monologue
夜明けに向けて
 



ピレニアンマウンテンドッグの「ポス」が1977年に死んだあと父はドイツのシュナウザーという小型の犬種のつがいを室内犬として飼い始めた。オスには「ポス」の名前を継がせメスには「ポニー」と名付けた。
  わたしが1986年に米国から帰国するとその二頭が吠えたてて迎えてくれたが小さいシュナウザーにはポスという名前は合わないような気がした。 その後、わたしたち一家は京都の父母と同居せず埼玉に移転して盆や正月に里帰りして犬たちと対面するだけだった。しかしオスの「ポス」は寿命が短くしばらくするとメスの「ポニー」だけになった。わたしが里帰りして夜長椅子をベッド代わりにして寝ているとポニーがわたしの腹の上に乗って寝ていた。そのポニーも糖尿病を患い母が毎朝インスリンを注射するようになった。かわいいからと人間と同じような食事を与えると動物には不具合が起こる。

 わたしの母、房子は2001年4月2日に心不全で亡くなった。葬式を終えてわたしが埼玉に帰って数日後、ポニーが死んでしまったという電話が入って驚いた。母とよほど強い絆で結ばれていたらしい。合掌…。
fumio

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なぜわたしがこのお盆からこの「生き物たちの記」を書き始めたのか不思議だったがどうやらピレニアンマウンテンドッグの「ポス」のせいらしい。ポスはピレネー山脈の雪のように白い大きな救助犬として1968年に生まれた。そしてわたしたち一家がその年新築して移転してきた京都府久御山町の家にやってきた。それからずっと毎日一緒に暮らした。性格の良い素晴らしい犬だった。純血種の常として犬が蚊に刺されて感染する心臓の寄生虫「フィラリア」に弱く予防注射をしたがかかってしまい心臓が弱くなった。お医者さんにきてもらって薬を食べさせたりしたが根治はできなかった。それで暑い時に走るのを嫌がったのだ。家族の一員として暮らすうちに散歩についてきた「コロ」という雑種のテリヤ犬とも仲良く過ごした。しかしある日コロは人を噛んでいなくなった。

  そしていつも散歩に連れて歩いたわたしが1976年11月に日本を離れ米国に渡った。するとポスは77年に9才で死んでしまったのである。わたしがこうしてポスのことを書けばそれでかれは存在したことになる。そう、名もない生き物たちもだれかに書かれることによって生きていた証をこの世に遺すのだ。そうだね、ポス!。
fumio

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 私的カウントダウンアルバム「水面に書いた物語 」 収録曲の今週のアクセス聴取ランキング
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8月20日(金)~8月27日(金)
ヒット数: 957件中
    
順位( )内は前週の順位< >内は前々週の順位 
 
第1位(1)<3>ごめんなさい
第2位(3)<2>水面に書いた物語
第3位(4)<6>軽々しく愛を口にしないで
第4位(2)<1>はるかなるメロディ
第5位(6)<8>ときめきFALL IN LOVE
第6位(8)<7>ラスト・ランデヴー
第7位(5)<5>あやかしのまち
第8位(15)<4>女優(スター)
第9位(9)<14>それってⅨじゃない
第10位(13)<11>マイ・スィート・ライフ
第11位(12)<13>素顔のマスカレード
第12位(10)<9>Stay with me
第13位(7)<10>オーロラの町から
第14位(17)<17>Sentimentallady”M”
第15位(14)<20>プロセス
第16位(16)<16>恋すれば魔女
第17位(19)<19>しあわせになれる
第18位(18)<15>わかりあえる日まで
第19位(20)<18>NEVER GIVE UP!
第20位(11)<12>まことのひかり
第21位(-)<->もっと自由に

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  今週もごめんなさい が首位。最後尾にはもっと自由にがついている。ご愛聴感謝。
fumio

