2. 理想化とこきおろしの 両極端を揺れ動く、 不安定で激しい人間関係
ボーダーの人は、 永遠の愛情や同情心を持つ 援助者を探し求めます。
一方で、 自尊心が非常に低いので、 警戒心が強く、
大切に思う人が 自分を愛していないのではないか、 見捨てるのではないかと疑い、
それを証明する手がかりを 見つけようとします。
それが現実に起こりそうなとき、 彼らは次のようなことをします。
・ 怒りの中に逃げ込む
・ 非難する
・ 泣く
・ 報復しようとする
・ 自分を傷つける
・ 浮気をする
・ その他の破壊的行為
これらは、 この障害の中核にある 逆説性を示しています。
彼らは 親密性を死に物狂いで求めます。
しかしその行為が、 結局は 人々を遠ざけてしまうことになるのです。
○ スプリッティングを理解する
ボーダーの人の多くは、
過度の理想化と脱価値化の 間を揺れ動きます (スプリッティング/分裂)。
相手の良い面と悪い面を 統合することが困難なので、
相手に対する見方は、 その人との 一番最近のでき事に基づきます。
人間の矛盾や曖昧さに耐えられず、 相手を一貫して理解できないのです。
どの瞬間でも、 ある人は 「善」 か 「悪」 のいずれかで、 中間がありません。
問題が起こると、 解決方法はひとつしかないかのように 考える人がいます。
例えば、 嫌な仕事を任されると、 会社を辞めるしかないという具合です。
努力も全か無です。
ひとつのことにのめり込むと、 他のことから 全て手を引いてしまいます。
(次の記事に続く)
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