弘法大師、空海の初期の著作「三教指帰」(さんごうしいき)をもう一度引用する。
『ここにひとりの沙門あり、余に虚空蔵聞持の法をしめす。
その経にとかく、もし人法によってこの真言一百万遍を誦ずれば、一切の教法の文義暗記することを得と、ここに大聖の誠言を信じて…。阿国大滝の巌にのぼりよじ、土州室戸崎に勤念す、谷響を惜しまず、明星来影す』
空海は阿波の国の大滝の巌を苦労して登ったり土佐の室戸崎で海に向かって真言(ノウボウアキャシャ ギヤラバヤ オンアリ キャマリ ボリ ソワカ )を百万遍唱えた。すると、谷がものすごい響きを起こし、明星が姿を現し飛んで来た。
この時の体験が空海という法名の由来のように思える。「谷響を惜しまず」と「明星来影す」がこの法の成就の相であったようだ。
この時かれの口に明星が飛び込んだという伝説がある。実際には星が口に入ることはないのでそれに類する霊的現象が起きたとみられる。虚空蔵菩薩は明星天子の化身といわれている。ということは法が成就して明星天子の霊がかれに依り憑いたということになる。
それではその明星天子とはいったいだれなのか。それがわたしのサイトでいつも検索単語の上位に入るlight-bearer(光を運ぶもの) shining one(輝くもの), morning star(明星)などの意味を持つ天使長ルシファー、金星の王子として人類を救い導くために下天してからの名称サナート・クマラなのである。真言のなかに「オンアリ」という宇宙神霊のアクセスコードを含んでいるのも興味深い。
fumio
| Trackback ( 0 )
|