この黄色い花は「キツリフネ」(黄釣船)といいます。
昨年に種をまいたものが、やっと庭で咲き始めました(#^.^#)
キツリフネは、ツリフネソウ科の一年草で
やや湿った薄暗い場所に自生しています。
花が咲くのは、6月から秋(何月だろう?)までだそうです。
キツリフネの種まきから、開花までの記録を書いてみます。
*
2022年の6月、たまたま行った先の
「湿った薄暗い場所」で、この花に出会いました。
へんてこな形!ひと目で好きになり
種ができていたので、少し貰って帰りました。
種は最初は緑色でしたが、紙袋に入れて5日ほど吊るしておいたら
追熟?して茶色になりました。
2022年6月13日、15粒の種をまきました。
芽が出るかな?
ああ・・・待てど暮らせど、芽は出ない・・・
朝顔やヒマワリの種を、ちょっと遅いけど6月にまけば
すぐに芽が出て、年内には花が見られるのに。
キツリフネさん、発芽の気配すらありません(´A`)
15粒しかないから、丁寧にポリポットに1粒ずつまいたのですが
いつしかそこに他の草が生えだして、もうダメかなって思いつつ
諦めきれず、水やりをして冬を越しました。
**
そして2023年、3月になりました。
あら?ポットに芽生えの予感が\(^o^)/
3月20日、最初は半信半疑、これってそうかな?
今まで、うちの庭では見たことがない形の双葉。
その間から出てきた本葉も、初めて見る形です。
この時点では、まだ他の植物の芽かもと思っていましたが
種をまいたポットに、次々と同じ形の双葉が生えてきたので
これはキツリフネだと、確信しました。
3月に発芽を確認してから、ぽつぽつと順に芽が出てきて
約1ヵ月経ち、もうこれ以上は芽は出ないようです。
数えてみたら、種を15粒まいたうち、8本が発芽しました。
約半分ですね、発芽率が良いのか、そうでないのか分かりませんが
育てるのが初めての植物なので、芽が出ただけでドキドキです。
左側が発芽したもので、右は、他の植物の色んな芽でいっぱいです。
真ん中のビオラは、去年咲いた花のこぼれた種で咲きました。
***
4月、弱々しい感じですが
少しずつ大きくなってきました。
4月18日、背丈は6cmくらい。
隣に生えているのは、何かの草なのですが
最初にキツリフネ?と思って育てていたので、抜けなくて残してあります(^m^)
葉は楕円形で互生、先が尖らず丸い。
キツリフネは根っこが少なくて、移植を嫌うそうなので
今のうちに定植しておくことにしました。
ポットから抜いて見ると、丁度よい具合に根が巻いていました。
どこに植えようか、とても迷いましたが
少し前に植え替えをした「タイワンホトトギス」のプランターの
空いているところに一緒に植えることにしました。
初めて育てるキツリフネが、どれくらい大きくなるか分からないので
4本だけ、苗を間隔をあけて植えました。
タイワンホトトギズも「明るい日陰で、湿った場所」に生えるそうなので
キツリフネと気があうかもしせません(^m^)
残りは、2本を庭の木陰に植えて・・・
あと2本は鉢植えにしました。
ついでに、こぼれた種から芽生えて、咲き始めたビオラも植え替えました。
***
4月の終わり頃
プランターに植えて10日後
なんだか・・いっきに葉が大きくなりました。
5月13日に撮った写真では、こんもり茂ってきたホトトギスの
背丈を追い越しています。
5月18日、植え替えてから一ヵ月経ちました。
この日背丈を測ってみたら、なんと!32cmになっていました。
ちょうど一ヵ月前に測ったときは、6㎝だったので、急成長です。
6月には花が咲くと書いてあったけど
これは何だろう?
