「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

怒りや批判を取り除く (2)

2013年02月09日 21時12分04秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

《 パラフレーズと再帰的傾聴 》

 「私」 を主語にして話しましょう。 ( 「I」 メッセージ)

 あなた自身の 感情や動機について話し、

 相手にも自身の 感情や動機を話してもらいましょう。

 ボーダーの人にとって、 自分が認められないと感じることは、

 感情反応や行動の引き金になります。

 「私」 を用いて話せば、 引き金を引かずに済みます。

 自信を持って、 気後れしないように言ってください。

 「私」 を主語にして話すと、 人は防衛的でなくなり、

 解決策を見いだすことに 積極的になります。

 しかし ボーダーの人の場合、

 「私は」 と言っても  「あなたは」 と受け取ることが あるかもしれません。

 時間をかけて 理解してもらいましょう。

・ 要点を言い換える (パラフレーズ)

 相手の感情や論点を、 別の言葉で 分かりやすく言い換えることで、

 理解したい気持ちを示せます。

 彼らに同意する必要はありません。

 相手の怒りを沈める 一番の方法は、 相手の感情を認めることです。

 それで こちらの過失を 認めたことにはなりません。

 気遣いを示すことになるのです。

・ 解釈は控える

 相手の言うことを 解釈しないようにしてください。

 解釈は相手を怒らせ、 防衛的にします。

・ 中立的な立場で観察する

 相手がどのように感じていると あなたが思っているか、

 相手に伝えるのが  「再帰的傾聴」 です。

 人の感情に異議を唱えても 意味がありません。

 相手の感情を 中立的に観察するのは、

 相手の心を開かせ、 余裕を持たせる良い方法です。

 「すごく怒っているのね」  「とても悲しそうだね」 と 表現してもいいでしょう。

 相手の感情が はっきりしないときは、 質問してみたほうがよいかもしれません。

 必要以上に 探るようなことはしないでください。

 感情を分析するのではなく、 相手が感情を表現できるように 手助けするのです。

 相手があなたを 批判しているときには、 再帰的傾聴は難しいかもしれません。

 でも あなたが落ち着いていれば、

 相手は蒸気を放出させて、 気分もよくなるでしょう。

 感情を自由に表現させることで、 寛容さを伝えたことになります。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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