風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

ヒメエグリバが羽化しました!

2022年08月28日 | 蛾の観察や飼育
派手な色をした幼虫が、農道を歩いていました。
蛾や蝶の幼虫は種類ごとに、食べられる葉の上に親が卵を産み
孵化してからは絶対にその葉から離れません。
ウロウロ、イソイソ歩いているのはサナギになるために
良い場所を探している終齢幼虫です。

「行ってらっしゃい、無事に羽化できるといいね」と
見送るのが本当はいいのですが・・・
羽化するところを見たくて、連れてきてしまいました(^^ゞ


「ヒメエグリバ」(姫抉羽)という、蛾の幼虫です。
成虫の翅が「えぐれた」ような形をしているところからの命名です。
食草は「アオツヅラフジ」で、この植物には毒があるので
もしかしたら、ヒメエエグリバの幼虫は毒を持っているかもしれません。
ネットで調べていたら、幼虫を食べたカエルが具合が悪くなったという記事を見つけました。
そのためか、黒地に赤と黄色の模様は、素晴らしい警戒色になっています。
葉を食べている幼虫の写真。
幼虫で越冬するので、一年中見られる生きものです(^^)


蝶や蛾の幼虫には「腹脚」といって、幼虫時代にしかない5対の足があるのですが
ヒメエグリバは、3番と4番目の腹脚が退化していて、尺取り虫のような動きをします。

それも不思議、なんでだろう?
進化は生きるために有利な方向に進むと思うのですが
戦略的に退化の道を選ぶ生物もいるのですね。

サナギになるために歩いていたので、うちに来てすぐ葉も食べずに
蛹化態勢に入りました!
アオツヅラフジのツルに、キッチンペーパーをちぎったのを置いておきました。


7時間後、キッチンペパーを綴って繭を作りました。
写真の後方のかたまりが繭です。
決まった植物しか絶対に食べない幼虫ですが
サナギになるための素材は何でも良いようで、そこに有る物を利用して、繭を作ります。



繭を作ってから12日後、23時43分(^^ゞ夜中に無事羽化しました。
ファーストコンタクトはいつも、飼育ケース越しなので寝ぼけたような写真ですが
これが一番嬉しい瞬間です。


名前のとおり、翅がえぐれていますね。
命名した人の気持ちを感じられます。


生まれて初めてみるものを「親と思う」鳥ならば・・
懐いてくれるかななんて、ちょっと想像してしまうくらい、横目で私を見ています(^m^)
触角が櫛のような形で、オスのようです。


**
こちらは今年の5月の中旬に羽化したヒメエグリバです。
同じように歩いている幼虫を見つけて、羽化まで観察しました。


ヒメエグリバが幼虫で越冬するのを知らなくて
春の早い時期に歩いているのを見たときは、ビックリしました。
すぐにサナギになって、無事に羽化しました。
触角が細いので、メスかな。


幼虫はハデな模様ですが、成虫になると地味です。
ヤガ科の蛾で、ナシやリンゴ、モモの果実を吸う害虫です。


生産者の方にとっては駆除対象の生きものですが
生態を観察したくて、飼育しました。


***
羽化が夜中だったので、いつでも飛び立てるように、窓の外へケースを出しておきました。


その時に撮った写真がコレですが・・・
最初に見たときに心霊写真かと思いました(ll゚д゚)


背中に浮かび上がる、着物を着たツノのある鬼??
クロメンガタスズメというスズメガには、背中にドクロの模様があるのですが
この模様も、ちょっと怖いなと思いました。


****
お別れ会をした後の、繭を見るのは寂しいです(^^ゞ
不器用な子がいないみたいに、みんなきちんとした繭を作ります。


ピッタリと閉じているキッチンペーパー製の繭を開いてみると、
サナギの殻が出てきました。
繭は糸で繋がれていなくて、繭を足場して外へ出てくるようです。


終齢幼虫のヒメエグリバの羽化を観察できましたが
機会があれば、小さい幼虫から観察できたらいいなと思います。
以上、ヒメエグリバ羽化の観察記録でした(^^)/

ガガイモの実を食べていた「チャレンジャー」

2021年12月10日 | 蛾の観察や飼育
あれからまた、ベランダの残りのガガイモを収穫していたら
虫食い跡がある実を見つけました!


