「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

診断基準2. スプリッティング/分裂 (1)

2012年09月18日 20時48分37秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
2. 理想化とこきおろしの 両極端を揺れ動く、 不安定で激しい人間関係 

 ボーダーの人は、 永遠の愛情や同情心を持つ 援助者を探し求めます。

 一方で、 自尊心が非常に低いので、 警戒心が強く、

 大切に思う人が 自分を愛していないのではないか、 見捨てるのではないかと疑い、

 それを証明する手がかりを 見つけようとします。

 それが現実に起こりそうなとき、 彼らは次のようなことをします。

・ 怒りの中に逃げ込む

・ 非難する

・ 泣く

・ 報復しようとする

・ 自分を傷つける

・ 浮気をする

・ その他の破壊的行為

 これらは、 この障害の中核にある 逆説性を示しています。

 彼らは 親密性を死に物狂いで求めます。

 しかしその行為が、 結局は 人々を遠ざけてしまうことになるのです。

○ スプリッティングを理解する

 ボーダーの人の多くは、

 過度の理想化と脱価値化の 間を揺れ動きます (スプリッティング/分裂)。

 相手の良い面と悪い面を 統合することが困難なので、

 相手に対する見方は、 その人との 一番最近のでき事に基づきます。

 人間の矛盾や曖昧さに耐えられず、 相手を一貫して理解できないのです。

 どの瞬間でも、 ある人は 「善」 か 「悪」 のいずれかで、 中間がありません。

 問題が起こると、 解決方法はひとつしかないかのように 考える人がいます。

 例えば、 嫌な仕事を任されると、 会社を辞めるしかないという具合です。

 努力も全か無です。

 ひとつのことにのめり込むと、 他のことから 全て手を引いてしまいます。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする