あなたがたは、戦争という言葉で何を思い浮かべるだろうか?
過去何度もこの地球上で大小の戦争が行われ、その度に大地は荒れ人々の心は引き裂かれて来たのだ。人間は権力や権威、そして物的利益の為に戦争を起こしてきた。人間の文化遺産を全て、力の為に使うという愚を犯し続けた。戦争は、あってはならない。しかし、いさかいは、あるものだ。この違いは、国家と個人の違いだ。国家を挙げていさかう時に、戦争となる。個人のレベルで何とか、問題を解決してゆこうと努力するべきものだ。万が一、戦争が起こったら当事者同士のみを戦わせよ。これは、個人のいさかいのレベルにまで規模を落とす為に必要なことだ。
現在、起きている湾岸戦争について、一方的に悪者扱いされているフセインを我々は悪者扱いしていないことを伝えておこう。あなたがたの一部で信じられているような、単なるクウェート侵略の是非を問うてこの戦争が起きているのでは無いからだ。アラブの地に欧米のルールを持ち込むことが、アラブを分裂させる原因になっている。
あなたがた日本人は行動をしなさい。反対の行動をせよと言っているのではない。個人が束になって、一つの力となることだ。束になった力で、何をするか?実際に政治の現場へ行って抗議をしなさい。遠いところから叫んでいても、着実に政治家たちは参戦方向へと行動している。あなたがたが政治に無関心であった分だけ、今、政治に関心を持ちなさい。
たった一人で何が出来るか?ではなく、たった一人でも理想を現実に変えてゆく行動力を持ちなさい。あなたがたは報道に対して真実を求める権利がある。歪められた情報に対して、抗議するだけの気力を持ちなさい。政治は財界と密接に関わっているから、財界人の動きと共に政界人の動きを監視しなくては、本当のことは分からないだろう。
デモンストレーションの方法は従来通りにやりながら、考え方だけは違うと言っても周囲には伝わらない。自分たちの枠の中だけで呼吸していると、周囲のことが見えなくなるだろう。既に60年代に使い古されたフレーズを繰り返すのが「精神世界」では無い。今、ここにあなたが居ること、これが精神世界の基本なのだ。全ては、「今、ここから」始まる。穏やかに微笑むだけの救世主は、今までも、これからも居ることは無いだろう。
もっと、見なさい! あなたの周りに何が起こっているのかを。
身体に良いことが万能だろうか?身体に良いとされていることを実行する為に、犠牲になっているものは無いのか?あなたがたは、「これが良い」となると「これ」ばかりを望み、「あれが良い」となると「あれ」ばかりを望む。そして「あれもこれも良い」となると「どうでもよくなる」
信じるものの為に生命を投げ出せる思いは、百万べん唱えられる反戦の叫びよりはるかに説得力があることを思い出して貰いたい。武力に対して武力で戦うのは愚か者のやることだ。しかし武力に対して花で戦うのは、もっと愚かなことだ。武力に対して効果のあるものは、力だ。本当の力とは、花や微笑みといった、あなたがたの偽善的なフレーズに飾られた額縁の中の絵では無い。本当の力とは、血の滲む愛情だ。自分の生命を投げ出せることだ。
あなたがたよ、目を覚ましなさい。あなたがたが対岸の火事だと思っている、その対岸にも、あなたがたは生きている。自分と呼んでいる、その小さな個体は世界中に生きている。あなたがたよ、起きて行動しなさい。今、行動しなければ、あなたがたの選ばない未来は、確実に少数の者の利益と引換えに、足音を忍ばせて近づいてくる。
まず、自分自身から、自分の家族から、そして自分の住む地域から、自分の働く職場から、叫びなさい「私たちは本当のことが知りたいのだ!」と。そして、そのために何が出来るのかを、話し合いなさい。何が出来るかがわかったら、即、行動に移しなさい。ひとりひとりが「本当のこと」に目覚めようとする時に、国家も目覚めようとするだろう。その時こそ、初めて国民の為の政治が成立する。だから、ひとりひとりの目覚めを妨げてはならない。
目覚めは気付きから始まる。気付いた時に、気付いたことをウヤムヤにしてはいけない。気付いたことを、ちゃんと記録しなさい。気付いたことについて、調べたり検証したりすることを怠っていては、気付きは目覚めにつながらない。目覚めにつながらないどころか、気付きの回路を鈍くしてしまう。だから、気付きを大切にしなさい。あなたの気付きも、別の人の気付きも大切にしなさい。 自分の起こした行為について、間違いを発見したら、なるべく早く訂正しなさい。小さな行き違いが、大きな亀裂に発展することは、よくあることだ。自分が間違っていた、と言えない人は自分を大切にしていない人だ。自分を大切に出来ない人は、結果的に他人を傷つけてしまう。どんなことでも、自分が最大の努力を払ったと言えるものがある人は、幸福な人だ。
何をするにも慌てる必要は無い。慌てないで、しかし迅速に行動するべきだ。何事も熟考してからでないと行動出来ない人は、そういう癖を愛しているからに外ならない。大概、最初に考えていたことを行動に移す場合が多いのに、思考に時間を掛けないと気が済まない人も多い。これも、思考している自分が好きなだけだ。これからの世界は、白黒の決着の速い世界になってゆくだろうから長時間思考したり熟考したりしないと、行動する決断の出来ない人は、困る場面が増えてゆくだろう。いつも、自分にとって何が一番大切なのかを考えていれば、自分が行動に移す時に迅速に処理出来るようになるだろう。
現状維持は楽だという夢は捨てなさい。現状を維持しようとすれば、死に物狂いで活動して行かねば維持できないという現実を認識しなさい。死に物狂いで活動してゆくことで、現状維持を打開する道も見えてくる。楽しいことが、楽なことでは無い。人と話をする時に欺瞞的な自己満足で終わっていないか?キチンと自分の思いは伝わっているか?キチンと相手の言いたいことを把握出来ているか?分かったフリをすることは決して思いやりでは無い。理解できなかったら、キチンと聞きなおす態度を持ちなさい。理解出来るまで、相手に説明を頼みなさい。そうすることは、相手を傷つけたり、迷惑を掛けることとは決して同じではない。これらのことがキチンと出来ない人が、政治に携わる人達を駄目にするのだ。
人と議論をすることは喧嘩をすることでは無い。論理の上でたたかうことがあっても、相手や自分の全人格とたたかうことと同じに感じてはいけない。あなたがたは、誰かの意見を聞く時にその人の肩書で判断してはいないか?
そういう姿勢が、この世に権威の暴力を生むのだ。良いと思ったものを良いと言い、悪いと思ったものを悪いと言う。こんな当たり前のことが、全く作動しない社会を作ったのは、あなたがた一人一人の「間違った思いやり」と自分だけ良ければ、それでいい」の姿勢だ。あなたがたは個人的に善であっても、組織化すると不善になるという事実を見て見ぬフリをするが、何故だろう?
美しい断片を、全ての箇所に使って一つの像を組み立てても全体を見ると決して美しいものが出来ない時が多い。真実は、どの断片をとっても真実に変わりはない。真実は美しく快いものばかりでは無い。
アリオン語録より
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これは1991年に発されたメッセージだが振り返ってみるとあの当時、世界はサダム・フセインを悪者と決めつけ、9.11同時多発テロのあと米国の言いがかりのようなイラク戦争で捕まりリンチのように死刑に処されてしまった。その裏にあった世界各国と日本の支持表明の利害関係や思惑を思い返すと現在起きているアラブアフリカ地域の革命に対しても目をこらして組織化する不善を見張っていなければならないという気になる。
fumio
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