いったい誰が食べたんだろう?
ガガイモって毒があるんだけど、大丈夫なのかな?
感心しながら実をクルッと回したら・・・
いました!チャレンジャーが。
となりの実にかぶりついて、お食事の真っ最中でした。


そんなにいっぱい食べたら、死んじゃうよ~(ll゚д゚)
実から幼虫を剥がして救出したけど、これはなんの幼虫だろう?
庭で見た事あるような無いような・・・


取り合えず、庭に生えているアシタバの葉を採ってきて待機してもらいました。
まずは、アナタの名前を調べます!
食草を知るには、虫の名前がわからないとね。


綺麗だな~(脳の回路がもうそうなっている(笑))
星をちりばめた銀河のよう・・・
虫の名前を調べるときによく、「きれいな虫」というワードも入れて検索してしまうのですが
それでヒットすると、同じように虫を綺麗と思う人がいるんだ~と
嬉しくなって、ちょっとニヤケてしまいます(^m^)
この子は、体の横に走る白いラインが特徴的ですね。


「体側に白いライン 幼虫」で画像検索したら
一番目に出た写真でヒットしました(笑)
この虫の名前は「シロシタヨトウ」(白下夜盗)、蛾の幼虫でした。
昼間は土の中に潜っていて、夜になると土から這い出て植物を盗み食いするのが名前の由来だそうです。
盗み食いって(笑)
昔、園芸に情熱を燃やしていたころは、夜中に大事な花の芽を食べられるのが腹立たしかったけど
虫好きになった今は、ヨトウムシが夜盗なんて、盗人に例えられちゃうの
なんだか気の毒のような気がします(^m^)
つつくと、丸まって死んだふりをするのも、ヨトウムシの特徴だそうです。



食草は多くて、色んな科の植物を食べられる多食性でした。
セリ科の明日葉も食べるらしいですが、一日経ってもかじらないので
アブラナ科のキャベツに幼虫を乗せておきました。


キャベツは好きだったのか
かじった跡がありました。


ハクサイはどうかな?
農薬の影響がないように、なるべく内側の葉をよく洗ってきました。


次の朝見たら、まったく食べていませんでした。
ハクサイもアブラナ科だけど、やっぱり好き嫌いがあるのかな。
またキャベツを持ってきて、飼育ケースに入れておいら
やけに歩き回るので、もしかしたらサナギになるのかもしれない!
潜るための土を急いで用意しました。


ここで、すんなりカップの土に潜る子と
どこがどう気に入らいのか、この土ではイヤ!と、寝ぐずる子供のように
なかなか頑固なタイプに分かれます。
この子はイヤイヤタイプでした(笑)
カップの土を出して飼育ケースに広げ、その上に幼虫を置いてフタをして
そっとしておくことにしました。


夕方、見にいったら土に潜っていました。


**
6日後、サナギになったかな?
土の中から取り出して様子を見てみることにしました。


ケースを斜めに傾けると、隅に土のかたまりが残りました。
砂粒を糸で綴って作ったマユです。


崩さないように慎重に取り出して、そっと裏返してみました。


細い隙間から中を見ると、まだサナギになっていない「前蛹」の状態で
小刻みに体を動かしていました。


お邪魔をしてすみません(^^ゞ
冬眠中に管理がしやすいように、小さな容器へ移して・・・
そっと土の布団をかけて、マユを埋め戻しました。


オレンジ色の容器には、夏に灼熱のアスファルトを歩いているところを拾ってきた
セスジスズメのサナギが入っています。


秋になるまでに羽化すると思っていたけど、ずっと寝たままで冬になりました。
もうダメかもしれないけど、一緒に寝かせておきます。


気温の変化が少ない、北側の窓の外へ置きました。
コガネムシの鉢植えと(笑)
黒いフタのケースには、蝶のサナギなど・・・いろいろ入っています。
春になったらまた、みんなに会えますように。
楽しい夢を見ながら眠ってください(#^.^#)


***
その後、ガガイモの毒について調べてみたら・・・
なんと!葉と若い果実は、食べることができると分かりました。
「アルカロイド」という、毒にも薬にもなる成分が含まれているので
たくさん食べると、頭痛や吐き気、腹痛などの症状が出るけど
少し食べるぶんには大丈夫。
若い果実の天ぷらなんて、めちゃめちゃ美味しいらしいです。
食べた人のブログには「どうしてお店で売らないんだろう?」って書いてあるくらい。
知らなかった~
ヨトウムシには悪い事をしたかな(^^ゞ
来年ガガイモの芽が出てきたら
また育てて、私も実を食べてみたいと思います\(^o^)/

「コウモリガ」のサナギドームと、春の虫さんたち

2021年02月25日 | 蛾の観察や飼育
先日、部屋に大きな蛾があらわれて
名前を調べても分からず
もしかして「コウモリガ」かなぁと思いつつ
外へ逃がしに行きました。


その後、教えていただいて
蛾は「キバラモクメキリバ」だと分かったのですが
キバラさんを逃がしに行った帰り道に
こんなのに出会ってしまいました\(^o^)/


うわ、なにこれ(ll゚д゚)
樹木の病気だと思いましたが、変な突起物がある・・
見覚えのある形!抜け殻?


