近所の田んぼであぜが一部崩壊して、そこから水が流れ出していました。
農道の端がずっと向こうまで小川になっていて、やがて川の土手へ排水されるようになっています。
水の中を覗いてみると、数匹のオタマジャクシや小さな水生昆虫たちが泳いでいました。
可哀そうに、カエルになるまで土手へ流されないといいけど・・・
そう思いながら歩いていると、えっ?カブトエビだ!なんでここにいるの?
翌日は大雨の予報だったので、増水した小川で流されてしまう前に捕まえることにしました。
ぬかるみに靴がめり込んでいきます(´A`)
中腰でゆっくり歩きながら水の中を覗き込み、2往復して3匹のカブトエビを掬い取りました。
オタマジャクシはすばしっこく逃げ回りましたが、頑張って捕まえて
ゆらゆら泳ぐホウネンエビもいました。
それにしてもこのカブトエビ、すごく大きい!
うーー、飼いたい・・・けれど
今は部屋にいろんな昆虫がいて、ちゃんとお世話ができそうもないので
また流されていかないように、田んぼの反対側に逃がすことにしました。
急な土手を、片手に飼育ケースを持って、もう片手で草を掴み
ここで転んで田んぼに頭から突っ込んだら、笑えないと思いながらなんとか土手を降りて
ケースの中からカブトエビを取り出し、静かに水の中へ放します。
オタマジャクシたちは一目散に逃げていったけど、カブトエビはじっと動きません。
嬉しいことに、素敵な姿を写真に撮らせてくれました(#^.^#)
*
2020年に屋外でカブトエビを飼育したことがあるのですが、それよりも前に
部屋で飼って、間近に見て観察したのを思い出しました。
うちに帰ってから写真を探してみたら、ありました!
6年前に近所の田んぼへ網をもって出掛けて、カブトエビを捕まえている
懐かしい写真がでてきました(^m^)
エビだけど後方向へは逃げないので、頭のほうから網を近付けていき
一気に泥といっしょに掬います。
カブトエビには3個の目があって、2個の大きな目は昆虫などと同じ複眼で物を見ることができ
中央の小さな目は明るいか暗いのか、光だけを感知するそうです。
笑ってるような顔に見えますね。
同じ田んぼに、たくさんのホウネンエビもいました。
ひと掬いしただけでこんなに。
家に帰ってしばらくすると、水中の浮遊物が沈んで水が澄んできました。
水中を漂うクラゲのようで、音のない幻想的な光景です。
ホウネンエビの体は本来透明なのですが、エサとして体内に取り入れたクロレラなどの色素で
体色が緑にみえているそうです。
この子は卵の袋を持っています。
ホウネンエビのことを調べていて今回面白いなと思ったのが
カブトエビは泥を巻き上げ、水田の雑草の生育を抑える役割があるのですが
ホウネンエビは「役に立つことを何もしないし、害になることも何もしない」のだそうです。
田んぼに水が入ると発生して、ゆらゆら泳ぎ産卵をして1ヵ月程で寿命を迎える生きもの。
でも、役に立っていないのは人間にとってだけで、生命の環の中できっと何かの役目を果たしているのでしょうね。
ホウネンエビはしばらく観察して、田んぼに放しにいきました。
**
大き目の飼育ケースを用意して、底にドジョウ水槽に使っている川砂を敷きました。
ペットボトルに汲んできた田んぼの水を入れて、カブトエビを静かに放しました。
少し落ち着いたところで、ベランダへ持って行って写真を撮りました。
カッコイイな~
この角度から見られるのが室内飼育の嬉しいところです。
ちょっとだけ失礼して、裏側を見せて貰います。
カブトエビの脚って、何本あるんだろう?
