「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーの人とノン・ボーダーラインの人の 境界線の問題 (1)

2013年02月02日 22時34分32秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
 ボーダーの人の中には 子供の時、 身体的または 性的な虐待を受けた人がいます。

 これは 最も恐ろしい境界侵入です。

 虐待, 屈辱, 恥辱は、 個人の境界を酷く損ないます。

 虐待を受けた子は、 自分が身体的・ 感情的にどう扱われるべきか、

 他人とどう交流すべきかが 分からず、 混乱してしまいます。

 自分と他人との間に 強力な壁を作って、 自分を守ろうとすることがあります。

 人と感情を 共有しなくなることもあります。

 他人に対して 開放的になりすぎる人もいます  (性的にも)。

 彼らは、 自分の感情が間違いで 取るに足らないと思うようになります。

 今生き延びること (虐待を避けること) に集中し、

 アイデンティティの大切な発達段階を 逃してしまいます。

ex. あるボーダーの人

   私の中には  “他人” という概念がなかった。

   自分が憎くて、自分を痛めつけたけど、 同じように 他人を憎んで痛めつけた。

   ノーという言葉は 死に等しかった。

   人は私を 要求が多いとか、 支配的だとか言うけど、

   本当は満たされず、 傷ついた小さな女の子の 叫びだった。

 健全な境界を持てない時、 防衛を必要としますが、

 防衛は 人との親密さを傷つけます。

 防衛には 以下のものがあります。

 支配, 引きこもり, 非難, 合理化, 知性化, 悪口, 完璧主義,

 黒か白か思考, 脅し, 無意味な争い, 他人への過度の関心。

 これらはどれも、 感情やコミュニケーションから 逃れるための手頃な方法です。

 これに代わる 健康的な手段は、 自分の本当の感情を 話すことです。

 ボーダーの人が 自分自身の行動や感情に 責任を取りたがらないのに対し、

 ノン・ボーダーラインの人は

 他人の言動に 過度に責任を感じやすい 傾向があります。

 子供時代に、 両親や他の人たちの 世話係の役割を期待され、

 他人の責任を担うようになったのです。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕
 
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