(前の記事からの続き)
ボーダーの人が 自分自身の行動や感情に 責任を取りたがらないのに対し、
ノン・ボーダーラインの人は 他人の言動に 過度に責任を感じやすい傾向があります。
なかには、 子供時代に 周りの人たちの世話をする 役割を期待され、
他人の責任を 担うようになった人がいます。
彼らは 親の愛情を失わないために、
自分の要求を 否定しなければなりませんでした。
そして 大人になっても、 自分の感情を否定し続けます。
そうすることに慣れ、 それが安全だと思ったからです。
彼らは自分の境界を 維持することができません。
《 過去から続くシナリオ 》
ボーダーの人は 自分の苦痛や怒りを、 ノン・ボーダーラインの人にぶつけます。
過去の痛ましいシナリオを 繰り返し演じていることに気付きません。
そして時に、 ノン・ボーダーラインの人は 喜んでそれを受け入れます。
ボーダーの人とノン・ボーダーラインの人は 生き延びるために、
広大な無意識に根ざした 信念で取引をします。
ボーダーの人は 自分が切り離されるのは恐ろしいことで、
身近な人の自立や独立を 諦めさせようとするのです。
多くのノン・ボーダーラインの人は、
ボーダーの人のネガティブな反応を 引き起こさないようにします。
自己主張をすれば関係を失い、 愛されなくなると心配しています。
ボーダーの人は、 ノン・ボーダーラインの人が わがままで配慮にかけていると、
巧みに思い込ませます。
ノン・ボーダーラインの人は 歪んだ現実に適応しているのが、
分からなくなってしまいます。
(次の記事に続く)
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