風に乗って♪

自然観察が趣味の主婦です。おもしろそうな事は何でもやってみたくて、好奇心のおもむくまま暮らしています。

ウサギ耳御一行さま、ふたたび。

2023年10月15日 | 蝶の観察や飼育
庭で育てているジュズダマの葉に
2匹のクロコマノチョウの幼虫がいて
その子たちが蝶になって旅立ってから、わずか3日後の朝
水やりの時に、ジュズダマをふと見ると・・・
え?なんでまだいるの?


前に見つけた2匹と一緒に生まれた兄弟?
一瞬そう思いましたが
この子はまだ終齢前の黒いお面をつけています。
見つけた3匹を部屋につれてきました。
夕方にも1匹発見して、ぜんぶで4匹になりました(^^ゞ


2日後には、各自思い思いの場所で脱皮をしました。
幼虫の脱皮時には、体を固定するための「糸座」というものを作ります。
この子は飼育ケースの壁面を選んだようです。
裏側から見ると、かなり広範囲に糸を張り巡らせているのが分かります。


1時間半後、脱皮が完了しました。
糸座に抜け殻を固定して前進することで
スムーズに殻を脱ぐことができるそうです。
黒ウサギのお面もカパッと外れています(^m^)


4匹とも、無事に終齢幼虫になりました。



翌朝、水まきしながら
この子たちがサナギになるまでエサの葉は足りるかなぁ
なんて思っていたら・・・
なんと!また見つけてしまいました。
数日前、あんなに葉の裏をよく見ても居なかったのに、どうして?
3匹追加になりました(ll゚д゚)


そして夕方、もう1匹の子と目が合って(笑)
幼虫は8匹になりました。
成長具合が同じなので
たぶん一緒に産卵された兄弟でしょう。
お母さんは、最初の2匹と同じかな。


**
前回、飼育が2匹だった時は
エサの葉もそれほど食べないし
大食いのスズメガに比べたら楽勝!と思っていたのですが
さすがに8匹となると、夜に入れた葉が朝には葉脈だけになっていて
「お腹空いた~、ご飯はまだか~」の圧力が凄い(^^ゞ
そこで、試しにイネ科の植物の葉を何種類か与えてみることにしました。
結果は、ススキはよく食べるが葉の面積が小さいので、すぐ無くなる。
チジミザサは大量に庭にあるけど、それほど好きではないみたい。
その他、ヌカキビやエノコログサは、葉の上に乗るには柔らか過ぎるのか
不人気で、誰もかじりませんでした。


うちに来て約10日後、4匹が揃って前蛹になりました。
誰がいちばん長くぶら下がっていられるか!
腹筋自慢のようで、可愛らしい光景です(^m^)


サナギになって9日後、ぶら下がった中の1匹に
羽化の兆候が現れました。


同じ日の午前中、ススキの葉の葉脈でサナギになった子と


どうしてフタ裏を選ばなかったのか?
飼育ケースの壁面でサナギになった子が
同じタイミングで黒く変色していました。


その日の夕方、5時頃に3匹とも羽化しました。


サナギから出てくるところを見たくて
午後からも見張っていたのですが
夕方の忙しい時間に、みんな羽化していました(^^ゞ


きれいなメスです。


庭の奥の、日陰で湿っぽい場所に3匹を放しにきました。


ケースのフタを取ると、蝶が歩いて出てきます。
羽化したばかりなので、まだボンヤリしているのです(^m^)


クロコノマチョウは成虫で冬を越します。
チジミザサに止まって、こちらをみている子に
これから来る寒い季節を想って
どうか無事でね、とお別れを言いました。


***
3羽を見送った2日後
ぶら下がった残りのサナギ3匹と・・


割りばしの子が黒くなりました。


今回も1匹、サナギになる時に落下した子がいて(^^ゞ
前の時と同じように、ボンドでくっ付けて割りばしにぶら下げました。


でもこのサナギ、左右対称でなくていびつな形をしているのです。
大丈夫かな?
羽化不全も覚悟していたのですが


仕事から帰って急いで部屋へ行ってみると
無事に羽化していました!


