「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

行き場のない 満期出所者 -- 更生への道 (7)

2010年07月07日 22時02分34秒 | 罪,裁き,償い
 
 服役中に仮釈放がなく、 刑期を 満期で終えた出所者は、

 不況下でもあり、 出所しても 簡単に仕事は見つかりません。

 仮釈放が得られなかった 満期出所者は、

 服役態度が良好でなかった ということもあるかもしれません。

 ある満期出所者 (58才) は、

 出所時に持っていた 作業賞与金など約17万円で サウナなどに寝泊まりし、

 その後わずか1週間で 強盗殺人事件を起こしました。

 仮釈放なら保護観察が付き、 更生保護施設で職探しをしたり、

 刑期満了まで定期的に 保護司らが面接したりします。

 刑期を終えた満期出所者を、 行政が監視する 法的根拠はありません。

 出所から5年以内に 再び刑務所に戻る割合は、

 (08年の集計で) 仮釈放者が32%なのに対して、

 満期出所者が55%と はるかに高くなっています。

 別の満期出所者 (57才) も、 ネットカフェなどを泊まり歩きました。

 健康保険なしに 心臓病の診察を受けなければならず、

 28万円の賞与金は 見る間に減っていきました。

 受刑者支援で知られる 弁護士に電話すると、 生活保護を申請してくれました。

 今は 生活保護を受けながら、 清掃の仕事をしています。

 満期出所者は、 盗みや無銭飲食を重ねるうち 自暴自棄になり、

 凶悪犯罪に走ることもあります。

 満期出所者を 社会に軟着陸させる仕組みを、 今すぐ整えなければなりません。

〔 読売新聞 「罪と罰 -- 更生への道」 より 〕
 
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