数えようと思っても上手くいかないので調べてみました。
結果は・・・約40対以上!全部で80本くらいあるとのことでビックリしました。
胸の部分に付いている脚を「歩脚(ほきゃく)」といって、歩いたり土を掘ったりするときに使います。
お腹部分にある脚は「鰓脚(さいきゃく)」で、魚のエラのように酸素を供給する働きがあります。
カブトエビの脱皮は、複雑な形をしている歩脚や鰓脚まできれいに脱げています。
脱皮痕を水から上げると、脚の部分は弱くて崩れてしまいますが
甲羅はこんなにきれいな形で残っています。
カブトエビの寿命は約1ヵ月ですが、その間になんと約20回も脱皮して成体になり
産卵して短い一生を終えます。
このカブトエビは雌雄同体で、メスだけでも卵を産むそうです。
***
ケースの中に石で隠れる場所を作って、水草を浮かべました。
水の量はこれくらいですが、とにかく水が汚れやすいので
食べ残したエサはスポイトで吸って取り除きます。
水替えはコップに1杯ずつくらい、毎日しました。
餌が足りないと共食いするし、すぐに水が汚れるし
脱皮する度に失敗しないか心配だし(^^ゞお世話は結構大変な生きものです。
でも、この姿を見ているだけで楽しい気持ちになります。
そういえば・・・と思い出し、前年にカブトエビを飼っていた時の砂を持ってきました。
もしかしたら卵が産んであるかもしれないと思い、保管してあったものです。
ちょっと失敗だったのが、カブトエビの卵がこの砂と同じオレンジ色だったことです。
底に敷く砂はオレンジ色は避けた方がいいです(笑)
水を入れて2日後には孵化するらしいのですが、孵化したては1mmしかないので
しばらくは見つからないと思っていたら、見つけちゃいました!
オレンジ色の丸い卵も見えます。
10日後、もう1センチくらいに成長しました。
残念ながら、この1匹しか孵化しませんでしたが、卵は数年間孵化しないものもあるので
また砂を乾かして保管しておこうと思います。
チビちゃんは別の容器で飼育して、6月半ばにはカブトエビの短い観察期間を終えました。
田舎なので、こうして身近に生き物を観察する機会に恵まれていますが
いつの頃からか、あぜの草取りが除草剤に変わったりしているのが心配です。
いつまでもカブトエビが暮らせる田んぼであって欲しいと思います。
ブログを書きながら当時のワクワクした毎日を思い出し
6年間の出来事が昨日のことのようで、とても楽しかったです(#^.^#)
農道の端がずっと向こうまで小川になっていて、やがて川の土手へ排水されるようになっています。
水の中を覗いてみると、数匹のオタマジャクシや小さな水生昆虫たちが泳いでいました。
可哀そうに、カエルになるまで土手へ流されないといいけど・・・
そう思いながら歩いていると、えっ?カブトエビだ!なんでここにいるの?
翌日は大雨の予報だったので、増水した小川で流されてしまう前に捕まえることにしました。
ぬかるみに靴がめり込んでいきます(´A`)
中腰でゆっくり歩きながら水の中を覗き込み、2往復して3匹のカブトエビを掬い取りました。
オタマジャクシはすばしっこく逃げ回りましたが、頑張って捕まえて
ゆらゆら泳ぐホウネンエビもいました。
それにしてもこのカブトエビ、すごく大きい!
うーー、飼いたい・・・けれど
今は部屋にいろんな昆虫がいて、ちゃんとお世話ができそうもないので
また流されていかないように、田んぼの反対側に逃がすことにしました。
急な土手を、片手に飼育ケースを持って、もう片手で草を掴み
ここで転んで田んぼに頭から突っ込んだら、笑えないと思いながらなんとか土手を降りて
ケースの中からカブトエビを取り出し、静かに水の中へ放します。
オタマジャクシたちは一目散に逃げていったけど、カブトエビはじっと動きません。
嬉しいことに、素敵な姿を写真に撮らせてくれました(#^.^#)
*
2020年に屋外でカブトエビを飼育したことがあるのですが、それよりも前に
部屋で飼って、間近に見て観察したのを思い出しました。
うちに帰ってから写真を探してみたら、ありました!
6年前に近所の田んぼへ網をもって出掛けて、カブトエビを捕まえている
懐かしい写真がでてきました(^m^)
エビだけど後方向へは逃げないので、頭のほうから網を近付けていき
一気に泥といっしょに掬います。
カブトエビには3個の目があって、2個の大きな目は昆虫などと同じ複眼で物を見ることができ
中央の小さな目は明るいか暗いのか、光だけを感知するそうです。
笑ってるような顔に見えますね。
同じ田んぼに、たくさんのホウネンエビもいました。
ひと掬いしただけでこんなに。
家に帰ってしばらくすると、水中の浮遊物が沈んで水が澄んできました。
水中を漂うクラゲのようで、音のない幻想的な光景です。
ホウネンエビの体は本来透明なのですが、エサとして体内に取り入れたクロレラなどの色素で
体色が緑にみえているそうです。
この子は卵の袋を持っています。
ホウネンエビのことを調べていて今回面白いなと思ったのが
カブトエビは泥を巻き上げ、水田の雑草の生育を抑える役割があるのですが
ホウネンエビは「役に立つことを何もしないし、害になることも何もしない」のだそうです。
田んぼに水が入ると発生して、ゆらゆら泳ぎ産卵をして1ヵ月程で寿命を迎える生きもの。
でも、役に立っていないのは人間にとってだけで、生命の環の中できっと何かの役目を果たしているのでしょうね。
ホウネンエビはしばらく観察して、田んぼに放しにいきました。
**
大き目の飼育ケースを用意して、底にドジョウ水槽に使っている川砂を敷きました。
ペットボトルに汲んできた田んぼの水を入れて、カブトエビを静かに放しました。
少し落ち着いたところで、ベランダへ持って行って写真を撮りました。
カッコイイな~
この角度から見られるのが室内飼育の嬉しいところです。
ちょっとだけ失礼して、裏側を見せて貰います。
カブトエビの脚って、何本あるんだろう?
数えようと思っても上手くいかないので調べてみました。
結果は・・・約40対以上!全部で80本くらいあるとのことでビックリしました。
胸の部分に付いている脚を「歩脚(ほきゃく)」といって、歩いたり土を掘ったりするときに使います。
お腹部分にある脚は「鰓脚(さいきゃく)」で、魚のエラのように酸素を供給する働きがあります。
カブトエビの脱皮は、複雑な形をしている歩脚や鰓脚まできれいに脱げています。
脱皮痕を水から上げると、脚の部分は弱くて崩れてしまいますが
甲羅はこんなにきれいな形で残っています。
カブトエビの寿命は約1ヵ月ですが、その間になんと約20回も脱皮して成体になり
産卵して短い一生を終えます。
このカブトエビは雌雄同体で、メスだけでも卵を産むそうです。
***
ケースの中に石で隠れる場所を作って、水草を浮かべました。
水の量はこれくらいですが、とにかく水が汚れやすいので
食べ残したエサはスポイトで吸って取り除きます。
水替えはコップに1杯ずつくらい、毎日しました。
餌が足りないと共食いするし、すぐに水が汚れるし
脱皮する度に失敗しないか心配だし(^^ゞお世話は結構大変な生きものです。
でも、この姿を見ているだけで楽しい気持ちになります。
そういえば・・・と思い出し、前年にカブトエビを飼っていた時の砂を持ってきました。
もしかしたら卵が産んであるかもしれないと思い、保管してあったものです。
ちょっと失敗だったのが、カブトエビの卵がこの砂と同じオレンジ色だったことです。
底に敷く砂はオレンジ色は避けた方がいいです(笑)
水を入れて2日後には孵化するらしいのですが、孵化したては1mmしかないので
しばらくは見つからないと思っていたら、見つけちゃいました!
オレンジ色の丸い卵も見えます。
10日後、もう1センチくらいに成長しました。
残念ながら、この1匹しか孵化しませんでしたが、卵は数年間孵化しないものもあるので
また砂を乾かして保管しておこうと思います。
チビちゃんは別の容器で飼育して、6月半ばにはカブトエビの短い観察期間を終えました。
田舎なので、こうして身近に生き物を観察する機会に恵まれていますが
いつの頃からか、あぜの草取りが除草剤に変わったりしているのが心配です。
いつまでもカブトエビが暮らせる田んぼであって欲しいと思います。
ブログを書きながら当時のワクワクした毎日を思い出し
6年間の出来事が昨日のことのようで、とても楽しかったです(#^.^#)