サナギから出てきたら、カーテンに移動できるようにセットして
出掛けたのですが、上手く羽化できて本当にホッとしました。


指を出すと、迷いもせずスッと乗ってきます。
蝶や蛾、もしかしたら他の昆虫も羽化したばかりのときって
翅のある新しい体と、幼虫時代の記憶がごちゃ混ぜになって
ボーっとしているのかもしれないです(^m^)


翅のふちを指先でそっと触ると
そこがスイッチかのように翅をパッと開いて
美しい模様を見せてくれます。


この日羽化した4匹は、雨が降っていたので一晩お泊りで
翌朝庭に放しにいったのですが・・・
もうボーっとしてはいず、フタを開けた途端
一目散にみんな飛んで逃げていきました(^^ゞ

****
残るのは、飼育ケースの壁面でサナギになった2匹のうちの1匹です。


夕方6時頃、翅の部分だけ薄っすら茶色になってきました。


6時間後、夜中に撮った写真を見てみると
翅の目玉模様が浮き出ているように見えます。
この子はメスかな?


翌日今度こそは、羽化の瞬間を!
見守って(見張って)いたのですが
ちょっと目を離した隙に・・・


残念ながら今回も見逃しました。
8匹もいたのに、一回も羽化の瞬間が見られませんでした。
でも、無事に羽化してくれて良かった(#^.^#)
網戸に止まらせて、翅をそっと触ると・・
きれいな目玉模様、やっぱりメスでした。


庭に放しにきました。


先に羽化した蝶がまだ庭にいるようです。
この子も仲間に入れるかな。


今まで出会ったことがなかった蝶を
身近に観察することができて
とても楽しい時間を過ごせました。


ジュズダマは最盛期を過ぎてきましたが、
葉で蝶を養って、きれいな実をつけました。
芽生えからずっと私を楽しませてくれて
感謝です(#^.^#)


以上、クロコマノチョウの観察記録でした。
長くなりましたが、最後までお付き合いくださって
ありがとうございました(#^.^#)
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

クロコノマチョウ、色々あったけど無事に羽化しました!

2023年09月20日 | 蝶の観察や飼育
8月に庭のジュズダマにいた
クロコノマチョウの幼虫2匹の
飼育観察記録です。
脱走して負傷、サナギが落ちる(ll゚д゚)などなど
色々あったので、お話しがちょっと長くなります(^^ゞ


8月の終わり頃、いつものように食草を替えて
ふと飼育ケースを見たとき・・・
あれ?顔が二重になってる。


しばらくするとポロンと、お面が外れて・・・


黒ウサギが、違う顔の子になりました(^m^)


脱皮したようです。
調べてみると、クロコノマチョウの終齢は5齢だそうです。
最後の脱皮で終齢幼虫になりました。


見た目が変わっても、仲良しきょうだい(#^.^#)


脱皮したお面をよく見ると、造形が素晴らしいです。
細い毛の部分まで脱いでいます。
これは裏側。


表側も面白い。


こうなると、この幼虫の「本当の顔」って、どんなだろう?
目と口はどこにあるのか?知りたくなり
デジカメで接写したり、虫メガネで拡大して見たりしましたが
どうしてもわかりませんでした。
いまだに謎です。


2匹目の子も脱皮して、惜しげもなく
うさぎ耳のお面を捨て、葉っぱを食べています。



可愛すぎて、いつか捨てるけどちょっとだけ保管(^m^)


見ていて癒されるほど、仲良し(に見える)です。


食草の乾燥を防ぐため、水を含ませた綿に葉の根元を包んで
瓶に挿してみました。


食草を替えるたび、葉に付いた水滴を舐めとっているように見えます。
幼虫は水を飲むのでしょうか?
観察していると、洗った食草の表面を舐めるような動作は
アゲハチョウ、スズメガなど、どの種類の幼虫にも共通しています。



この日、事件が起きました。
私の部屋は温度が高すぎるので、飼育ケースのフタを
通気性の良いものに工夫しているのですが・・・
フタが動かないように重石を置いてなくて・・・
不注意から幼虫に脱走されてしまいました。
天井から壁、部屋中探したけど見つかりません。
どこかでサナギになって、いつか羽化して飛んでくるのを待とうと思って
扇風機をつけてパソコンに向かった途端、微かな異音が・・・
キャーーーーー!!扇風機の中に幼虫が!
背筋が凍りました(ll゚д゚)
コンセントを抜いて、急いで取り出すと・・・
片方のうさぎ耳が切断されて無くなっていました。