つぼみ?じゃないような・・・
細長いものは、日ごとに膨らんできて
ある日、写真を撮ろうとして指先で触れた途端
パチンっと弾け、何処かへ飛んでいってしまいました。
これは手の中で弾けさせて、捕まえた種です。
****
花を咲かせずに、自分の花粉で受粉をしてタネを作る植物があります。
この咲かない花のことを「閉鎖花」(へいさか)というそうです。
普段目にする、咲いている(花びらが開いている)花のことは
「開放花」(かいほうか)と呼ぶそうです。
開放花なんて言葉、知らなかった~
花は咲くのは当たり前だと思っていたけど、違うんですね(^-^)ゝ
閉鎖花をつける植物の代表には、スミレがよく知られていますが
キツリフネもその仲間でした。
6月になりました。
毎日見てるキツリフネ(笑)に、前とは違う形のつぼみが付きました。
開放花のつぼみかも?
これがどんなふうに膨らんで、どんなふうに開くんだろう?
もう楽しみで楽しみで、更に庭へ何度も見に行きました。
色付いてきたつぼみは、木魚に似ていませんか?(^m^)
大きくなってきたら・・・クジラに似てきました。
本当に変わった形をしています。
明日には開いて初めての「開放花」になるかなぁ・・
パッカーン!
開きました\(^o^)/
蝶の翅のように、大きく垂れた2枚の花びらは
蜜を吸いに飛んでくるハナバチが着地するための
専用の足場だそうです。
キツリフネの花の、細いしっぽみたいなところには
蜜が溜まっています。
距(きょ)というのですが、こんな狭くて奥まったところの蜜を吸えるのは
長いストローのような口を持った、スズメガかな?と思ったら
違いました。
スズメガはキツリフネにとって
花粉を運ばず蜜を飲んでいく、蜜泥棒だそうです(^m^)
キツリフネの花粉を運ぶのは、主にマルハナバチの仲間で
中でも特に口吻が長い「トラマルハナバチ」だそうです。
花の入り口の天井には、花粉をいっぱい付けた「オシベ」があります。
トラマルハナバチの体は毛むくじゃらで、花に潜り込むときに
たっぷりと花粉が体にくっ付きます。
何度もハチが出入りして花粉がなくなると
スゴイことが起こります!
キツリフネはおしべを根元からポロッと落として捨てて・・・
今度はめしべを成熟させ、自分の花粉ではない他の株の花粉を受粉するのです。
こんなふうに雄しべが雌しべよりも先に成熟する仕組みを
「雄性先熟」(ゆうせいせんじゅく)というそうです。
無事に受粉が終わると、今度は花びらを落として
果実の中でタネを熟成させます。
落ちていた花びらを拾ってみました(#^.^#)
本当は4つのパーツからできているのですが、オシベの上にあった
半円形の「軒下のひさし」みたいなのは、見当たりませんでした(^^ゞ
植物にとって一番大事なのは、次世代に自分の遺伝子を残すことです。
自家受精のメリットは、高い確率でタネを作れることで
閉鎖花は、そのための保険みたいなものでした。
でも、デメリットもあって、子孫がみんな遺伝的に同じなので
環境の変化や病気などで、全滅してしまう恐れがあるそうです。
キツリフネは、成長にエネルギーが必要な時は、花を咲かせるコストを省き
じゅうぶん大きくなったら、開放花を咲かせて他家受粉でタネを作る
そんな戦略で生きている、とても奥の深い植物でした。
きれいな花だと、ただ見ている時には知らなかったお話しでした(#^.^#)
今日、昼間に花を見ていたら
小さな蜂?が花の奥から顔を出しました。
蜜泥棒です!距まで歩いて行って、蜜を飲んできた帰りみたい。
「見逃してください」というような顔に見えて、笑ってしまいました。
秋まで咲くという、キツリフネです。
これから花や種にどんな変化があるか?
どんな物語りを見せてくれるのか・・・
楽しみに観察していきたいと思います(^^♪
長くなりました(^^ゞ
最後まで読んで下さって嬉しいです。
ありがとうございました。
以上、キツリフネ、種まきから開花までの記録でした!