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コロ  


コロが自分のことも書けとせがむので書いておく。ある日父がピレニアンマウンテンドッグの「ポス」と散歩していると野良犬がついてきた。それは目が毛で隠れる中型のテリア系の雑種だった。馴れ馴れしくついてくるので父は追い払えず庭に入れた。そして「コロ」と名付けて飼い始めた。ポスとコロは仲良く暮らした。ウサギたちとも。わたしは朝6時と午後5時頃に二頭をラニングや散歩させた。ポスは白熊のように体がでかいのではやく走るのをいやがったがコロはうれしがった。そしてやがて向かいの小学生の女の子たちがわたしたちの散歩を見つけるとついてくるようになった。大名行列のように連なって近所の原っぱを歩き散歩のあとは二頭が牛乳を飲むのが日課だった。夜になって父が帰宅してポスが前足でガラス戸を開けると当然のように上がってきて父の夕食の相伴に預かった。手乗りセキセイインコたちと犬二頭と人間たちとの夕餉は別に争いもなく穏やかだった。コロにとってそれは幸せな日々だった。

  しかし別れは突然やってきた。ある日、父が散歩している時、コロが突然人を噛んでしまったのだ。人を噛む犬は保健所に連れていって処分しなければいけないとせまられた父は困って遠くの町に車で行きだれか愛犬家に飼ってもらうようにコロの首ヒモを棒にくくりつけて帰ってきた。そして日頃涙を見せない父がその日は泣いていた。
コロがだれかに飼ってもらえて幸せな一生を終えたことを願う。
fumio



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 23日(月曜)の夜テレビを見ていると妻が「あっ千代流れ!」といって「オイサ、オイサ」とかけ声をかけた。その番組は7月15日に行われた博多祇園山笠祭りの模様を収録したものだった。各地区が山笠と呼ばれる山車(だし)を櫛田神社まで走り込むタイムを競う。約5キロを30分程度で走っている。勇壮な祭りだった。同じ祇園祭りでも京都のゆったりした山鉾巡行とはスピード感が大きく違った。妻は幼い頃「千代」という地区に住んでいたので血が騒ぐのだろう。ウイキペディアによると、この博多の櫛田神社の祭神は大幡大神(櫛田大神)、天照皇大神、素盞鳴大神(祇園大神)の三神で、正殿に大幡主神、左殿に天照大神、右殿に素盞嗚神が祀られている、という。そして全国の櫛田神社は、櫛名田姫を主祭神としているがこの博多の櫛田神社では櫛名田姫は祀られていない、という。

  それもそのはず、主祭神である大幡大神(櫛田大神)というよくわからない謎の名前は九州北部を統治していた天照国照彦天火明奇甕玉饒速日尊(ニギハヤヒ)の別名であるからその父素盞鳴大神(スサノオ))とその現地妻天照皇大神(ヒミコ)がともに祭神となっているらしい。櫛名田姫は島根でのスサノオの妻であったのでここには祀られていないのだ。わたしは氏子たちが勇ましい褌姿で走る「博多祇園山笠」の中継を見ながらそんなことを考えていた。
fumio

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今年はいつもの夏祭りの時期に「とうろう祭り」というわたしたちの地区の祭りがなかった。近所の人の話しでは、去年のとうろう祭りのあと片づけ時にトレーラーがぶつかったとかでトラブルが起きて警官が来たことがあったのでしばらくやらないことにになってしまったらしい。期待していた子供達がかわいそう、という。大人たちも神様がたもかわいそうと思った。
fumio


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父は今度はつがいのウサギを買ってきて庭の鳥小屋の下に扉をつけてウサギ小屋にした。昼間は庭に放して自由にさせる。かれらは別に犬と喧嘩するでもなく平和に遊んでいた。そして暗くなってくるとわたしが鳥小屋の下のウサギ小屋に入れるのだ。ところがかれらはそれをいやがって逃げる。わたしは庭中を駆け回りなんとか一羽ずつつかまえる。普段ゆったりしているくせにその時だけは脱兎の如くという表現のとおりすごい速さだった。カナリヤもウサギも巣に入れられる前のその鬼ごっこを楽しんでいる気配があった。別に危害を加えられるわけでないことをわかっていて逃げ回るのがうれしいのかもしれなかった。人との暮らしでの運動不足をそれで解消していたらしい。なるべく生き物たちを縛らず自然に近い状態で暮らさせたいと思うけれどそれはなかなかむづかしい…。
fumio


