「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

刑務所の中 「普通の生活」 -- 明日の課題 (5)

2011年01月16日 21時36分04秒 | 罪,裁き,償い
 
 「世界で一番 ぜいたくな刑務所」 と 言われる刑務所が、 ノルウェーにあります。

 個室の他、 10人1組の 「ユニット」 ごとに キッチンとリビングがあり、

 食事は ワイヤーでつながれた包丁を使って、 自分たちで作ります。

 朝のミーティング後は、 各受刑者の経歴や問題点によって、

 仕事や勉強、 自制心を養うためのプログラムなどの 日課が組まれています。

 夜はユニットに戻り、 時には刑務官も交えて 皆で夕食を取ります。

 ある受刑者は語ります。

 「この刑務所では受刑者を、 一人の人間として 尊重してくれる。

 私も他人に対して そうしたいと思うようになった」

 この刑務所の処遇方針は、

 円滑な社会復帰のため、 極力普通の生活を 送らせることです。

 厳しくすれば犯罪が少なくなる というわけではありません。

 更生が認められれば、 社会生活準備のために、

 さらに自由度の高い 解放刑務所に移ることができます。

 最初から刑務所に送らず、 街の清掃など 社会奉仕活動をさせる

 「社会内命令」 を 言い渡すケースもあります。

 その後2年間に 再犯をしたのは約20%で、 北欧の中で 最も低いといいます。

(日本でも 保護観察の対象者に、

 更生を促す 社会貢献活動を義務づける法案が 提出される見通しです。

 けれども日本では 社会の理解はまだまだで、

 活動の場を提供してもらえるか 懸念もあります。)

 ノルウェーでは、 服役態度が良く、 安全と判断されれば、

 刑期途中でも 年間30日を上限に 外出が認められます。

 強姦殺人の加害者の男も、 すでに何度も帰宅しています。

 しかし この被害者遺族は、 加害者から 謝罪の手紙が来たこともありません。

 そういう人間が 出所しては困るという 被害者の声を、

 国は重く受け止めてほしいと 訴えています。

〔 読売新聞より 〕
 
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