どうしよう。
体液が流れ出ないように、水絆創膏で処置しようかと考えましたが
様子を見ていると、なんだか大丈夫な感じ。
食草に戻すと、普通に葉を食べ始め、ホッとしました。


大冒険の顛末を、きょうだいに語っているようにも見えます。
今回は不幸中の幸いでしたが、飼育には責任があることを忘れてはいけないと
あらためて思った出来事でした。


**
脱走から2日後、片耳になった子が
フタの裏でサナギになる態勢に入りました。
耳(みたいに見える)部分は、何の役目を果たしていたのか
無くしてしまって、成虫になる時に影響はあるのか、とても心配です。


8時間後、その日の夜にきれいなサナギになりました。


サナギの下に落ちていた抜け殻です。
可哀想にケガしたとき、痛かったかな。
でも、自然界では見ることが難しい、こんな可愛らしいものを
手に取って見せて貰えるのは嬉しいことです(#^.^#)


2日後の午前9時頃、2匹目の幼虫が前蛹になりました。
この子は、食草の葉の葉脈にぶら下がっています。


お昼2時頃、部屋に様子を見に行くと
キャーーー!!
落ちてる、どうして?どうしよう└(゚ロ゚;)┘


アゲハ蝶などの、腰(じゃないけど)を糸で固定するタイプのサナギが落ちるのは
何度か経験していますが、ぶら下がるタイプは経験がまだ浅く
ネット検索した結果、ボンドでくっ付ける方法を試してみることにしました。
必ず「水溶性の接着剤」を使用すること、とのことです。
木工用ボンドがなかったので、手芸用を使いました。


毛糸(ボンドがよく絡む)に少量のボンドを塗り
落ちてしまったサナギの突起をチョンッと差し込みます。
そのまま数時間、ボンドが透明になるまで置いておき・・・


完全に乾いたら、毛糸を割りばしに結び付けます。


羽化の兆候が見えるまでは、少し浮かせる状態で
飼育ケースに入れておきました。


まさか自分が落ちるなんて、思っていなかっただろうに・・・
自然界でも、運がよければ落ちたままでも羽化できるそうですが
人生いろいろ、虫の運命もいろいろありますね。


***
片耳ちゃん、サナギになってから9日目の朝に
昨日まで黄緑色だったサナギの色が、茶色に変わっていました。


数日のうちに羽化するのかな?と思っていたところ
なんと、1時間半後に、蝶がサナギの殻にぶら下がっていました\(^o^)/
アゲハチョウはサナギが変色してから羽化まで2日くらいかかったのに
早い羽化に驚きました。


コーヒー色?
クロコノマチョウの成虫を見るのは初めてです。
地味な蝶のイメージでしたが、じっくり見るととても美しいです。


黒木間蝶(くろこのまちょう)
ジャノメチョウの仲間です。
薄暗い森林でよく見られて、人家周辺ではあまり見られず
木間(このま)とは、木と木の間という意味だそうです。
網戸に止まらせたら、翅を開いてくれました。
派手さは無いのだけど、魅入ってしまうくらいきれい。


庭へ連れてきました。
光の加減で翅の色が違って見えます。


ジュズダマの密集地では飛んでいる時に葉と接触してしまうので
一株ぽつんと離れた所に生えている株に産卵するそうです。
だからうちに来てくれたのかな?


指に乗ってくれました。
うさ耳が片方無くなっても、問題なく蝶になれて良かったです。
短いお別れ会のあと、庭の植木の中へ飛んでいきました。


****
落ちてしまったサナギも、そろそろ羽化すると思い
飼育ケースのフタにワイヤーで括りつけました。
その日の夜にはサナギの色が変わってきました。


翌日の朝8時、2匹目が羽化しました。


1匹目の子と何だか翅の模様が違うような気がするけど
オスとメスの違いかな?


とにかく、みんな無事に羽化してくれて良かったです。
脱走や、ボンドでくっ付けたときのドキドキを思い出して
しみじみそう思いました(^m^)


庭のジュズダマは、日増しに果実が熟して茶色になってきましたが
まだまだこれから咲く花もあって、もう少しの間楽しく観察できそうです。
果実の収穫も楽しみ。


以上、いろいろあったクロコノマチョウの観察記録でした。
長いお話にお付き合いくださって
ありがとうございました(#^.^#)
コメント (16)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒメウラナミジャノメと、ヒメジャノメが羽化しました

2022年06月15日 | 蝶の観察や飼育
いま少しずつ、ブログのカテゴリーを細かく分ける作業をしています。
理由は、昔のことを忘れやすいので、見たくなった時にすぐに記事を探し出せるようにと
種をまいた植物の成長を記録するのに、どこまで書いてあるかわかりやすくしたいからです(^-^)ゝ
今日は「蝶を育てたり観察したり」というカテゴリーの中身を蝶の種類別に仕分けをしていたら
え?これなんだったけ?という記事が出てきました。
それは、庭で偶然見つけた「ジャノメチョウ」の幼虫を飼いだしたというお話でした。
その後の記録がスッポリと抜けていて、我ながらおどろきました(^^ゞ
2匹とも無事に羽化したことを、2年越しですが(^^ゞ書いておきたいと思います。


2020年5月、庭で茶色い長細い幼虫をみつけました。
初めてみるタイプのイモムシなので、いろいろ調べたらジャノメチョウの仲間
「ヒメウラナミジャノメ」という名前の蝶の幼虫でした。


写真に上手く撮れず・・・これか一番可愛らしい顔です(^^ゞ


数日後、同じように庭で草取り中、また猫顔の幼虫を発見!


これは可愛い♡
顔の角度が変わっただけでも、可愛い(#^.^#)
「猫 顔 幼虫」で検索したらすぐに分かりました(笑)
「ヒメジャノメ」の幼虫でした。


食草はイネ科の植物で、うちの庭に生えている縮笹(チジミザサ)を食べていました。


チヂミザサはとても丈夫な植物で、ちぎってきて幼虫にあげて数日後
新しい葉と取り換えるとき見ると、根っこが出ているほどです。


**
茶色い子が「ヒメウラナミジャノメ」(姫裏波蛇目)の幼虫で
緑色の子が「ヒメジャノメ」(姫蛇目)です。


緑色のヒメジャノメの幼虫は、なんで顔だけ茶色なんでだろう?
ネコの顔をした可愛らしい姿が、この幼虫の生き残る戦略とは思えないけど
ゆるキャラみたいな愛らしさです。


体の裏側を見せて貰うと、アゲハチョウやスズメガの幼虫とはちょっと違っていました。
腹脚が5対あるのは蝶類の特徴ですが、とても小さくて体内に収納されている感じです。
胸にある3対の脚もポツポツと小さいです。


食草がイネ科の植物の葉なので、エサを食べるとき
薄い葉をつかみやすいようになのかな。


エサを食べているかと思えば、たまに飼育ケースの中を徘徊しています。
何をしているんだろう?


サナギになる場所を探しているような感じもするけど、自然界でも下見とかしてるのかな(^^)
昆虫は飼育してみると、なぜどうして?という疑問がたくさん出てきます。



庭で幼虫を見つけてから1週間後の夜10時に
茶色い子「ヒメウラナミジャノメ」がサナギになる準備を始めました。
幼虫の頃に下見をしていたフタ裏にぶら下がりました。


ジャノメチョウはぶら下がるタイプの蛹、「垂蛹」だったのですね。
2日後に茶色いサナギになりました。


一日遅れて緑色の子「ヒメジャノメ」も前蛹になり・・・


とても綺麗なレモン色の蛹になりました(#^.^#)


**
蛹化してから9日後、5月23日の朝、レモン色だったサナギが茶色くなって
蛇の目模様が浮き出ていました。


その日のお昼、ヒメジャノメが羽化しました\(^o^)/


薄暗い庭でたまに見かける蝶ですが、こうして間近に翅の模様を見てみると
アゲハ蝶などとは違って色彩は地味なんですが、くっきりと浮かび上がった目玉模様が
何とも言えない存在感があります!
翅の裏にある真っ直ぐな白い帯が、ヒメジャノメの特徴だそうです。


