その頃、やっと日本にもポピュラー音楽が定着してキャッシュボックス誌の全米ベスト10を知っていることがトレンドになってきた。英語の見習い教師がわたしたちの高校のクラスに研修のために教えに来たとき授業中「今週の全米1位はなんだ?」と訊いた。
わたしは手を挙げて「バリー・マクガイヤのイーブ・オブ・デストラクションEve of Destruction」と答えた。「それで途中でo’re and o’re againというところがあるんですけどなんのことですか」と訊き返した。 研修先生は虚を突かれたようにウッと考え込みやがて「それは「over and over again」のことだ。」と正解にたどり着いた誇らしげな表情をみせた。なんだか勝負みたいだった。
それから数十年経ってわたしと同年代のジェームズ・ラッセル宣教師が家にだべりにきたとき日米互いの高校時代のヒット曲の話しになった。国は違っても互いに話題にするほとんどの曲は知っていてなつかしい気分に浸った。ところが映画「地獄の黙示録」のイントロに流れたドアーズの「ジ・エンド」という歌についてはラッセル氏は顔を曇らせた。「それじゃぁ、イーブ・オブ・デストラクションは?」と問うと「あれは最悪」と評した。キリスト者にとっては破滅ものは気に入らないようだった。
イーブ・オブ・デストラクションは当時流行ったプロテストソングで人類の破滅を歌ったていた。
しかし、わたしたちは常に「破滅の前夜」にある。世界はすでに何度も破滅するに十分な兵器を用意しているのだ。
政治家や世界の指導者達はいつも自国の安全のためといいながら血迷って地球生命体の絶滅への道を行こうとする。そうならないようにわたしたち一般市民はかれらの言動を注意深く見張り知恵と愛と勇気をもって戦うしかない。
fumio
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