次回へ続く?かな(^m^)
昨年に種をまいたものが、やっと庭で咲き始めました(#^.^#)
キツリフネは、ツリフネソウ科の一年草で
やや湿った薄暗い場所に自生しています。
花が咲くのは、6月から秋(何月だろう?)までだそうです。
キツリフネの種まきから、開花までの記録を書いてみます。
*
2022年の6月、たまたま行った先の
「湿った薄暗い場所」で、この花に出会いました。
へんてこな形!ひと目で好きになり
種ができていたので、少し貰って帰りました。
種は最初は緑色でしたが、紙袋に入れて5日ほど吊るしておいたら
追熟?して茶色になりました。
2022年6月13日、15粒の種をまきました。
芽が出るかな?
ああ・・・待てど暮らせど、芽は出ない・・・
朝顔やヒマワリの種を、ちょっと遅いけど6月にまけば
すぐに芽が出て、年内には花が見られるのに。
キツリフネさん、発芽の気配すらありません(´A`)
15粒しかないから、丁寧にポリポットに1粒ずつまいたのですが
いつしかそこに他の草が生えだして、もうダメかなって思いつつ
諦めきれず、水やりをして冬を越しました。
**
そして2023年、3月になりました。
あら?ポットに芽生えの予感が\(^o^)/
3月20日、最初は半信半疑、これってそうかな?
今まで、うちの庭では見たことがない形の双葉。
その間から出てきた本葉も、初めて見る形です。
この時点では、まだ他の植物の芽かもと思っていましたが
種をまいたポットに、次々と同じ形の双葉が生えてきたので
これはキツリフネだと、確信しました。
3月に発芽を確認してから、ぽつぽつと順に芽が出てきて
約1ヵ月経ち、もうこれ以上は芽は出ないようです。
数えてみたら、種を15粒まいたうち、8本が発芽しました。
約半分ですね、発芽率が良いのか、そうでないのか分かりませんが
育てるのが初めての植物なので、芽が出ただけでドキドキです。
左側が発芽したもので、右は、他の植物の色んな芽でいっぱいです。
真ん中のビオラは、去年咲いた花のこぼれた種で咲きました。
***
4月、弱々しい感じですが
少しずつ大きくなってきました。
4月18日、背丈は6cmくらい。
隣に生えているのは、何かの草なのですが
最初にキツリフネ?と思って育てていたので、抜けなくて残してあります(^m^)
葉は楕円形で互生、先が尖らず丸い。
キツリフネは根っこが少なくて、移植を嫌うそうなので
今のうちに定植しておくことにしました。
ポットから抜いて見ると、丁度よい具合に根が巻いていました。
どこに植えようか、とても迷いましたが
少し前に植え替えをした「タイワンホトトギス」のプランターの
空いているところに一緒に植えることにしました。
初めて育てるキツリフネが、どれくらい大きくなるか分からないので
4本だけ、苗を間隔をあけて植えました。
タイワンホトトギズも「明るい日陰で、湿った場所」に生えるそうなので
キツリフネと気があうかもしせません(^m^)
残りは、2本を庭の木陰に植えて・・・
あと2本は鉢植えにしました。
ついでに、こぼれた種から芽生えて、咲き始めたビオラも植え替えました。
***
4月の終わり頃
プランターに植えて10日後
なんだか・・いっきに葉が大きくなりました。
5月13日に撮った写真では、こんもり茂ってきたホトトギスの
背丈を追い越しています。
5月18日、植え替えてから一ヵ月経ちました。
この日背丈を測ってみたら、なんと!32cmになっていました。
ちょうど一ヵ月前に測ったときは、6㎝だったので、急成長です。
6月には花が咲くと書いてあったけど
これは何だろう?
