風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

クロメンガタスズメの幼虫を貰って

2023年10月05日 | メンガタスズメ
8月のある日の夕方、玄関チャイムが鳴って
いつも野菜をくれる近所の友だちが
今回も新鮮な夏野菜をどっさり持ってきてくれました。
そして野菜越しに、「あのさー、これも要る?」と
小学生のお孫さんの名前が書いてある虫かごを差し出しました。

「トマトを片付けていたら見つけたんだけど」
「うちのダンナが、持っていってあげなって・・・」
前にも何度かこの友人から幼虫を貰ったことがあったので
私の虫好きをご主人も知っていたのでしょう(^^ゞ
見た途端、自分の目が一瞬キラッと輝いたのが分かりました(笑)


これは!スズメガの幼虫です!
「え~~、いいの?♡、お孫さんは欲しがらない?」
「まったく欲しがらないから、大丈夫だよ・・・」
とのことで、遠慮なくいただいてしまいました(#^.^#)

えーっと、この子は誰だったかな?懐かしい模様です。
食草がトマトなので調べたら、2年前に育てたことがある
メンガタスズメの幼虫でした。
2年前の時も、別の友だちから貰った幼虫で
成虫になったけど、残念ながら羽化不全でした。
今回は元気に飛び立てるといいな。
体長が10cmくらいあるので、終齢幼虫です。


スズメガの幼虫は、種類ごとに決まった植物しか食べなくて
例えばオオスカシバは、アカネ科のクチナシや
スイカズラ科のツキヌキニンドウなどを食草としています。

メンガタスズメはスズメガの仲間では、とても多くの種類を食草にしていて
ナス科のナス・トマトなど、ゴマ科のゴマ、シソ科のクサギ
クマツヅラ科のクサギボタン、ノウゼンカズラ科のノウゼンカズラ
マメ科のデイゴ、キリ科のキリ
あとは、ヒルガオ科やモクセイ科の植物も食べるそうです。
生き残るには有利ですが、人間が大切に育てているトマトやナス、ゴマを食べるのは
害虫として駆除される確率が高いので不利です(´A`)

トマトの葉は少し手に入るので、このまま食草を変えず
庭の父親のトマトから、葉を盗んできて育てます(^m^)


うちに来て3日後の朝、幼虫の体が赤茶色に変化していました。
もうサナギになるの?
もっとゆっくりしていけば良いのに。


小さい飼育ケースに今回は、市販の「観葉植物の土」を入れました。
水はけが良いよう粒状なので、地中で繭をつくりやすいかも。

あーじゃない、こーじゃないと
場所を変えたり、潜ったり出てきたりを繰り返して
やっと納得する角度?が見つかったようで
土の中へ姿を消しました。

**
土に潜ってから18日後の夜、9時半頃部屋に行くと
網の中に人影ならぬ「虫影」がありました。


飼育ケースを100均で買った大きな干し網に入れて
部屋に吊るしてあったのですが、ファスナーをそっと開けて中をみると
きれいに翅が伸びた成虫がいました。
良かった!無事に羽化できたようです。
ケースに貼ってある付箋は、蛹化した日と羽化の予想日です。
予想より3日早かったです。


夜行性のスズメガはいつも、真夜中に羽化していたのですが
この子は翅がしっかり伸びていたので
1時間ほど前の、8時半くらいにサナギから出たようです。
まだ寝ぼけてるかな?
寝起きだと、ボーっとしていて手に乗るんです(^m^)
ゴールド&ブラックの、ゴージャスなガウンみたいな翅。


お顔も見せてくれました。


背中の模様は?
黒い部分が多くて黄色い横縞が見えないので
この子は「クロメンガタスズメ」のようです。


ドクロのお面も、面白いことに・・・
メンガタスズメよりもクロメンガタスズメは「タレ目」だそうです(笑)
確かに!比べて見ないと分からないけど、目が笑ってますね。


そして、この角度から見るスズメガの顔は
頭部のほとんどが目なのです!
夜行性の蛾の目は「モスアイ」と呼ばれる特殊な構造をしていて
ほぼ光を反射しません。
究極の黒、漆黒です。
月の光を頼りに、闇夜の中を飛び回る様子を想像すると
同じ地球で違う世界を生きている・・・そんな不思議な気持ちになります。


***
もう夜もふけてきました。
いつまでも指から離れないのは嬉しいけど、眠い・・
そろそろお別れです。
網戸を開けて窓の外へ、元気でね、ありがとう。


うーん、まったく離れない(^^ゞ
名残り惜しいというより、タイミングじゃない感じ(笑)
仕方ないので、窓の外のスダレに止まらせておきました。


翌朝、ちゃんと居なくなっていました。
2年前は羽化不全で悲しい思いをしましたが
今回は無事に羽化してくれて、本当に嬉しかったです。
飼育ケースの土から、サナギの抜け殻とマユを取りだしました。


地中に作られたクロメンガタスズメのマユは
ドーム型というより、サナギを覆う上部だけの形でした。
細い糸で繊細に綴られていて、手で持ち上げても崩れないくらい強度がありました。


羽化した日からずいぶん時が過ぎて、今夜は寒いくらいですが
窓を開けて夜空を見ると、しっとりした暗闇に
スズメガが飛んでいる姿が思い浮かびます(#^.^#)
以上、クロメンガタスズメの飼育記録でした。

メンガタスズメ、羽化不全でした

2021年09月20日 | メンガタスズメ
友だちの家から貰ってきた
スズメガの幼虫
今朝、羽化しました。
うわ~、嬉しい!と思ったのもつかの間
1時間待っても翅が伸び切らず・・
羽化不全でした(>_<)

「お面模様」の色合いが
黒っぽいので
メンガタスズメのようです。


近縁に、クロメンガタスズメがいるのですが
メンガタスズメとの違いは
お面の下側に「W」の模様があるのが
クロメンガタスズメだそうです。
こちらは、018年8月に羽化した子です。


そして、もう一つの違いは
背中にある黒い縦筋の太さです。
メンガタスズメの黒い筋は細くて


クロメンガタスズメの方は
2~3倍くらい太いです。
翅で隠れて、黄色い部分が見えないくらい。



貰って来た日の
幼虫の写真です。


尻尾(尾角)の形も
クロメンガタとメンガタには違いがあって
先っぽがクルリんと強く丸まっているのが
クロメンガタで
割と真っすぐなのがメンガタだとか・・・
こちらは、2018年に羽化した
クロメンガタスズメの幼虫の写真です。


サナギになった(土に潜った)のは
8月27日で


そして本日、9月20日に羽化。
サナギになってから24日後でした。
羽化不全の原因は、いろいろあるそうですが
今回は、反省する点も多くありました。
飼育ケースに入れた土が多すぎたのか?


自然界では、地中のどの程度の深さで
蛹化するんだろう?
サナギの殻はきれいに割れていました。
ケースの底から這い出す時に、翅が傷ついたのかな。


それから、足場を準備してあげてなかった事です。
以前、足場が無くても無事に羽化した子がいるので
大丈夫かなと、手を抜いてしまいました。
飼育するからには、責任を持たなくてはいけないと
とても反省しています。

**
蛾の仲間には
生まれてくる目的が繁殖のみで
最初から口(口吻)が退化している種類がいますが
調べて見ると、メンガタスズメの成虫は
蜂蜜を盗むために、ミツバチの巣箱に侵入するそうです。
もしかしたら、飲むかもと
水で薄めた蜂蜜を用意しました。


蝶は、こうして前足を付けると
味覚を感じて、飲もうとするのですが・・・
蛾はダメかな。
クルクル巻いた口吻を
つまようじで伸ばそうとしたけど
それも無理そうでした(´A`)


生き物を飼って、観察しているときは
楽しい事がたくさんあるけれど
上手く羽化させられなかったり
ちゃんとお世話ができなかったことに
自然の営みに手を出さなければよかったと
落ち込むことも多々あります。
命が消える時まで、この子を見守りたいと思います。

スズメガの幼虫を貰ってきました

2021年08月29日 | メンガタスズメ
仕事で友だちになった人の家に
用事があって出かけました。

車を停めて、あいさつもそこそこ
「今朝、庭の畑に大きなイモムシがいてね」と、友だちが言いました。
どんな虫?
「太くて、大きさは人差し指くらいかな・・」
それ、どこに居たの?
「庭の、ナスの葉っぱ」
ナスの葉に、大きなイモムシ・・・
それは、たぶんスズメガの幼虫です。

ナスを消毒しようと思ったら居て
可哀そうだから、ミカンの木に引っ越しさせたとのこと。
消毒するのに、害虫を避難させる・・・
この人の、そんなところが好きなのです(#^.^#)

どこどこどこ?
もう、興奮が抑えられません(笑)
その虫、どこにいるの?
「こっちだよ」友だちの後についていくと
「ミカンも食べるかなぁと思って」と
畑から3メートルくらい離れたミカンの木に
ナスの葉が1枚、紐で括りつけられていました(^^ゞ

