(前の記事からの続き)
《 パラフレーズと再帰的傾聴 》
「私」 を主語にして話しましょう。 ( 「I」 メッセージ)
あなた自身の 感情や動機について話し、
相手にも自身の 感情や動機を話してもらいましょう。
ボーダーの人にとって、 自分が認められないと感じることは、
感情反応や行動の引き金になります。
「私」 を用いて話せば、 引き金を引かずに済みます。
自信を持って、 気後れしないように言ってください。
「私」 を主語にして話すと、 人は防衛的でなくなり、
解決策を見いだすことに 積極的になります。
しかし ボーダーの人の場合、
「私は」 と言っても 「あなたは」 と受け取ることが あるかもしれません。
時間をかけて 理解してもらいましょう。
・ 要点を言い換える (パラフレーズ)
相手の感情や論点を、 別の言葉で 分かりやすく言い換えることで、
理解したい気持ちを示せます。
彼らに同意する必要はありません。
相手の怒りを沈める 一番の方法は、 相手の感情を認めることです。
それで こちらの過失を 認めたことにはなりません。
気遣いを示すことになるのです。
・ 解釈は控える
相手の言うことを 解釈しないようにしてください。
解釈は相手を怒らせ、 防衛的にします。
・ 中立的な立場で観察する
相手がどのように感じていると あなたが思っているか、
相手に伝えるのが 「再帰的傾聴」 です。
人の感情に異議を唱えても 意味がありません。
相手の感情を 中立的に観察するのは、
相手の心を開かせ、 余裕を持たせる良い方法です。
「すごく怒っているのね」 「とても悲しそうだね」 と 表現してもいいでしょう。
相手の感情が はっきりしないときは、 質問してみたほうがよいかもしれません。
必要以上に 探るようなことはしないでください。
感情を分析するのではなく、 相手が感情を表現できるように 手助けするのです。
相手があなたを 批判しているときには、 再帰的傾聴は難しいかもしれません。
でも あなたが落ち着いていれば、
相手は蒸気を放出させて、 気分もよくなるでしょう。
感情を自由に表現させることで、 寛容さを伝えたことになります。
(次の記事に続く)
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