つぼみ?じゃないような・・・
細長いものは、日ごとに膨らんできて
ある日、写真を撮ろうとして指先で触れた途端
パチンっと弾け、何処かへ飛んでいってしまいました。
これは手の中で弾けさせて、捕まえた種です。
****
花を咲かせずに、自分の花粉で受粉をしてタネを作る植物があります。
この咲かない花のことを「閉鎖花」(へいさか)というそうです。
普段目にする、咲いている(花びらが開いている)花のことは
「開放花」(かいほうか)と呼ぶそうです。
開放花なんて言葉、知らなかった~
花は咲くのは当たり前だと思っていたけど、違うんですね(^-^)ゝ
閉鎖花をつける植物の代表には、スミレがよく知られていますが
キツリフネもその仲間でした。
6月になりました。
毎日見てるキツリフネ(笑)に、前とは違う形のつぼみが付きました。
開放花のつぼみかも?
これがどんなふうに膨らんで、どんなふうに開くんだろう?
もう楽しみで楽しみで、更に庭へ何度も見に行きました。
色付いてきたつぼみは、木魚に似ていませんか?(^m^)
大きくなってきたら・・・クジラに似てきました。
本当に変わった形をしています。
明日には開いて初めての「開放花」になるかなぁ・・
パッカーン!
開きました\(^o^)/
蝶の翅のように、大きく垂れた2枚の花びらは
蜜を吸いに飛んでくるハナバチが着地するための
専用の足場だそうです。
キツリフネの花の、細いしっぽみたいなところには
蜜が溜まっています。
距(きょ)というのですが、こんな狭くて奥まったところの蜜を吸えるのは
長いストローのような口を持った、スズメガかな?と思ったら
違いました。
スズメガはキツリフネにとって
花粉を運ばず蜜を飲んでいく、蜜泥棒だそうです(^m^)
キツリフネの花粉を運ぶのは、主にマルハナバチの仲間で
中でも特に口吻が長い「トラマルハナバチ」だそうです。
花の入り口の天井には、花粉をいっぱい付けた「オシベ」があります。
トラマルハナバチの体は毛むくじゃらで、花に潜り込むときに
たっぷりと花粉が体にくっ付きます。
何度もハチが出入りして花粉がなくなると
スゴイことが起こります!
キツリフネはおしべを根元からポロッと落として捨てて・・・
今度はめしべを成熟させ、自分の花粉ではない他の株の花粉を受粉するのです。
こんなふうに雄しべが雌しべよりも先に成熟する仕組みを
「雄性先熟」(ゆうせいせんじゅく)というそうです。
無事に受粉が終わると、今度は花びらを落として
果実の中でタネを熟成させます。
落ちていた花びらを拾ってみました(#^.^#)
本当は4つのパーツからできているのですが、オシベの上にあった
半円形の「軒下のひさし」みたいなのは、見当たりませんでした(^^ゞ
植物にとって一番大事なのは、次世代に自分の遺伝子を残すことです。
自家受精のメリットは、高い確率でタネを作れることで
閉鎖花は、そのための保険みたいなものでした。
でも、デメリットもあって、子孫がみんな遺伝的に同じなので
環境の変化や病気などで、全滅してしまう恐れがあるそうです。
キツリフネは、成長にエネルギーが必要な時は、花を咲かせるコストを省き
じゅうぶん大きくなったら、開放花を咲かせて他家受粉でタネを作る
そんな戦略で生きている、とても奥の深い植物でした。
きれいな花だと、ただ見ている時には知らなかったお話しでした(#^.^#)
今日、昼間に花を見ていたら
小さな蜂?が花の奥から顔を出しました。
蜜泥棒です!距まで歩いて行って、蜜を飲んできた帰りみたい。
「見逃してください」というような顔に見えて、笑ってしまいました。
秋まで咲くという、キツリフネです。
これから花や種にどんな変化があるか?
どんな物語りを見せてくれるのか・・・
楽しみに観察していきたいと思います(^^♪
長くなりました(^^ゞ
最後まで読んで下さって嬉しいです。
ありがとうございました。
以上、キツリフネ、種まきから開花までの記録でした!
次回へ続く?かな(^m^)