ドーム状に膨らんだ所を
おそるおそる、剥いてみました。


人工的な合板、ベニヤ板の裏側みたい。


この木は、アカメガシワです。
1本の木に、ドームが二つ形成されていました。


中が見えるように、大きく剥がしてると
木の中心部まで深く、広範囲に侵食されています。
木が枯れてしまうくらいの致命傷です。


帰宅して調べたら・・
なんと奇遇な(笑)
これは「コウモリガ」の抜け殻と
幼虫が作った部屋
サナギドームでした!


穴を塞いでいた「フタ」もありました。
コウモリガは、生まれてから
2年かけて成虫になるそうです。


コウモリガの成虫は
3000粒ほどのタマゴを、飛びながら
地面にまき散らすとのこと(ll゚д゚)
ドーム型の部屋は興味深いけど・・・
うちの庭には来てほしくない虫さんです。

でも、いつか成虫には会ってみたいな(#^.^#)

***
春の日差し。
日だまりでは
いろんな虫の姿が見られました。


菜の花かと思って
土手をおりていったら
大きなギシギシの株でした。


そーっと覗いてみると
居ました!
春一番を告げる小さな虫さん
コガタルリハムシ」です。

葉の上がまるで一つの町みたいで
みんな、色んな事をして
思い思いに過ごしていました(^m^)

キバラさんを逃がした後
捕まえた、謎のせいぶつを(笑)
ケースに入れて帰ってきました




暖かくて
良い一日でした。
ありがとう。
おやすみなさい(#^.^#)

今シーズン出会った蝶と蛾たち

2020年11月02日 | 蛾の観察や飼育
朝晩めっきり寒くなりました。
10月10日を最後に、羽化してくる子がいなくなり
今シーズンの蝶、蛾の飼育はおしまいのようです。

今年は色んな種類の虫たちに出会って
忙しくも楽しい時間を過ごさせてもらいました。


4月の終わり、去年越冬したサナギから
コスズメが羽化しました。



7月、8月にはオオスカシバが!


セスジスズメも居ました!
カッコよかったなぁ(#^.^#)



明日葉軍団キアゲハの羽化は9月の初め。


ルリタテハの脱皮痕は、可愛かった(#^.^#)


9月の終わりから次々に羽化し始めました。


ナガサキアゲハの飼育は初めてでした。
大型蝶の羽化は迫力満点!感動でした。



ホシヒメホウジャクも初の飼育で
金色に輝く姿を見せて貰いました。


まだたった半年くらい前なのに
過ぎ去ってみれば
ずいぶん昔の出来事だったように感じます(#^.^#)


**
キイロスズメは5匹が羽化し
それぞれ新しい世界へ旅立ちました。

育てている幼虫時代のことはブログに書きましたが
羽化していった子たちの、それぞれの姿や(顔はみんな同じなんだけどね(^^ゞ)思い出を
残しておきたくて、写真を整理しました(^^♪

1番目の子がサナギから出てきたのは9月24日。
19日間で成虫になりました。
羽化は夜中の12時でした。
ああ、なんてきれいなんだろう・・・
眠気も吹き飛ぶ美しさです(n´v`n)



長男?それとも長女かな?
オオスカシバなら、触覚に白い筋があるのがオスとか
判別の材料があるのですが
キイロスズメの、雌雄の判別は難しいみたいです。
触覚もペタンと寝てるしね(^^ゞ



2番さんは、9月29日の明け方5時。
羽化まで21日かかりました。
夜中に羽化していたのか「出せー、早く出せー」とバタバタ羽ばたいて
写真はこれ1枚だけで、すぐに飛んで行ってしまいました。


デジカメのフラッシュが自動で点いて
レモン色になっています(笑)


3番さんは、10月3日の朝8時。
羽化まで22日。
翅があと少しで伸び切るか、とういう状態でした。
お天気も良いし、明るい屋外で初めて写真が撮れました。



モフモフです(#^.^#)


お尻も可愛い。


夜行性だから、飛んでいる姿は見た事がないけど
きっとカッコイイんだろうなぁ・・・



元気で生き延びてね。
翅が伸びたら、自分のタイミングで飛んで行ってね(^^)/



**
4番さんは、10月8日の朝9時。
羽化までは25日かかりました。
気温と日照時間の関係で、日数がどんどん伸びていきます。
午後から雨の予報の、肌寒い日でした。
明日も雨が降りそうなので、降る前に放そうと思って
ベランダへ出ました。
4番目の子は、なかなかの美男子?です。



みんな同じに見えるけど、この子の翅は模様が美しくて
幅も広く感じます。



満月みたいに大きな目です!

夜行性の蛾の複眼を「モスアイ」と言います。
複眼の表面には300nm(と言われてもわからないけど)の
微細な突起があって、外から入ってくる光をその突起で何度も屈折させて
光を反射させない仕組みになっているそうです。

このモスアイ構造を、テレビやパソコンのモニターの反射防止に利用しようと
研究開発が進められているのだとか。

わずかな月の光を効率的に目に取り込むため
そして、外敵に自分の位置を知られないようにするため
光を反射させない、目の仕組みを持っているのだそうです。
凄いなぁ・・・
「そんなの、知らんけど」って顔(笑)



この日は気温が上がらず、飛んでいけるか様子を見ていましたが
夕方まで同じ場所にとまっていたので
いったん部屋へ連れて帰りました。



明日も雨だし、台風も接近してるし・・・
色々検索してみたけど、蝶と違いスズメガの成虫に給餌するのは
ほぼ無理のようです。
どうしよか思案していたら、室内で体が温まったのか
夕方には飼育ケースの中で羽ばたき始めました。


行ける?うん。
アイコンタクトで確認して、窓の外でケースを開けると
小雨になった夕闇へ飛んで行きました。


***
5番目の子は、10月10日の夜10時(^m^)
お風呂に入って部屋に戻った時、気配を感じてケースを見ると
こっそりフタの裏に張り付いていました。
えー!羽化しちゃったの?(;´д`)ゞ



先日よりは気温が高くて、寒くはかったけど
来年の春まで眠っていて欲しかったです。



華奢な感じで、女の子っぽい。
可愛いお顔です。



大丈夫?
明日の朝にする?
大丈夫よ。ワタシ夜行性だから(笑)
気を付けて行くんだよ。
オシロイバナとか、すぐそこで咲いてるからね。
先に羽化した友だちにも会えるかも。



お別れの会も短めで
ぽつぽつと灯夜の明かりに向かって
暗い夜空へ飛んでいきました。
モスアイのこと、知った後だったのでちょっと安心でした(^-^)ゝ



****
キイロスズメのサナギは、残り4匹です。


羽化するのは来年の4月くらいかな。
暖かくなるまで、ゆっくり夢を見ていてね。
みんな無事に羽化してくれるといいです(#^.^#)


歩道にいたピコピコさん/セスジスズメの羽化

2020年07月11日 | 蛾の観察や飼育
散歩の帰り道
アスファルトの裂けめに生えている草を食べる
「セスジスズメ」の幼虫を見つけました。


ここは、自転車がたくさん通る歩道なので
家に連れて帰ることにしました。
この幼虫は、歩く時にお尻の角を前後にピコピコ振るので
ピコピコ虫とも呼ばれています(^m^)

葉っぱの上にいるのは、アリに襲われているのを見てしまって
枝から取って持ってきました。
後で調べたら「マイマイガ」のサナギだとわかりました。

帰宅すると、セスジスズメの幼虫が食べていた
ユウゲショウが生えている鉢を、庭から持ってきました。


飼育ケースより居心地が良さそうです(#^.^#)


でも、次の日の朝には葉を食べ尽くして
鉢のヘリで悲しげに丸まっていました。


ユウゲショウは、スズメガの食草なので
種をまいて、庭のあちこちに生やしているのですが
1本の茎についている葉が小さくて
だんだん幼虫の食欲に追いつかなくなってきました。
同じアカバナ科の「コマツヨイグサ」なら食べるかも・・・
そう思って、近所の田んぼへ摘みにいってきました。


ペットボトルのフタに入れたオアシスに茎を挿して
コンパクトなエサ入れを作りました。




最初は食べる様子がなくて、心配しましたが
お腹が減って我慢できなくなったのか、モリモリと食べるようになりました。

このあと3日間、コマツヨイグサを食べさせて
吊り下げる網の中で飼育しました。

***************
家に連れてきてから5日後の朝
葉を食べず、網の上の方に止まったままになりました。
サナギになるのかな?
他のスズメガの幼虫と違って、セスジスズメの幼虫は
サナギになる合図でもある、体の色の変化がないのでよく分かりません


小さな容器に土を入れて、その上に置いたのですが
この前の「オオスカシバ」と同じで、なかなか土にもぐっていきません(^^ゞ

仕方がないので、いつものボウルを出してきて
園芸の土を入れて、その上に置くと
すぐにもぐり始めました!


