今回は以前わたしがこのブログで述べてきた原子力発電関連の文章を以下に順番にコピーしておく。
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もんじゅ 2005年12月11日
毎年12月8日には太平洋戦争が勃発したので開戦関連番組が制作される。
今年もNHKが「その時歴史が動いた」で「山本五十六」を特集していた。
戦争の悲惨さ虚しさについて人々に考えさせ意味がある企画である。
1980年のこの日には、ジョン・レノンが射殺されたことで以来世界のファンが集会を開いて平和を祈る。
これも素晴らしいことだ。
人類は過去を振り返り反省し明日の糧として生きている。
失敗をしても繰り返さなければ前進できるのだ。
そして1995年のこの日には、高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事故が発生しているのだが
その失敗がどのように生かされたのかというと現在再開に向けての工事が進められているという。
世界が原子力発電からの脱却を優先している時代に驚かされる。時代錯誤も甚だしい。
ドイツのメルケル首相は原発政策についての新政府の対応を迫られていたが就任後、これまで通り原発からの脱却の方針を堅持することを表明した。
液体ナトリウムは水に触れると爆発的に反応するので高速増殖炉を手がけた世界各国でもナトリウム漏れ火災事故が問題になった。
一般の原発では低速中性子を使用するのだが高速増殖炉では制御が難しい高速中性子を使うので
燃料溶融や暴走しやすいのだ。
高速増殖炉を稼働すると原爆の材料になる核兵器に適した超高純度のプルトニウムが大量に生成されるので
日本も核兵器を保有したいという勢力が推進していると陰で噂されてきた。
はたしてこのまま工事をつづけて再開することになるのだろうか。
わたしは首の骨を折って回復期にリハビリ施設に移ったとき、毎日顔を合わせる老人がいた。
一見威厳があって怖そうで近寄りたがったが毎日毎日黙々と苦しいリハビリに取り組む姿勢に感心して声をかけた。
するとその方は長年電力会社の中枢で働いておられたという。
わたしはおそるおそる原子力発電について訊いてみた。すると「早く代替エネルギーに切り替えなければいけないのですがね」とおっしゃった。
意外だった。電力会社の人は原子力発電推進派と勝手に思いこんでいたのだった。
そうだったのだ。電力会社の幹部の方たちは事実をまっすぐ直視しておられるのだ。
わが国の原子力行政に問題があったのである。そんなことに初めて気が付いたのであった。
一日も早く原発を廃止してしまわないと地球が危ない。代替エネルギーがまだないという理由で絶滅しては
意味がない。温暖化防止、化石エネルギーの枯渇、様々な難問がつきつけられるがそれをクリアしてこそ未来がある。
人類にはもちろんそのすべてをクリアする鍵が足元に与えられている。
その鍵に気づいた時わたしたちはもう一段階上がることができるのである。
12月8日は「もんじゅ事故記念日」として原発のことを真摯に考え核廃絶を祈りたい。
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原子力 2007年04月07日
最近毎日のように原子力発電の不祥事が相次いで発覚してニュースに採り上げられて原子力発電に対する信頼をついに完全に失わせてしまった。
それは昨年10月、岡山県新庄村の中国電力土用ダムでデータ改ざんが発覚し、経済産業省が11月末、電力12社にデータ改ざんその他の不祥事の報告を指示したことから原子力発電に関わる重大な事故、そしてその隠蔽の事実が明らかになってきたのだ。原子力発電には以前から安全性に関する議論が多かったが不祥事の隠蔽によってその議論を封じてしまっていたのである。
わたしは「 炎で書いた物語」に以下のような文章を書いたことがある。
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「フランスが核実験に使用した超核兵器級97-98%のプルトニウム239を生成する高速増殖炉原型炉「フェニックス」(火の鳥)。
日本の「フェニックス」型高速増殖炉原型炉「もんじゅ」は事故を起こし動燃は事故隠しに奔走した。その事故が世間に漏れ、大騒ぎになった。「事故」は隠すことによって「事件」に変貌した。
ひたすらマスコミその他の懐柔(カイジュウ)策に奔走し、それが成功した。
その後社会に次々に起こる様々な事件のおかげで「もんじゅ」事件はもう、忘れっぽい人々の記憶から消えようとしている。
全世界が危惧しているはずの超核兵器級97-98%のプルトニウム239を生成する高速増殖炉原型炉を日本が持たねばならぬ理由は何だろう。
「もんじゅ」建造開始のころ、晦渋な理論による「もんじゅ」反対派や日本国民の懐柔(だきこみ)が行われた。
問題が起きてもそれは目に見えない形で今もつづけられいつかまた、新たな大問題に直面することだろう。
そのとき、健忘症に陥っていた人々は原子力問題がすでに決着したのではないことを知ることになるのかも知れない。」
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代替エネルギーの開発による原子力からの脱却が急務である。
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ニガヨモギ 2007年06月21日
昨夜、日本テレビ「世界仰天ニュース」でチェルノブイリ事故を採り上げていた。
チェルノブイリとはロシア語で「ニガヨモギ」を意味して新約聖書ヨハネ黙示録第8章11節に「この星の名は『苦よもぎ』と言い、
水の三分の一が『苦よもぎ』のように苦くなった。水が苦くなったので、そのために多くの人が死んだ」とある。その町は現在「石棺」と呼ばれることになってしまった。
ヨハネ黙示録は実現してしまったのだ。夜9時台のエンターティメント番組にしては現実をきちっと伝えていて驚いた。
ハリソン・フォードの「K-19」は封印された原子力潜水艦事故の映画だったが 原子力事故はたびたび封印されてきた。
代替エネルギーに早く移行すべきなのはわかりきってはいても日本では原子力に頼り推進するプルサーマル計画を電力会社がテレビで宣伝しているのをよく目にする。
地球をこれ以上汚しては再生できない。わたしたちのつぎの世代にもこの地球をこのまま引き継がなければならない。
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原子力に頼らない 2007年07月17日
昨日、2007年7月16日(月)海の日午前10時13分頃発生した新潟県中越沖地震によって、東京電力柏崎刈羽原発6号機で放射性物質を含んだ使用済み燃料プールの水が日本海に流れ出ていた。沿岸を接しているロシアのテレビニュースではこのことを大きく採り上げて懸念していた。ロシアではチェルノブイリ原発事故の記憶がいまだに生々しく残っていて他人事では済まされないのだろう。アメリカのニュース番組でも地震の被害より原発の火災や放射能漏れに焦点を当てて報道していた。アメリカにもやはりスリーマイル島事故の記憶がある。その関心が深いのだろう。
北朝鮮の寧辺にある原子炉の稼働停止など、このところ原子炉にかかわるニュースが多い。地球全体を非核化せよとの指令のようだ。
「わかっちゃいるけどやめられない」の時代は終わった。スイスのようにエネルギー供給を原子力に頼らないと決めた国もある。
日本のように技術力の高い国がそう決めて一丸になれば代替エネルギーへの転換は容易だ。地球をこれ以上汚染しないで子孫に引き継ぎたい。
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以上、同じようなことを何度も何度も繰り返している。人類存続をかけた原子力、核廃絶までにどれほどくりかえさなければならないのだろう…、
fumio
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