monologue
夜明けに向けて
 



NHKBS1が評判の「駅ピアノ」シリーズを再放送したのでロサンジェルスでのパフォーマンスに自分の昔の姿を重ね合わせてなつかしかった。
76年にロサンジェルスに渡米した貧乏学生のわたしはなんらかの方法で金を稼がなければと思って安いギターを買ってマッカーサーパークに行った。そこは麻薬の取引場所として多くの人が集まるので有名でリチャード・ハリスのにもなっていた。弾き語りで小銭を恵んでもらおうと考えたのだ。用意しているとスパニッシュの若者がやってきてギターを弾かせてくれという。ギターを渡すとその頃、流行っていたイーグルスの「New kid in town」を弾き出した。わたしよりうまいと思って感心した。これではここでは金をかせげないと思った。ロサンジェルスには芸達者が集まっていてちょっとやそっとではミュージシャンとして暮らしてゆけなかったのだ。そういう町だった。
fumio

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