それは蛾の幼虫で、ミカンは食べないと説明すると
気の毒な事をしたと、辺りを探し始めました。
2人で一生懸命探していたら
「あー、ナスに戻ってきてる!」
砂の付いた体で、ナスの葉の裏にくっ付いていました。

ねえ、この虫貰ってもいい?
「どうするの?」
飼うの。
引かれるとおもったけど、思い切ってお願いすると
「え~!!いいの?ありがとう!良かった~」と
里親が見つかったことを素直に喜んでもらえて
嬉しくなりました。

柏餅みたい(笑)

車に積んでいる容器に入れて
うちに連れて帰りました。


体に傷があって、プリプリしていないけど
「クロメンガタスズメ」の幼虫のようです。


飼育ケースに入れて
翌朝、様子を見ると
体の色が変化していました。


サナギになるみたいなので
園芸培養土をボウルに入れて
その中に放してみました。


何年か続けてスズメガを観察していますが
蛹化するときに、スッと、サナギになる子と
ずーっと「寝ぐずり」みたいにぐずって
ウロウロする子がいます。
何が違うのかな?
この子は、ボウルではイヤみたいです(´A`)


四角い飼育ケースに土を移して
しばらく様子をみていたら
やっと土に潜り始めました。



飼育ケースの底で
しきりに体をうごめかせ
土を紡いで、マユを作っているようです。


クロメンガタスズメの飼育
去年の秋に体験していました。
秋の遅い時期だったので、越冬して
楽しみに待っていたけど、春になっても
サナギは死んでいて、羽化はしませんでした。

縁があってうちに来た子
無事に羽化して欲しいです(^_^)


クロメンガタスズメ

2020年11月06日 | メンガタスズメ
今年のいきもの観察はもうお終い・・と思っていたのですが
庭の片すみで、見つけてしまいました・・・
幼虫じゃなくて、フンです(笑)



ダメダメ。見なかったことにして
黒いポツポツをホウキで掃いて・・
でも、何日か経つとひと回り大きなフンが落ちているの(^^ゞ



見たらダメ、と思いながら
我慢できずに、葉をめくったら、この子がいました(^^)



え~なんで見つかったの?って顔をしてる(笑)
それは、あなたのフンで!




食べている葉っぱは、ボタンクサギです。
夏に咲いたあと、切り戻しておいたら
2番花が咲き始めました。



そういえば、ボタンクサギの葉にいたイモムシを
前に飼育したのを思い出して写真をさがしてみました。
2年前のお盆の頃に出会った、この子は
「クロメンガタスズメ」でした。


このまま庭で、自然に任せて見守ろう・・・
そう思ったのですが、気持ちはユラユラ揺らぎます。
だって、ドクロの模様を背負った蛾なんですよ



羽化したメンガタスズメの写真!
こんな感じで、背中に人面模様が浮き出ています(≧∇≦)



裏側も綺麗な色です。


一度見てしまったら、もう毎日見ます(笑)
葉を裏返して見るたびに、大きくなっています。



天敵の蜂もいないし、寄生バエたちも活動していないようなので
このまま自然任せでも安心なのですが



明日は雨、の予報が出た寒い夕方に
我慢できなくて、部屋に連れてきてしまいました(*´ー`)ゞ



**
クロメンガタスズメの特徴は
頭部にある顆粒と



ポツポツと突起のある尾角です


食草の種類は広くて、ノウゼンカズラ科、アカネ科、ゴマ科、ナス科、マメ科などなど
何でも食べるようですが、ウチではシソ科のボタンクサギにいました(^^♪



***
部屋に来てからも、モリモリと葉を食べて
大きなウンチをしていたのですが
今朝、食草を離れて、飼育ケースの中を徘徊し始めました。



一回目のお別れの日がきたようです。
秋の子だし、あまり触らないようにしていたけど
一度だけ手のひらに乗せました。



メンガタスズメは、サナギになるとき
土に潜るタイプです。
小さい飼育ケースに「園芸の土」を入れて、土の上に置きました。



おやすみなさい。
また、明日(来年)ね



こうして土の中で春を待つのは
チューリップなどの球根植物と
よく似ているなぁと、思いました。
生きているのは植物も昆虫も、同じですね
来年の春、色んな花が咲く頃に羽化してきてね(#^.^#)


これで最後かな?
わからないけど(笑)
楽しみに冬越しします。