サイリュートは残念ながら失敗だった。イデオロギーと宗教の対立による戦争が勃発してしまったのである。
危なすぎるので永久使用禁止と決められていたはずの最終兵器が精神レベルの低い指導者の命令によって使用されてしまった。国のリーダーとなるにはそれなりの修行が必要なのだ。修行もせずにダイナステイ(名門王統)継承や権力闘争によって支配者となれば精神が伴わないままなのでつまらない、いざこざや意地の張り合いによって人類ばかりではなくあらゆる生物を絶滅へ導くことになるのだ。
地球は想像以上に汚染されていた。再び多くの生物が共存できる美しい惑星ではなくなったのだ。
どうすればいいのか。地球救済委員会が急遽招集されたが選択肢は少なかった。再び水没によって急場を凌ぐことになった。そんなことをしていいのか。その惑星の生命力の疲労困憊が限界に達して再起動できない恐れがある。宇宙のゴミとして銀河系を永遠に漂う星にしていいのか…。委員会は紛糾した。
fumio
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