 

 昨日我家を出発し、畑薙第1ダムの駐車場で車中泊をした。新東名、新静岡インターから畑薙ダムへ向かう道は二本あり。いずれも峠越えの細い山道だが、県道27号より県道60~189号の方が道が良く運転は楽だ。

 畑薙ダムから椹島へ向かう始発バスに乗ろうと大勢の登山者がバス停に並んでいる。出遅れた私は始発バスには乗れず二番目のバスに辛うじて乗車できた。バスは南アルプスの山域を保有する東海フォレスト社が運営しており、乗車券の代りに3千円の山小屋宿泊割引券を購入させられる。

 畑薙第一ダムの駐車場

 大井川源流沿いのデコボコダート道を約1時間程マイクロバスに揺さぶられ8時半頃、聖沢登山口に着いた。下車したのは私を含めて3名ほど、登山道は最初から樹林帯の急登で始まる。直射日光は浴びぬものの湿気が高くムシムシする。久々の重荷に歩き通せるか不安な私は慎重に脚を進めて行く。

 聖沢登山口

 30分足らずで急登が終わり平坦なトラバース道に変る。快適な道でスピードも上がる。途中細々と流れる水場があり清涼な水が熱った身体にはありがたい。登山道はだんだん柵などで補強された急斜面を横切る細い道に変り、やがて聖沢に架かる吊橋に着いた。

 柵で補強されたトラバース道

 聖沢に架かる吊橋

 吊橋まではこのコースの序の口で、橋を渡った所から本格的な急登が始まる。1時間程急登を頑張ると道は少し緩やかになり、やがて尾根道から聖沢南岸のトラバース道に変る。この辺りは数カ所小沢を横切るので水場に不自由しない。

 造林小屋跡地付近(この辺りから緩やかな道になる)

 細々流れる水場

 ガレ場に架かる吊橋を渡り、急なガレ場を横切ると岩頭展望台に着く。ここから聖沢北岸から流れ落ちる2本の急瀑を眺める事ができる。その少し先の展望ポイントには遭難者慰霊の碑があった。

 ガレ場に架かる吊橋

 ザレたトラバース道(前の男性が一瞬滑り落ちそうになった。)

 ガレ場の登山道

 ガレ場から大井川東岸の笊ケ岳方面

 岩頭展望台から聖沢北岸の滝

 展望台から先は小刻みにアップダウンを繰返しながら進んで行く。やがて上河内岳の方から流れ落ちる清らかな小沢の畔に着いた。人目が無ければここで衣服を脱いで水浴したほどだ。更に進んで行くともう少し大きな沢があり、そこを鋼製の橋が架かっている。

 展望ポイントに建つ遭難者慰霊碑

 上河内岳から流れ落ちる清流

 橋を渡ると、聖沢源流の緩やかな道になる。そんな口ずさみたくなるような心地よい道を20分ほど歩いて聖平小屋に着いた。小屋の建物はとても綺麗で居心地良さそうだが、今日は超満員とかで大混雑しそうだ。テント場の受付を済ますと小屋のサービスでフルーツポンチを頂く。甘く冷たくてとても美味しかった。

 聖平小屋(手前はテント場)

 小屋の前に広がるテント場も広々としておりとても快適だ。早速マイテントを設営し、まずはビールでソロ祝杯をあげる。灼熱の下界を離れ山で飲むビールは実に美味い。久々の幕営装備で体力的に少々不安だったが、けっこう良いペースで歩く事ができたので大満足だ。夕食を終えると疲れもあり、早めに寝袋に包まった。夜中テントから顔をだし夜空を眺めると天の川が横たわり満天の星、明日の好天を約束するかのようだ。

 テント設営後、一人で祝杯

 夕食はレトルトライスにおでんと朝鮮漬

 

 

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聖岳~赤石岳の縦走を終えて本日帰宅

2016年08月02日 | 日記

 8月2日(火)

 聖岳~赤石岳の縦走を終えて本日我が家へ戻った。南アルプスの山々はそれぞれがデカくて圧倒される。その稜線を乗越えて、目一杯雄大な山歩きを楽しんだ。天気に恵まれたのは日頃の行いが清く正しかったからだろうか。60歳代後半の老いぼれが天幕担いで三日間しっかり歩く事ができたのは、「俺もまだまだやれるじゃないか。」とかなりの自信に繋がった。

 ところで気になっていた都知事選は、私の予想が当って小池さんが当選した。「大穴」何て言ってスミません。鳥越さんはメッキがバリバリ剥がれて中身が何にも無いのがバレちゃった。選挙前はもう少し真面な人と思ったけどね。個人的には増田さんが一番適役と思っていたが、自民党都議連に思いっ切り足を引っ張られちゃたネ。

 小池さんに期待してた訳じゃないけれど、石原親子をギャフンと言わせてくれたのは実に痛快、最近久々の快挙だった。なお、登山の詳細は次回のブログにて。

 赤石岳山頂

 

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