初めてのジャノメチョウが、無事に羽化してくれてホッとしました。


ヒメウナミラジャノメの茶色い蛹も黒くなってきて・・・


同じ日の夕方6時半に羽化しました。


ボーっとしているところを、手に乗せて写真を撮らせてもらいます(^m^)
小さな蝶です。


裏翅にあるこの「波模様」が名前の由来で、下翅には蛇の目模様が5個あります。
ちなみに、名前にヒメがつかない「ウラナミジャノメ」という種類もいて
その蝶は下翅の蛇の目模様は3個だそうです。
じゃあ、ヒメがつかないただの「ジャノメ」というのもいるのかと調べたら
なんと「コジャノメ」がいて、なんともややこしい蝶々さんです(笑)


2匹とも、庭の見つけた場所に放しました。
ジャノメチョウにいろんな種類があることを今回初めて知って
これからどこかで出会った時は、模様をみて名前がわかるかなと楽しみです。
そう思っていたら、2日後に庭でジャノメチョウを見かけました。
えーっと、この子は・・・波模様に下翅の目玉が5つ!
ヒメウラナミジャノメですね。
うちで羽化した子かな(#^.^#)


偶然みつけた幼虫を育てられて、とても楽しい体験ができました。
今年もネコ顔の子に出会えないかなと
庭で水まきをする度、虫の目で葉っぱの裏を探しています(^m^)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

謎の物体を見つけたら蝶のサナギだったので、羽化まで観察してみました

2022年05月29日 | 蝶の観察や飼育
散歩中、細い道を歩いていたら前から車が来たので、よけるために道の脇へ入りました。
そして、何気なく顔を上げたとき、目の前の茂みにぶら下がるヘンテコな物体が目にとまりました!
「な、な、なんだコレ~~~」


背伸びしてギリギリ手が届く位置の、ササの葉の上です。


そこは田んぼの畔沿いで、竹やぶにフジのツルが巻き付いた、うっそうとした茂でした。
よく見つけたなと我ながら驚きましたが、これ自体が「ヘンテコオーラ」を出していたのかもしれません(笑)


正体を知っている方にとっては、ああ、これね~と、すぐに何か分かるのでしょうが
初めて見る謎の物体、生きものなのか、人工物なのかもわからないくらい異様な姿でした。
でも、好奇心には勝てない。怖いけど、持って帰ろう。


急に動き出したらどうしよう?と思いつつ、ササの葉を切って、そーっとうちに持ち帰りました。



「ササの葉 虫」「緑色 丸い」とか、色々なキーワードで調べたら
やっと画像がヒットしました!
この緑色の物体は蝶のサナギでした。
蝶の名前は「ウラギンシジミ」(裏銀小灰蝶)、翅の裏が銀色の小さなシジミチョウの仲間です。

まさか、蝶のサナギだったとはびっくりしました!
大きさは約15mm、背中にポツンとある黄色っぽい模様は「スペード」の形だと言われていました。
言われれば、そう見えるけど(笑)
光の加減で黄緑色や濃い緑色に見え方が変化します。



5月20日、飼育ケースに足場を作って、羽化するまで観察してみます(^^♪


5月26日、毎日見てるけど、色形ともにまったく変わりなしで
新鮮な緑色のまま、6日がすぎました。


それが翌日、サナギの色が一気に黒く変色しました!
羽化する日が近いのかも。
5月27日午前9時。


もう一度、お昼に見たら透けるような感じになっていて・・・


そして午後2時、あれ?サナギの色が白くなってる!
一瞬わけが分からず、視線を横にずらすと・・・
キョトンとした顔の(笑)蝶がいました。


毎日こんなに見てたのに
一瞬の隙をついて、なんで見ていない間に出ちゃうの?(´A`)
羽化するところが見たかったなぁ

綺麗な子です。
屋外でチラッと見かけると、翅は一面銀色に見えるけど実はこんなに複雑な翅脈があるんだ。
ゴマ塩のような点も散りばめられています。


自然界では絶対に見られないアングル(笑)
笑っているみたいですね。


羽化したてで、無防備なのをいいことに
指の上でリンゴのすりおろしをあげてみました(^m^)


生まれたての新品の口吻を伸ばして、甘い汁を吸っています。
チワワに似てる?(笑)可愛いです。


ウラギンシジミは、オスとメスとで翅の模様が違い
雄は鮮やかなオレンジ色、メスは涼やかな空色をしています。
この子はどっちだろう?
確認したいのに、なかなか・・・絶対に翅を広げてくれません。