歴代の「もぐる系」の幼虫たちは、このボウルが大好き(笑)みたい。
すり鉢状になっているのが良いのかな?不思議です。


3日後、サナギを取り出すのに、土を除けると
今回の子は、こんな風にマユを作っていました(^○^)


そーっと剥がします。


小さい容器にマユを埋めなおして


飼育ケースの中へ移動しました。
先にサナギになったオオスカシバの隣へ。


***************
7月1日、「スカシバ先輩」が羽化!


その9日後、7月10日の夜11時半に
寝ようとしたら、飼育ケースの中で
セスジスズメが羽化しているのを見つけました!


サナギになってから、ちょうど2週間で成虫になりました。


手に止まらせて、ケースの外へ出します。


いかにも「高速で飛べます!」みたいな形の翅をしています。
背中にある2本の白い筋が、「背筋雀蛾」という名前の由来です。


スズメガの大きな特徴は、翅の形態と、羽ばたき周波数
それと、空中に停止(ホバリング)できることだそうです。


蝶の羽ばたきが、1秒間に10回前後なのに対し
エビガラスズメで40回、オオスカシバは70回に達するそうです。
自然界では、絶対に見られない角度からの、可愛い表情です(^○^)
この大きな目で、花との距離を保って安定したホバリングができるそう。


小さな後翅は、前羽とリンクさせて
左右一対の翅のように羽ばたきます。
これは飛行能力の高いハエと似る飛び方だそうです。

昆虫の色々な能力を、知れば知るほど
虫たちに対する興味、憧れ、尊敬などが増すばかりです!
なにより、わくわくして楽しい気持ちになります(^^♪

***************
雨が止んでいたので
夜のうちに、外へ放すことにしました。

名残惜しいです。
あのイモムシが
こんなカッコイイ姿に変身するなんて・・
いま、どんな気分か聞いてみたい気がしました(笑)


窓の外に出した手の上で、夜風に吹かれながら
翅を細かく振動させ始めました。


背後から風を受けていたのですが
くるりと向きを変えて、風に乗るようにフワッと飛び立って
空中でまた向きを変えて、闇の中へまっすぐ飛んでいきました。


***************
朝起きると、昨夜のことは夢だったのかな?なんて思えてきたけど
土の上に抜け殻がありました。


やっぱりちょっと寂しいです(笑)

次はマイマイガのサナギが
無事に羽化するのを待ちます(^-^)ゝ

イラガの成虫/ヒロヘリアオイラガ

2020年07月05日 | 蛾の観察や飼育
去年の秋から、7カ月もマユの中で眠っていたイラガが
今年の5月に、やっと羽化して成虫になりました!


2019年10月に、駐車場を歩いていたイラガの幼虫を見つけて
家に連れ帰りました


その日の夜に、マユを作り始めて
次の日の朝には、花火みたいだった体が、ツルンとしたマユの中に収まって
棒切れのふくらみになっていました(^-^)ゝ


それから寒い冬を越え、春がきて、暑いと感じる日もあった5月の中頃・・・
ある朝、目が覚めると、飼育ケースの中に小さな物体が
まるで手品のように、ポツリと現れていました。


え?なに?ああ、そうだ!イラガだ・・・
あなた生きていたのね!なーんて(笑)
嬉しいよりもびっくりして、あたふたしてしまいました(^^ゞ

きれいな色。
ヒロヘリアオイラガ(広縁青毒棘蛾)です。
翅の縁(ふち)の部分が広くて、青いイラガという意味ですね。


脚にもびっしりと毛が生えていますl
「前から見ると相撲取りのよう」とウィキペディアに書いてあったけど
本当に言われてみると、そう見えます(^m^)