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水槽  


 ある日、父は水槽を買ってきて応接間で熱帯魚を飼った。そしてしばらくすると色々な種類の金魚や小さな魚を入れて楽しんだ。そしてそれには物足りなくなったのか今度は鯉を数匹入れた。すると数日すると多かった他の魚の数が減りだした。鯉がいつのまにか捕食していたのだ。父はそれに気付いて鯉をどこかの川に流してしまった。わたしたちは簡単だからとなんでもかんでも一緒にしてはいけないということを学んだのである。

  今、琵琶湖その他の湖や池で同じことが起きている。人間が入れる外来魚のブルーギルその他の肉食魚によって本来の地元の魚が追いやられその湖の生態系が破壊されてゆく。以前捕れていた魚が捕れなくなり結局は人間の生活の手段を奪うことになってしまう。生き物たちとは適切につき合わねば…。
fumio

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私的カウントダウンアルバム「水面に書いた物語 」 収録曲の今週のアクセス聴取ランキング
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8月13日(金)~8月20日(金)
ヒット数:819件中
    
順位( )内は前週の順位< >内は前々週の順位 
 
第1位(3)<2>ごめんなさい
第2位(1)<6>はるかなるメロディ
第3位(2)<1>水面に書いた物語
第4位(6)<5>軽々しく愛を口にしないで
第5位(5)<3>あやかしのまち
第6位(8)<4>ときめきFALL IN LOVE
第7位(10)<11>オーロラの町から
第8位(7)<7>ラスト・ランデヴー
第9位(14)<12>それってⅨじゃない
第10位(9)<10>Stay with me
第11位(12)<19>まことのひかり
第12位(13)<13>素顔のマスカレード
第13位(11)<14>マイ・スィート・ライフ
第14位(20)<20>プロセス
第15位(4)<9>女優(スター)
第16位(16)<17>恋すれば魔女
第17位(17)<16>Sentimentallady”M”
第18位(15)<8>わかりあえる日まで
第19位(19)<15>しあわせになれる
第20位(18)<18>NEVER GIVE UP!

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  今週はごめんなさい が>はるかなるメロディ をかわしてしばらくぶりに首位についた。ご愛聴感謝。
fumio

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父は今度は籠に入ったカナリヤを買ってきて洋室で飼った。これは本当に良い声で鳴く小鳥だった。自分でも自分の声の良さを自覚していて人に聴かせて喜んでいる気配があった。寿命は短くて死ぬと父はすぐに別のカナリヤを買ってきた。それぞれに自分の節を工夫して鳴き何代目かの赤が濃いカナリヤが最も声が良く母はカセットテープに録音してその死後も聴いた。けれどカナリヤは臆病で人に狎れにくく手乗りにはならなかった。一日中籠の中で鳴いているだけではつまらないだろうと思って昼間は洋間に放し飼いにした。セキセイインコと違って暗くなってきても自分で籠に入らない のでわたしが捕まえて籠に入れた。そのたびにカナリヤはそれを楽しみにしているのかしばらく逃げ回る。逃げられないところに追いつめると飛べないように灯りを消して捕まえて籠に入れた。そして翌朝また籠の戸を開け洋間の中で自由にさせた。かれらはけっして歌を忘れることはなく楽しませてくれた。わたしもまた「歌を忘れたガナリ屋」になることのないように生きたい。
fumio


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父はセキセイインコだけで満足せず、オカメインコやルリコシインコなど大きめの数種のインコも買ってきて茶の間の同じ鳥籠に入れた。すると紛争が勃発した。一番大きくおだやかなオカメインコが色鮮やかで美しく気の強いルリコシインコに追われるのだ。見かけと性格がずいぶん違って意外だった。見ていられないので父は日曜大工で庭に大きな鳥小屋を作った。手乗りになったセキセイインコだけは茶の間の籠に置き、あとのインコたちを庭の鳥小屋に移したのである。その中では棲み分けができてあまり喧嘩は起こらないようだった。どこかで飼われていたセキセイインコが逃げてきて仲間を見てその小屋にとまると一緒に入れてやったりしたものだった。小屋を地球としてみるとそこの鳥たちの姿は人類の民族の縮図のようだった。
fumio

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 故宮下富実夫の妻リンダは電話で今、戸隠の奥宮が大盛況になっていると言っていた。わたしは以前からこのブログで信州の「戸隠」の暗号を解けば「戸が櫛、串(九四)」と解いたり手力 の記事で採り上げていたが、パワースポットとしてなにかで採り上げられて有名になったらしい。どうも今年は霊界がざわざわしている。手力男にスポットが当たるならいよいよ岩戸が開くのだろうか。
fumio

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昨日、盆なので故宮下富実夫の妻リンダに電話した。すると娘のジェイミーが昨日来ていて一緒にスカイパーフェクトテレビのアメリカンダンスアイドルを見て楽しんだという。ジェイミーは大阪で松竹芸能に入り 宮下ジェイミー静として芸能活動している。わたしはかの女が幼い頃の姿しか知らないのでブログの写真を見てずいぶん大きくなったなあと思った。両親にすこしずつ似ている。宮下富実夫は亡くなってもう七年になる。かれがいつも見守っているのだろう。大変だろうけれどこれから芸能界で大きく成長してほしいものである。
fumio

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私的カウントダウンアルバム「水面に書いた物語 」 収録曲の今週のアクセス聴取ランキング
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8月6日(金)~8月13日(金)
ヒット数: 832件中
    
順位( )内は前週の順位< >内は前々週の順位 
 
第1位(6)<6>はるかなるメロディ
第2位(1)<3>水面に書いた物語
第3位(2)<1>ごめんなさい
第4位(9)<7>女優(スター)
第5位(3)<2>あやかしのまち
第6位(5)<5>軽々しく愛を口にしないで
第7位(7)<8>ラスト・ランデヴー
第8位(4)<4>ときめきFALL IN LOVE
第9位(10)<17>Stay with me
第10位(11)<12>オーロラの町から
第11位(14)<10>マイ・スィート・ライフ
第12位(19)<15>まことのひかり
第13位(13)<13>素顔のマスカレード
第14位(12)<14>それってⅨじゃない
第15位(8)<9>わかりあえる日まで
第16位(17)<11>恋すれば魔女
第17位(16)<19>Sentimentallady”M”
第18位(18)<18>NEVER GIVE UP!
第19位(15)<16>しあわせになれる
第20位(20)<20>プロセス
第21位(-)<->We all need Love

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  このところ6位に甘んじていたはるかなるメロディ が今週は首位についた。秋に強いようだ。ご愛聴感謝。
fumio

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世襲  


 ポスはドッグショーのグレートピレネーズ犬部門で何回か優勝してグランドチャンピオンということになった。プロのブリーダーに頼んで子供を作ろうとしたのだが相手の雌のピレニアンマウンテンドッグとの種付けがうまくゆかず結局、子供はできなかった。残念ながらポスは子孫を遺すことができなかったのである。

 手乗りセキセイインコのオスにはセイタロウ、メスにはセイコと名付けていたのだがセキセイインコは子供が多くて一回の出産で十羽近く生まれた。それでも中には羽が生えないまま死んでしまうものもいた。そして元気に成鳥になった家族のその中で特に人に親しく狎れやすいものがセイタロウ、セイコの名前を継いだ。世襲というか、何代経っても手乗りインコの名前はセイタロウだった。なにか伝統芸能の世界と似ているような…。
fumio


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