夏型のウラギンシジミは、めったに翅を広げないと、ネット情報にありました。
そこで、甘い汁を吸っている間に、一瞬撮れた写真の明るさを調節してみると
空色が微かに見えてきました。女の子かな(#^.^#)


**
蝶が出て空になったサナギは白くなっていました。
背中がY字型に割れて、あのスペード模様も消えていました。


ササの葉から剥がしてみました。


よーく見ると、今まで見てきた蛾のサナギと形が似ています。
写真の上側が頭でなのですが、両サイドに翅、中央にまっすぐのびた口吻の形。
あーあ、ホントに出てくるところが見たかった!
サナギが黒くなったら、数時間後に羽化するのを今後の観察のために覚えておきたいです。


***
夕方、サナギが居た場所へ、蝶を放しにいきました。


こんなに離れない子も珍しいというか
ウラギンさん、甘えん坊なの?(笑)


最後まで翅の模様は見せてくれなかったけど
サナギって、色んな形があるんだよと教えてくれた出会いでした。
それから、ササの葉でサナギになっていたけど、ウラギンシジミの食草はササではなく
マメ科の植物の花とツボミだそうです。
この子は幼虫時代にフジの花を食べてサナギになったようで、フジの葉の上にそっと放してきました。


出会いはいつも本当に不思議です。
マメ科の植物のクズの花が咲く頃、今度は幼虫を探して見たいと思います(^^♪
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

キアゲハと、セスジスズメと、寄生バエ、冬を越して羽化するのは誰?

2022年04月15日 | 蝶の観察や飼育
去年の秋遅くに、庭の明日葉には大量のイモムシがいました。


「キアゲハ母さん・・・何でこんなに遅くタマゴを産んだの?」
色んな事情はあるのでしょうが、10月になってから100匹近いキアゲハの幼虫が
明日葉の上で葉をかじっている状態になりました。
この時期に幼虫なら、この子たちはみんなサナギで越冬するでしょう。
部屋に保護したいけど数が多すぎます。
2021年10月8日の朝。


それが、日を追うごとにどんどん幼虫の数が減っていきました。
最初はどこかでサナギになっているのかと思ったのですが
見るたびに、減り方が凄まじいのです。
鳥に食べられているのか?それともアシナガバチ?
あっという間に5匹にまで減ったので、飼育ケースに入れて部屋へ持ってきました。


10月14日、前蛹になり、みんなサナギになりました。



キアゲハの他にも・・・
8月の終わりころ、車を運転中に
灼熱のアスファルトの上を歩いて横断している幼虫を見つけて
慌てて車を停めて拾ってきた「ピコピコさん」


セスジスズメの幼虫もサナギになっていました。


**
蛹化して2週間経ちました。
そそろろキアゲハのサナギを整理をしようと思い
飼育ケースのフタにくっ付いたサナギを見たら


5匹のうち2匹の色が変です。




もしかして・・ケースの中を確認したところ
寄生バエ「ブランコヤドリバエ」のサナギが転がっていました。
集めると6個もありました。


何年か続けて蝶や蛾を育てていると、寄生生物と出会うことが何度もあり
このブランコヤドリバエは、常連さんになっています。
とりあえず、ハエのサナギは置いておいて
変色していない3匹の「サナギポケット」を作ります。
割りばしなどの枝にくっ付けるポケットよりも簡単に作れて
実際に羽化の際にも支障なく、蝶が無事に巣立ったサナギポケットです。
用意する材料はキッチンペーパーとマスキングテープだけ。


キッチンペーパーを4等分に切って


それをまた半分に切り、二つ折りにして折り目を付けます。
サイズが合うように、この辺りは適当で大丈夫。


サナギのお尻の毛(糸)を飼育ケースの壁面などから上手に剥がして
ペーパーにマスキングテープで貼り付けます。


その後はお包みみたいに巻いて、端をテープで止めたら出来上がり。


羽化する季節(4月)までは、このようにコンパクトにまとめて管理できます。


***
さて、寄生バエのサナギはどうしましょう。


蝶が生まれると思って幼虫を育てても、思い通りにいかないこともあります。
それでも何度も寄生バエに出会うと、憎きハエめ!とは思えなくなってきて
同じ命だしね、それにハエより蝶が好きかといえば
ハエのずば抜けた飛行能力とか、知れば知れるほど興味深くて
同じくらいの好きさなので
蝶のサナギと一緒に春まで観察することにしました。