それにしても、撫でたいくらい素晴らしい毛並みです。
蛾は気温が低い夜に活動するので
鱗粉よりも毛におおわれているものが多いらしいですが
鱗粉はあるのかな?翅に触ってみれば良かった!
毛が鱗粉の代わりなのかな?謎です。

こんな近くで観察できる機会はないから
じっくり味わいます。

そろそろ旅立ちの時です。
スズメガと違い、イラガは翅を振るわせてエンジンを掛けることはなく
名残惜しい顔もせず(笑)
フワッと、手から離れて、ヒラヒラと飛んでいきました。

******************
ここから脱出するのは、大変だっただろうなぁ・・・
羽化後のマユを見るたびに、2度目の誕生の苦労を思います。
本当はマーブル模様のを期待していたけど
マユの造りは同じでした。


脱出口が、コンパスで描いたような円形なのは
幼虫がサナギになる時に、マユの内側を回転しながら
体にある突起物で、円周に「傷をつけておく」からだそうです!


イラガには、他にもまだ色んな種類がいます。
色がきれいなもの、面白い形をしたものなど
出会いたい幼虫が食べる植物を予習しておいて
今年は違うイラガを、積極的に探して見ようと思います(^-^)ゝ

オオスカシバ羽化!翅が透けて飛び立つまで

2020年07月01日 | 蛾の観察や飼育
庭で見つけて飼育していた、オオスカシバの幼虫
今朝、羽化しました!
午前6時半、まだ翅にクリーム色の鱗粉が付いています。


サナギになってから1週間後に、土からマユを取り出し・・・


小さい容器に入れなおして・・・


他のサナギたちと一緒に
飼育ケースで羽化を待っていました。


土から這い出てくるとき、足場になるように
キッチンペーパーをケースの壁面に貼り付けておいたので
それを伝い、上まで登って翅を広げたようです。


ベランダに行って、ケースのフタをひっくり返して外へ出しました。
高速で飛び回るこの蛾を、こんなにじっくり見られるのは
羽化直後だけなので、一時も目を離さず見つめます(#^.^#)


スズメガは、漢字で「雀蛾」と書きます。
姿形がスズメに似ているからだと思っていたのですが
名前の由来を改めて調べたら「雀のように活発に飛び回るから」だそうです。
端正な顔立ちです。(そう思うのは、蛾が好きだからかな?)


じっくり見つめたので、次は指に乗ってもらいます(^O^)
蝶も蛾も、羽化したばかりは
不思議なくらい、躊躇なく指につかまってきます。


少しでも高い所から飛び立ちたいという、本能からかな。


指先でじっと動かず、前方を見つめています。
何を待っているんだろう・・・
体内で飛ぶ準備が整うのを待っているのかな。


今朝は東の風が吹いていて、翅の鱗粉が
ハラハラと強風に剥がされていきます。


粉と言うより、米つぶみたいな顆粒です。
蝶や蛾にとって、翅についている鱗粉は重要な役割を果たしているのに
オオスカシバは、どうしてそれを捨てて透明な翅を選んだんだろう?
高速で飛ぶためという説があるけど
ホバリングの時の安定感は、鱗粉がある他のスズメガに比べて低くて
空中で完全に静止できず、植物にそっと前脚を添えているそうです(^^ゞ


5分後、肉眼では見えないくらい、細かく翅を振るわせ始めました。
微かな振動だけが、指先に伝わってきて
しだいに鱗粉が落ち、翅が透明になりました!


大きな体に対して、翅はとても小さいです。


そろそろお別れが近づいてきました。
もう一度顔を見せてね(#^.^#)


指の上でチョコチョコッと向きを変えて
黒い毛の生えたお尻の先を、クッと上げ
幼虫時代に体内に溜まった、老廃物を勢いよく排出しました。


そして、今度は翅を振動させるのではなく
力強く羽ばたかせ始めました。


再び、お尻から水分を排出しました。


いよいよ離陸の態勢です。
名残惜しいけど、お別れの時がきました。


脚を蹴り出して、フワッと後ろへ浮いた次の瞬間
前方へ体をひるがえし


空へ飛んでいきました。


*****************
あの子が残していった、ベッドと・・・


脱ぎ捨てた洋服(笑)
毎度のことですが、気が抜けたような、寂しい気持ちになります(^^ゞ


今回のオオスカシバは、かなり大きな幼虫を見つけたので
すぐにサナギになってしまい、その16日後に羽化しました。

飼育(お世話)した~!という実感があまりなかったけど
「初スズメ」が、寄生も事故もなく、無事に成虫になってくれて
本当に嬉しかったです。
庭のクチナシに飛んで来て、また会えたらいいな(#^.^#)

