21日、高知市の高知城追手門で、将棋のプロ棋士とコンピューターの五番勝負「電王戦FINAL(ファイナル)」第2局、永瀬拓矢六段(22)対コンピューターソフト「Selene(セレネ)」戦が行われた。角換わりの力戦になり「Selene(セレネ)」は右玉に構えて寄せ合う終盤の88手目。永瀬六段が、普通、角を成って王手するところを成らずに△2七角不成と王手した。解説者やニコニコ生放送の視聴者は「角成らず」という珍しい指し手に驚いた。ところが「Selene(セレネ)」は王手を放置して別の手を示した。永瀬六段は練習で成らずに対して動作が不安定になることを知っていて成らない手を選択したのだった。Selene開発者の西海枝(さいかいし)昌彦さん(40)は「飛車、角、歩は『不成』をプログラムしていなかった。それで「成らず」を認識できなかったのだ。結局は立会人の協議により、「王手放置」でSeleneの反則負けと裁定が下った。片上大輔・日本将棋連盟常務理事は「ソフトと人間の戦いはこういうものだと思う」というが将棋を応援している多くの将棋ファンにとっては残念な裁定だった。ソフトのバグを見つけてそこを突いて勝つのは将棋という崇高なゲームの理念と外れているように思う。このバグを含んだソフトには初めに角道を開けて次に角成らずで王手をすれば認識されないので連戦連勝だけど…。それで人類側がコンピューター側に勝ったといえるのだろうか。
fumio
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