アゲハの母と同じくらい、ハエの母も種の保存に命を懸けてタマゴを産んだのでしょう。


セスジスズメのサナギも、一応土から掘り出して点検したけど
ハエが開けた穴なども無く、きれいな状態でした。


変色したキアゲハのサナギを割ってみると、中身が空っぽになっていました。


11月初旬から3月まで約4か月間、北向きの窓の外へケースを置いて管理しました。
時々霧吹きで水分補給をしたけど、これは飼育に必要なのかいまだに謎です。

そして先日!ビックリする新たな動きがあったので
急遽、去年からのキアゲハたちの観察記録を思い出しながら書きました。
今月中には誰か羽化するのか、答えが出るでしょう(#^.^#)
コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

買って来た白菜に、サナギがいた!

2020年11月17日 | 蝶の観察や飼育
ご近所でいただいた野菜に
青虫がいるのは、よくあることなのですが・・・
こんな体験は初めてでした。

スーパーで買って来た4分の1カットの白菜の
一番外側の葉をめくったら
この子がいました!
うわーと思って、キムチ鍋を作る手を止め
カメラを持ってきて写真を撮りました。


サナギです(^^♪
色は違うけど、見た事ある形!
アゲハチョウのサナギに似ています。
よく見てみると、このサナギの体には
アゲハチョウと同じように
お尻をくっ付けている糸座(いとざ)と
体を固定するベルトのような帯糸(たいし)がありました。
何のサナギだろう?


アゲハの幼虫が、白菜に潜り込むなんて事はないだろうし
蛾のサナギでもなさそう。
「ハクサイ、蝶」で検索したら・・・
なんと!この子は「モンロチョウ」のようです。
今まで、モンシロチョウの生い立ちを想像したこともなくて
サナギがこの形なのも、初めて知りました!



モンシロチョウの幼虫は、90%の高確率で
アオムシコマユバチに寄生されているそうです。
なのに、こうしてサナギになれているのが、まず奇跡的で


遠い所の畑で収獲され
その後、外の葉を取り除いて、きれいに洗浄されて
4分の1にカット、ラップでギュッと梱包されて
輸送、冷蔵、陳列、買い物かご(笑)、ウチの冷蔵庫、まな板の上と
数奇な運命(物流)の末・・・


いまここで出会えた奇跡に、感謝です(n´v`n)


ラップで圧縮されていて、サナギの形が
少しいびつなのが心配ですが
無事に羽化できるように、見守ってみます(^-^)
コメント (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジャノメチョウの幼虫が庭にいた

2020年05月17日 | 蝶の観察や飼育
庭の、物干しざおの下あたりに
ポツンと何かの幼虫が落ちていました。
一度も見たことがないイモムシです。


大きさは2.5㎝くらい、茶色っぽいベージュ色で
地味だけど、蝶の幼虫のような予感がして、連れ帰りました。
「ベージュ・幼虫」で検索したら、「タテハチョウ」→「ヒカゲチョウ」から「ジャノメチョウ」へ。
その中に、そっくりなのがいました。


ヒメウラナミジャノメ「姫裏波蛇目」
成虫の翅の裏に小さな波模様があって
後ろ翅裏には5つの蛇の目紋があるそうです。
漢字で書くと虫の名前が覚えやすいです。

食草はイネ科の植物で
たぶん、庭に生えている「チジミザサ」にいたのだと思います。
羽化するのを見たくて、飼ってみることにしました。


それから数日後、草取りをしていたら
またまた、変わった形のイモムシを見つけました!


