「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

アンチスティグマ学会 (2)

2013年02月17日 20時52分33秒 | 「BPD家族会」
 
 「スティグマ」 の語源は、 ギリシャ語で、

 奴隷や犯罪者の体に 刻印された徴 (しるし), 烙印のことです。

 現在は 社会的に貼られた ネガティブなレッテルで、 偏見, 差別を意味します。

 偏見は  「知らない」 ということから生じ、

 人間は 知らないことに対して 不安や恐れを感じますが、

 それ自体は 生物的な自然な感情です。

 でも 情報を見聞きしたり、 実際に そういう人に接することで、

 スティグマは改善されていきます。

 最近 うつ病や精神障害に関する 書籍も増え、

 新聞やNHKでも精神障害が 随分取り上げられるようになり、

 重大事件の犯人が 精神病の通院歴があるなどの報道は 減ってきたと思っていました。

 しかし アンチスティグマ学会の発表を聞いて、

 精神障害に対する偏見は まだまだ根強いのだということを、

 改めて認識させられました。

 例えば、 精神障害者の雇用が 企業に義務化され、 雇用率を満たすようになっても、

 実際には 職場で仕事を与えなかったりし、

 逆に 障害者は何もできないという 偏見が助長されているともいいます。

 あるデータによれば、 統合失調症のことを知らないという人は 65%に上り、

 一般の人の 精神障害に対する ネガティブなイメージ (怖い, 暗いなど) は、

 この10年間で 変わっていないということです。

 また、 精神の障害のために 重大な犯罪を犯してしまった人の

 社会復帰を目的とする  「医療監察制度」 も、

 そもそもは 池田小学校殺傷事件をきっかけに制定され、

 見切り発車されたものだそうです。

 精神障害者は危険だという 発想に他なりません。

 けれども、 学生が精神障害の授業を受けると、

 それらの無知や偏見は 目に見えて減じます。

 知るということが 非常に重大で、

 教育やメディアの力が大きく、 今後の改善が 強く期待されます。
 
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