今シーズン初のスズメガ!オオスカシバの幼虫

2020年06月15日 | 蛾の観察や飼育
庭で、鉢植えのクチナシの葉が、毎日誰かに食べられています。
葉だけではなく、先っぽが特に美味しいのか
つぼみも幾つか、半分だけになってきました。


クチナシの葉を食べるのは
「オオスカシバ」の幼虫です。
でも、探してもなかなか見つからなくて
一昨日やっと捕獲することができました(^-^)ゝ
「初スズメ」です(笑)


初スズメ・・・
夏の季語にしてほしいくらい。
スズメガの幼虫を見つけると、夏が来たなぁと感じます(^m^)


今年は、100均の「多目的ネット」という吊り下げる網で
お世話することにしました。
葉を食べつくしてしまうと、こうして網に登っています。
景色を見ている・・・わけではなく、途方に暮れているのでしょうね(^^ゞ


スズメガの幼虫は、あまり神経質ではないみたいで
補充した葉をすぐに見つけて、また、一心不乱に食べ始めます。


ついでに身体測定を(笑)
体長は約6㎝くらいです。
こんなに大きくなるまで、気付かなかったなんて・・・


*************
幼虫のお腹部分にある脚のようなものを「腹脚」(ふくきゃく)といいます。
ぷにぷにと柔らかいのに、物をつかむ力は相当強く
つかまっているものから剥がすときなど一苦労です。
昆虫の種類によって、幼虫の腹脚の数が違うことを最近知ったので
ちょっと確かめてみました。
蝶や蛾は一般的に、5対の腹脚(おしりにある1対は「尾脚」といいます)があります。

これが、4対、3対、2対と昆虫の種別に違っていて
初めて知ったのですが、あの電気虫と呼ばれる「イラガ」には腹脚が無いのだそうです!
今度イラガを捕まえたら、よく観察してみたいと思います(^-^)
*******************

夜、寝る前に様子を見たら、エサの葉っぱをすっかり食べてしまっていて
網の上の方へ登って、拗ねているようでした(笑)


ごめんね~
補充してしばらくすると、網から降りてきてムシャムシャと食べだしました。
赤ん坊は「泣くのが仕事」と言われますが
イモムシって「食べるのが仕事」なんだなぁと、見ていて本当に感心します。


翌朝、起きてすぐに幼虫の様子を確認するのが日課なのですが
昨日とは別人のような、紫色に変色していました。


サナギになる準備が整ったのですね(^^)
以前、飼育ケースに敷いたペーパーを綴って繭を作った子がいたので
もしかして土じゃなくてもいいのかもと、ちぎったティッシュの中に入れてみました。


置かれた場所でモゾモゾするだけですね・・・
う~ん、やっぱり嫌ですか(^^ゞ
次にサラサラの砂を容器に入れて、幼虫をそこへ乗せました。
今度は、ぐるぐると歩きまわるばかりで、一向にもぐる気配がありません。


寝心地の良い、もっと上等な土を用意してよー
なるべく早くお願いね!と言っているかのような(笑)


庭へ出て、園芸用の土を小さなボウルに入れて持ってきました。
そこへ幼虫をそっと置くと


そうそう、これこれ♪
歩き回るのがピタリと止まって・・・


土の中へ頭をつっこんで、もぐり始めました。


体をくねらす度に、どんどん奥へ入っていきます。


もぐり始めるとき、頭を左右に何度も動かしていたので
写真を拡大してみたら、口から糸を吐いて土の粒を綴って、マユを作っているようでした。

だから、サラサラの砂ではダメだったのですね。

あっという間に幼虫の体が土の中に消えていき
シーンとして何にもない、土の入った容器だけになりました。


庭で幼虫を見つけてから、たった3日でサナギになってしまいました。
これでは「飼育」とは言えないけど(笑)
無事に羽化してくれるのを待ちたいと思います(^^)

帰ってきた!「ミノウスバ」の里帰り

2019年11月14日 | 蛾の観察や飼育
今年の春に、庭のマサキを食い散らして旅立った
ミノウスバの幼虫たちが、無事に大人になって(笑)
産卵のために、庭のサマキ(実家)へ里帰りしてきました。
女王蜂は、自分が生まれた場所へ帰って、巣を作ると言われていますが
蛾や蝶も、卵を産むために同じ木に戻ってくるのだと思います。
羽化したてかな?体毛も翅も新品!という感じ。綺麗なオスです。


去年の秋、初めてこの蛾を庭で見つけた時「ミノウスバ」という名前を知り
うちのマサキを毎年、丸坊主にしていたのが
この蛾の幼虫だった事を知りました。
去年のブログ記事を探してみたら、見つけたのが偶然同じ日付でした(^^)

葉をめくると、交尾中のペアがいました。
手前がオスで、くし型の触覚が立派です。


飛んでいる姿を見ると、一瞬「蜂」かな?と思うような
鮮やかなオレンジ色と黒の配色は警戒色?これも擬態なのかも。


別の枝の葉をめくって探すと、メスはもう、せっせと卵を産んでいました。
同じ場所に集まって産卵するのにも、わけがあるのかな。


春に幼虫たちがサナギになるため、ぞろぞろと木を離れた始めた時


その後を追いかけて、繭を作った場所をつきとめておいたのです(笑)


見に行ってきました^m^
こちらは、去年の5月16日の写真。


そして、これが先日のもの。
よそのお宅の外壁ですが、塗装の模様から同じ繭だと分かります。
夏に、ここの家のご主人が、高圧洗浄機を持って外へ出てきて
壁の掃除を始めた時は、心配で心配で・・・
祈る気持ちで、物陰からずっと見守っていたことを懐かしく思い出しました。

外側に張ってあった糸は消えていましたが
半年もの間、雨風からサナギを守り抜く、丈夫な創りに感心しました。

ちゃんと羽化してくれたら良いけど・・・(^^ゞ

庭木にとっては「害虫」なのですが、昆虫観察をしていると
どんな種類の虫でも、どうしても、ひいき目に、親の目で(笑)で応援してしまいます。
幼虫に食べられた後の樹木も、幼木でなければ素晴らしい回復力を持っていて
5月、こんなにスカスカになっても・・・


6月の半ばには、元通りに葉が茂っていました。


「おかえりなさい」
今年も庭で、ミノウスバの観察をしたいと思います(^^)


イラガの幼虫を拾ってきました(^-^)ゝ

2019年10月23日 | 蛾の観察や飼育
昨日、駐車場へ歩いて行ったら、アスファルトの上に鮮やかな黄緑色のものが落ちていました。


なんて幸運(^^♪イラガの幼虫です!


ずっと前から、イラガが繭を作る所を見たいと思っていたので、速攻で捕まえて家に連れて帰りました。


飼育ケースが空いていないので、しばらくはキアゲハのサナギと同居です。
以前、庭のナンキンハゼにイラガがいたので、たぶん食べると思って葉を入れておきました。


夜寝る前、何してるかな?と覗いて見たら、繭を作り始めていました。


ナンキンキノカワガは、左右の両サイドから作り始めて、上を閉じていましたが
イラガは、前と後ろを別々に作っていって、中央で閉じるみたいです。
すでに後ろの方はできていて、せっせと糸を吐きながら、前の部分を作っている最中でした。


たまに頭を突っ込んでサイズを確認しながら?、根気よく糸を絡めていきます。


イラガの体の腹側はスライムみたいな質感で、とても柔らかそうです。
体はどういう造りになっているのかな?・・・胸の部分から頭部を思い切り伸ばした様子がこれで


引っ込めると、ここまでめり込みます(^^)
柔らかい巣の中に、もう1匹のイモムシが住んでいるような感じ!
弾力があって、めちゃめちゃ手触りが良さそうです(笑)


夜遅い時間で、眠くなってしまい、残念ですが観察はここまで(^^ゞ
夜中に目が覚めたらまた見ようと思って、枕元にケースを置いたけど朝までグッスリ寝てしまいました。
翌朝、繭の形は完成していました。


まだ中の緑色がうっすらと見えています。
写真を拡大してみると、黒い毛が繭の表面に付いているのが分ります。
繭にも毒があって、触ると危険なのだそうです。知ってて良かった^^


これから色が変わって、あのよく見るマーブル模様になるのかな・・・
そう思って待ちましたが、午後になると、白から茶色に変わっただけで、模様が出てきません。


調べてみたら、このイラガは「ヒロヘリアオイラガ」という種類で
繭の色は茶色っぽい、こんな色のようです(´A`)
私が見たいと思っていたのは、イラガ、という種類の繭でした。

年内に羽化するのか、このまま越冬なのか分らないけど
また一つ「イラガの繭作りが見たい!」という願いが叶って、嬉しかったです(#^.^#)