今度の子は4㎝くらいで、体は鮮やかな黄緑色。
そして、振り向いた顔が・・・


なんてキュートな顔をしているの(#^.^#)


草取りをほっぽり出して、すぐ部屋に連れ帰り
名前を調べました。
「イモムシ・猫・顔」のキーワードで、すぐに判明(笑)

ヒメジャノメ(姫蛇目)
先日の子と同じ、ジャノメチョウの仲間でした。
さっそく飼育ケースに仲間入りしてもらいました。




ヒメジャノメは食欲旺盛で、もりもり葉っぱを食べます。


朝起きるともう葉がなくなっているので、庭に採りに行き
補充をします。


「ねえ、ご飯まだー?」
ケースの縁に手をかけて、外をみる姿が
猫にそっくりで、本当に可愛らしい(#^.^#)


あまり動かなくて、大人しい性質みたい。


****************************
部屋に連れてきてから1週間後
茶色い子がケースのフタ裏に登っていきました。
サナギになるのかな?
5月12日、午前8時。


その日の夜10時には、こんなポーズになっていました。
さなぎになる前の「前蛹」です。
ジャノメチョウは、ぶら下がるタイプだったのね(^^)


同じ時刻に黄緑の子も、モゾモゾとフタ裏へ登っていき


翌日の13日、お昼に前蛹になりました。


14日の朝、さなぎになるための最後の脱皮を見届けようと
飼育ケースをパソコンデスクに置いて、ずっと見張っていましたが
朝ごはんを食べている間に、両方ともさなぎになってしまっていました(^^ゞ


ヒメジャノメのさなぎは、こんな美しい色でした。


この模様は、翅脈が透けて見えているのかな?


さなぎになった日は、5月14日。
無事に羽化がみられるといいです(#^.^#)

*******
関連記事です(^^)/
ヒメウラナミジャノメと、ヒメジャノメが羽しました
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

部屋の幼虫たち

2019年10月12日 | 蝶の観察や飼育
朝起きた時、ルリタテハはまだ昨日と同じこの姿だったのに


顔を洗いに行っているちょっとの間に、脱いでしまいました!
あーあ残念、今回も脱皮の瞬間を見逃しました(^^ゞ


サナギの足もと(笑)に転がっていた「抜け殻」をピンセットでつまんで取り出してみたら
ハリネズミにそっくり!
こんな動物が本当にいたら、めちゃめちゃ可愛いだろうなぁ(#^.^#)
幼虫がまだ小さいせいか、ホトトギスの葉はたくさん残っていました。


一方、キアゲハのケースでは、葉がほとんど無くなっていて驚きました。


アゲハの幼虫は、夜中も葉を食べているのでしょうか?
雨の中、いそいで庭で新しい葉をとってきて、補充すると・・・


すぐにまた、ムシャムシャと食べ出しました。
この調子だと、夕方には食べ尽くしてしまいそうなので、後でまた葉をとってきます。


そんな中で、1匹だけ茎につかまって動かない子がいました。
もしかしたらサナギになるの?でもよく見たら頭が下なので、違うみたいです。


次はシモフリスズメ。
姿が見えなかったので土に潜ったと思ったら、飼育ケースのフタに逆さにくっ付いていました。


ケースの底にある食草は、ひと口も食べていません。なぜ?
ここで、ふと気づいたのですが、シモフリスズメは外で見つけた時、必ず葉の裏側にいます。
もしかしたら、葉の表面は危険だと認識してフタの裏に移動したのでは?
新しい葉をとってきて、試してみることにしました。


茎に誘導しますが、なかなか離れない。


一番後ろにある「尾脚」は、特にものにつかまる力が強くて、たぶんこのフタも持ち上げられそうです。
イモムシの意志で離して貰わないと、引っ張るのが怖いくらいです。


葉の裏側に空間を開けるように置いて、そっとしておいたら・・・


思った通りでした!安心して葉を食べ始めました^m^


思い浮かべると、葉の裏側にいるイモムシ、毛虫の仲間はたくさんいます。ほとんどそうかも。
ルリタテハもそうだし、ナンキンキノカワガも、必ず葉の裏で食事をしていました。
逆に、葉の表面にいるのは、ナミアゲハ、キアゲハ
あとは芙蓉の葉につく「フタトガリコガヤ」(初めて名前を調べました^^)しか見たことがないくらい。
葉から落ちる時に、糸を吐くかどうか、かな?違う気がするし・・・
何か理由があるはずですが、「まだ解明されていない」事なのかもしれません。

さっき庭へ追加の明日葉をとりに行って、新たにチビちゃんを2匹見つけて連れてきました。


窓の外では、雨風がだんだん強くなってきました。
台風はこれから夕方にかけて、東海地方に最接近するそうです。
どの地域でも、無事に台風一過となりますように!
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする