ネタは降る星の如く

とりとめもなく、2匹の愛猫(黒・勘九郎と黒白・七之助)やレシピなど日々の暮らしのあれこれを呟くブログ

『ウルフガイ 狼の紋章 第1巻』平井和正

2007-08-22 08:30:00 | 読書
 昨日Wikipediaでたまたま「平井和正」「ウルフガイ・シリーズ」を検索していて懐かしい思いに浸っていたら……今朝店頭にコミックスが発売されていた(汗)。

『ウルフガイ 狼の紋章 第1巻』
原作・平井和正 脚本・田畑由秋 作監・余湖裕輝 作画・泉谷あゆみ
 リンク先はamazon.co.jp

 自分が原作の小説にハマったのは30年ほど前、高校生の時だった。暴力とセックスの描写が過激だったので、親から隠して読んでいた(苦笑)。ただ、単なるエロス&バイオレンス小説ではなく、人類による環境破壊や動植物の絶滅といった問題をシリアスに取り上げていたところが自分の関心に引っかかった。

 原作では、犬神明は高校生だったんだが……今回のコミックス版では、中学3年生という設定。救いようもなく暗いストーリーなのはわかっているのだけど、やはり、読んでしまう。 

『感じない子ども こころを扱えない大人』袰岩奈々

2007-04-29 20:52:18 | 読書
『感じない子ども こころを扱えない大人』袰岩奈々(集英社新書) リンク先はamazon.co.jp

 今週、ドイツ人講師からお墨付きをもらおうとして英語版で講師役にチャレンジした研修の内容と、よく似ていた。

 できるだけ簡単に言うと、人は大人になるまでに感情(特にネガティブな感情)を表に表さないように教育されてしまうことが多いが、人は子供だろうと大人だろうといつでもポジティブな感情ばかりを持っているわけではないし、ネガティブな感情を感じてはいけないものとして抑圧し続けてしまうことによって自分の本来の感情に気づかなくなる、というのが趣旨。失望・落胆・嫉妬・憎悪・疲労感など、ネガティブな感情を持つ自分も肯定した上で、それをどのように伝えることによって自分の感情への感受性を摩滅させないかということに取り組んでいる。

 自分自身は、ドイツから輸入しようとしている例の研修のおかげで、ネガティブな感情を相手の感情を損ねないようにしつつも伝える方法を学んだ。それで、25年来の葛藤に対処する方法がわかり、だいぶ心が軽くなった。

 特に子供を持った親に読んで欲しいと思う本だ。


『靖国史観――幕末維新という深淵』小島毅

2007-04-18 22:25:22 | 読書
『靖国史観――幕末維新という深淵』小島毅(ちくま新書) リンク先はamazon.co.jp

 出たばかりの本だ。パラ読みという感じではあったが、とにかくも読み通した。会沢正志斎に代表される水戸学、美濃部辰吉の天皇機関説などと時系列的にはかなり飛ぶ思想の紹介があったりして、ちょっと読みにくい。

 それでも、東国出身者だからか、幕末維新の歴史にはまってしまったからか、通説的な明治維新についての歴史観に違和感を抱く、ごくごく少数派と思われる自分のような読者には、なかなか面白い新書だ。

 あとがきから、一部引用。

 新撰組組長だった近藤勇を東京裁判よりひどい一方的な断罪で復讐刑的に斬首し、会津で交戦した白虎隊をふくむ軍人たちのまともな埋葬すら許さぬままに、敵の本営だった仲間の戦死者の慰霊祭を行った連中。靖国を創建させたのはこういう人たちであった。

(中略)
 
 靖国問題が国際問題でなく国内問題だと私が主張するのはそういうわけである。戊辰戦争以来の未解決の歴史問題が、ここにはある。
 長州藩は京都御所に発砲したことを謝罪したか?
 薩摩藩は江戸市中に放火したことを謝罪したか?


 ……えーと、私は「新撰組」でなくて「新選組」と記述するし、「組長」でなくて「局長」と自称していたことを重くみるのだが(京都守護職だった会津藩主松平容保のお預かりで、守護職を補佐する公用局の外局というアイデンティティゆえ「局長」だった)。

 「中略」とした箇所と引用箇所以降には、引用箇所以上になかなか刺激的な文章(汗)があるのだが……引用した箇所だけ取っても、十分に刺激的だ(汗)。

『幕末バトル・ロワイヤル』野口武彦

2007-03-23 13:15:41 | 読書
 昨日まで読んでいた『未完の明治維新』坂野潤治(ちくま新書、リンク先はamazon.co.jp)は途中で脱落。明治10年頃まで、木戸孝允と大久保利通と西郷隆盛と板垣退助がどのような国家構想を持っていて、誰と誰がどういう面で共感できてどういう面で合わないかを説明する序章は面白かったのだけど。

 「富国強兵」は最初から四文字熟語でなくて、「富国」は殖産興業を進める大久保の持論、「強兵」は海外出兵を推進しようとする黒田など薩摩出身の政治家たちの持論(ただし西郷は「征韓論」で知られているものの台湾・中国をターゲットにしている薩摩派を押さえるために征韓論を言い出しただけだ、という解説)。中央政府の権限を明確にするため(結果的に立法府である議会の力を制限しようとした)に憲法を準備しようとしたのが木戸、中央政府の権限を監視するために議会の設立を先行させようとしたのが板垣。

 その辺りまでは理解できたけど、個々の史実については幕末のようにうまく頭に入ってこないで脱落……うーん、たった10年ほど時間軸が下がっただけで、関心の度合いの違いからか、自分の頭に残らない……。

 で、頭に入ってきやすい(苦笑)幕末中心の本に乗り換え。

『幕末バトル・ロワイヤル』野口武彦(ちくま新書) リンク先はamazon.co.jp

 まだ読み始めたばかりだが、第11代将軍家斉の子女55人(汗)を大名家に嫁がせたり養子に取らせたりするための数々のインセンティブ(苦笑)、幕末のお家騒動「仙石騒動」を巡る関係者と幕府要人との結びつきや事件の取調べ・関係者処分の顛末(幕末の開明派で有能官僚のひとり川路聖謨のデビュー)、大奥を揺るがした怪僧のセックススキャンダル、と、ゴシップ記事満載だな^^;。面白いから、さくさく読めちゃう。


『銀河英雄伝説』愛蔵版刊行開始!

2007-03-19 12:56:19 | 読書
 すでに「中国でも『銀英伝』が人気と聞いて嬉しい」という記事を書いているので、自分が『銀英伝』ファンなのを今更繰り返す必要はないかと思う。

 今日、出勤途中で新刊をチェックする本屋で、道原かつみさんの流麗なラインによる表紙イラストを発見。

銀河英雄伝説 1 愛蔵版 (1) (コミック)
銀河英雄伝説 2 愛蔵版 (2) (コミック)

 もちろん、即買い。

 道原かつみさん画の『銀英伝』には、田中芳樹さん原作よりも早く出会っている。道原かつみさんの初期作品『ノリ・メ・タンゲレ』や『キャウキャットキャン』を読んでいて画風がいいなぁと思っていた。その直後に『銀英伝』外伝の「黄金の翼」が連載されるようになったのだった。

 というわけで、私は小説版を読むよりも先に道原かつみさん作のキャラクターが視覚的にインプットされてしまっているので、小説版に次いで道原さん版のビジュアルが好き……アニメ版のキャラクターは、ちょっと距離が遠い(もちろん、亡くなった富山敬さんのヤン・ウェンリーとか、若本規夫さんのロイエンタールとか、この人の声でなければというイメージも何人かには持っているのだけど)。

 特に、道原かつみさん描くところのワルター・フォン・シェーンコップは絶品。強くて、仕事ができて、ダンディで、シニカルで(しかしロマンチストの側面を隠し持っていて)、セクシーな不良中年(今流行りの「ちょい悪オヤジ」という言い方よりも、カッコいい♪)万歳。

『職場いじめ あなたの上司はなぜキレる』

2007-03-14 08:00:00 | 読書
『職場いじめ あなたの上司はなぜキレる』金子雅臣(平凡社新書) リンク先はamazon.co.jp

 前著『壊れる男たち―セクハラはなぜ繰り返されるのか』(リンク先はamazon.co.jp)では、セクハラの加害者として告発された男性たちが、自らの加害者性を意識できず、著者が同性の相談員であることに気を許して口にする言い訳や屁理屈に一定の女性観や職場観が見られて非常に興味深かった。

 今回は、職場いじめの実態について具体例は冒頭でいくつか挙げられているものの、なぜそのような事例が発生したのかという分析や、どう解決したのかという方法論も提示されていない。

 副題の「あなたの上司はなぜキレる」についても、明確な回答は示されない。なぜ職場のモラールダウンが起こるか、年功序列の崩壊、成果主義の導入、リストラといった一般的な説明が延々と続く。

 扱いがむずかしい人たちの対処法について述べられているものの、相談員として接した著者が成功したアプローチを体験的に書いているので、実際に難しい相手を上司や部下として職場で接しなければならない読者にとって役に立つかどうかは疑問が残る。かなり心理学系の本を読んでいる自分としては、書かれている対処法についてはそこそこの線ではあるけれど利害関係やパワーのあるなしといった生々しいダイナミクスの働く場では参考程度だろうなという気がする。この程度のアドバイスなら他にいい本はあるだろう。

 最終章の「相談屋が教えるパワハラ撃退術」も「人間関係は変えられる」「思い込みは変えられる」「対応の仕方で人間関係は変わる」といった内容が中心で、職場いじめに悩んでいる人にとって救いのある策となるのかどうか……うーん。職場いじめに発展する前の段階であれば役に立つ内容なのだろうと思うのだが。

 読み進めていくうちに、職場いじめに悩んでいる人向けに書いているのか、それとも相談員として活躍している著者が成功してきた対人アプローチ論を披露したいだけなのか、何だかわからなくなってきた。後半は斜め読み……すみません、気を入れて読めませんでした。

『希望格差社会』『ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか―感情労働の時代』

2007-03-13 20:43:57 | 読書
『希望格差社会――「負け組」の絶望感が日本を引き裂く』山田昌弘
単行本版 リンク先はamazon.co.jp
文庫版 リンク先はamazon.co.jp

 amazon.co.jpの単行本データのところを見れば明らかだが、評価が二分している。

 自分の読書感想も微妙。受け容れられる部分と受け容れられない部分がある。

 受け容れられる部分は、たとえば、企業に正社員として雇用される人は中核となる知識労働者で、それ以外の労働の部分はパートタイマー・派遣社員・アルバイト・請負労働者といった非正規雇用者で埋められるようになったということ。結果的に、正社員として雇われることに成功する少数の若者と、正社員としての職を得られずに非正規雇用の職を受け容れざるを得ない多数の若者との間に経済力の格差ができ、それが子女の教育にも格差となって表れること。

 自分としては好ましいトレンドだと受け容れているわけではないが、企業は競争力の確保を理由に正規雇用者を絞り込み、非正規雇用者に対して正規雇用の道を開くことは考えなかろう。昨日もNHKの報道番組で、非正規雇用者からの申し入れを頑なに拒む企業側の姿勢が映されていた。

 ただ、この本のように、経済力格差だけをもって、「大企業の正社員>中小企業の正社員>非正規雇用者」という図式やら、学歴による収入力の差とかを論じられると、何か違うように思う。高度経済成長期の図式を現代に当てはめてそのミスマッチを指摘しているだけで、問題の解決にはつながらないと思うからだ。

 受け容れられない部分は、特に90年代以前の男女のライフスタイル描写の中で、女性の幸せは自分と父親と同等(以上)の収入を稼ぐ男性と結婚することで、そのために必要な能力は性的魅力であることという分析……っていうか、分析なんだろうか(苦笑)。男性の選択基準は、専業主婦となった時にどれだけ自分を家事労働と育児を考えないで済む相手であるか(「家庭的」か)だったと思うが?

『ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか―感情労働の時代』 武井 麻子 リンク先はamazon.co.jp

 上記とは一見まったく内容の違う本なのだが、上記の本の「希望格差」がもたらしている事態と、ちょっとリンクするような気がする。

 主に看護の現場を中心とするサービス労働における感情労働が、その現場で働く人たちの感情をすり減らしている実態を指摘している点は、なかなか読めた。特に、医師や看護師といった人々の生命と健康に奉仕する現場で、崇高であるべき使命と現場で接する患者たちの言動とのギャップの中で心をすり減らす実状については、看護だけでなく、小売業やサービス業の現場で起こっていることをいろいろと考えさせられる。EQとも呼ばれる情動知能の重要性について、ますます実感。

 ただ、この本には解決策は示されていない。生き生きとした感情を取り戻す仕組みの例として、アメリカの刑事犯更正の方法として用いられている一種の感受性訓練のノウハウが示されているものの、それをどう職場で展開するかといった示唆は多くない。

☆★☆★

「感情労働」Wikipedia
感情労働(かんじょうろうどう、Emotional Labour)とは、身体や知識だけでなく感情の移入を必要とする労働作業を意味する。

本来、労働の定義においては行動主義的、生理学的な固体主義的把握によるアプローチが一般であった。もちろんマルクス主義においては労働の価値に力点が置かれ、この領域は等閑視されていた。これに対して「感情労働」は、労働の本質を社会史的、人類学的視座から文化的相対主義の視点を援用することにより、社会的・社会心理学的、経済学的文脈において解きほぐそうとする試みである。

20世紀後半にGerhards、Scheffによって研究が開始され、一応の業績の蓄積が達成された段階にある。このほか派生領域として社会関係認知と感情の関連を問うKemperらの方法、Hochschild(感情操作)などの研究が見られる。

感情労働にもっとも相当する職種としては、看護職が挙げられる。航空機の客室乗務員などのサービス業も感情労働に当てはまる。


"Emotional Labor" from Wikipedia
Emotional labor is a form of emotional regulation in which workers are expected to display certain emotions as part of their job and to promote organizational goals. The effects of emotional displays are on other - target people - who can be clients, customers, subordinates or co-workers. The effect can be inteneded to either enhance or deflate the ego of the other person, a process described in a model of emotional labor presented by [[Rafaeli & Sutton, 1987, and may have other effects on the employee , such as improving revneue (e.g., when a waitress displays pleasant emotions and receives a high tip), or on the organization (e.g., when a sales person displays pleasant emotion and incerases organizational sales).

Emotional labor can regard positive emotions but also negative emotions, and can include more than one emotion, for example when emotional contrast is used to achieve social influence (Rafaeli & Sutton, 1991).

Emotional labor can be a genuine display of emotion --in which it is considered deep acting, with workers trying to feel the emotions that they need to express and spend effort to regulate their own genuine emotions. Examples are of a nurse who make themselves feel a certain way by thinking of a difficult patient as a child that is not responsible for hos or her own behavior. Emotional labor can also involve surface acting in which workers suppress their real feelings and, instead, present emotions on the "surface" that they don't actually feel but put ona facade as if they feel them (Rafaeli, 1989). Surface acting means that emotional dissonance exists between inner feelings and outer expression.

Sociologist Arlie Russell Hochschild coined the term in 1983 in a seminal work, The Managed Heart: Commercialization of Human Feeling. Hochschild defines emotional labor as “the management of feeling to create a publicly observable facial and bodily display [which] is sold for a wage and therefore has exchange value.” This definition would be more accurately described as "the management of the feelings one displays to others in the course of doing one's job."

There do not exist "high" or "low" emotional labor jobs Brotheridge & Grandey, 2002. But there are conditions that influence the extent to which employees engage in emotional labor, which were described by Rafaeli & Sutton, 1989 in 1989 in Research in Organizational Behavior. For example, high work pressure decreses the labor invested in displaying positive emotions (Rafaeli & Sutton, 1988) and wearing an organizational uniform increases the emotional labor of displaying positive emotions (Rafaeli, 1989)

Deep acting is argued to be associated with reduced stress and an increased sense of personal accomplishment, surface acting is associated with increased stress and a sense of inauthenticity Brotheridge & Lee, 2002. So, it's less stressful for workers to attempt to bring the required emotional displays and their inner feelings into alignment. Ideally, employees would be given reasonable amount of latitude regarding the expression of emotions.




"Our Iceberg is Melitng" John Kotter

2007-03-05 23:56:38 | 読書
"Our Iceberg is Melting" John Kotter リンク先はamazon.co.jp

 リーダーシップ論、とりわけ変革するリーダーシップに関しては定評のあるコッターによる、ペンギンの世界に喩えたお伽話の変革論。ペンギンがブリーフケースを持ち歩いたり、97ページものパワーポイントのプレゼンテーションを作っちゃったりするわけだが(爆)、そこはお伽話ということで。

 物語は、ペンギンの群れの中で仲間たちと交流することよりも周囲を観察することが好きな、ちょっと変わり者なペンギンのフレッドが、自分たちの群れが住んでいる氷山が壊れるかも知れないということに気づいたことから始まる。

 フレッドが相談した、気短だけど問題解決能力の高いリーダーペンギンの一匹であるアリスのおかげで、長老ペンギンの一匹で慎重だけどリーダーシップのあるルイス、頭はよくないけどペンギンの群れ皆に愛され信頼されているバディ、「教授」と呼ばれるだけあって知的で頭はいいけど話が衒学的になりすぎるジョルダンによる、変革チームが結成される。

 我々がよって立つ足下にある氷山が溶けて壊れてしまうのではないかという、今までの常識を覆す疑問を抱いたフレッドに対して、100%確信を持てない仮説を信じるべきではないという反対論を持ち出すノーノー。ノーノーは変革反対派の代表格で、やがて自分たちの住んでいる南氷洋の氷山に定住するという伝統を捨てて状況に応じて氷山を渡り歩くという新たなビジョンを示されると、今の氷山を出ていったら天敵に喰われてしまうに違いないという説を説いて回って、ペンギンたちを不安に陥れる。
 同様に、ペンギンたちを不安に巻き込んだのは、移住がペンギンたちの習慣になってしまったら職を失ってしまうかも知れないと心配した幼稚園の先生ペンギンによる、子供ペンギンたちに対する不安をかきたてる教育だった。
 これらの反応に対して、5匹のチームはうまく機能する。単にペンギン当たりがいい(「人当たり」とは書けない^_^;)としか思えないバディも、ちゃんと役立つ場面がある。

 ノーノーよりも難しい敵は、移住すると決めたものの移住先を探す「スカウトペンギン」に食料を捻出することだった。なんとなれば、ペンギンたちは家族のために魚を捕ることは当たり前と感じても、家族以外のものに食料を採って与えるという習慣がなかったからだ。しかし、その伝統を打ち破ったのは、前例にとらわれない幼稚園児のペンギンだった。ペンギンの親たちにも楽しいイベントを企画し、そのイベントの参加料として魚2匹を提供するようにし向けたのだった。

 ……そして、ひとつの氷山に定住することが当たり前だったペンギン一族は、氷山の状況によって別の氷山に移り住むことを苦にしない新しいカルチャーを獲得するようになった。ルイスは、子供たちや孫たちといった新しい世代に、自分たちの経験を語り伝える語り部になる。

☆★☆★

 久しぶりに英語を読んだので、むちゃくちゃとろい^_^;。でも、久しぶりに読んだのが寓話風の平易な英語だったので、100ページ強の英語を2時間半ぐらいで一気に読めた。内容はシンプルだったけど、企業や組織の変革に必要なことを一通りおさらいできたと思う。

『プロフェッショナル 仕事の流儀』9&10

2007-02-28 12:32:40 | 読書
 以前に『プロフェッショナル 仕事の流儀 1』を読んだ感想をアップしているが、それ以来、9巻と10巻を読んでいる。

『プロフェッショナル 仕事の流儀 9』
 中学校英語教師
 脳神経外科医
 写真家

『プロフェッショナル 仕事の流儀 10』
 編集者
 コンビニエンスストアチェーン経営者
 玩具企画開発

 いずれもリンク先はamazon.co.jp

 毎回というわけではないが、テレビ番組もなるべく見るようにしている。その道の達人には、職業が違っても姿勢や考え方に学ぶことが多いと思っているからだ。

 でも、本を買ってまで読もうとする回は、やはり自分の仕事にどこかリンクする世界の時が多い。

 中学校英語教師は、対象者が違うけれど人に何かを学んでもらうプロセスを提供するという意味で、職業に共通点がある。「教育」という言葉を使わないのは、登場する英語教師が「教える」ことよりも生徒自らが「学ぶ」ことに重点を置いているという点で、大人の社員相手に「学んでもらう」プロセスを提供する自分のスタンスと共通している。

 編集者の仕事は、自分の仕事と共通性がないようでいて、プロデューサーという役割、作家が作品を生み出すに当たっての「助産婦」という立ち位置が自分の仕事と近かった。

 経営者の世界は、やはり一番興味が湧く。星野リゾートの星野さんにしても、ローソンの新浪さんにしても、苦労しながら自分のスタイルを生み出し、社員に見せるべき姿と見せてはならない姿・言ってはならないことをきっちり分けて日々を生きている。

 玩具企画開発の仕事も、企画開発という意味では自分の仕事と共通性がある。玩具の企画開発には随分と遊び心がないとできないなぁと思うけど……実際「トゲ」のある企画をどう育てるかというところにエネルギーが注がれている点が、自分の仕事とちょっと違う。一方で、熱さ(情熱・願い・思い・志・思いやり)と冷静さ(分析力・論理力)の両方が必要というのは、研修プログラムの開発の仕事でも同じことが言える。玩具会社でなくて、玩具の企画会社という企画だけで売っている会社なので、クリエイティビティは会社の根幹。それをコンスタントに維持していくのはに大変なことと思う。

『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』

2007-02-26 22:47:37 | 読書
『裁判長! ここは懲役4年でどうすか』北尾トロ リンク先はamazon.co.jp

 映画『それでもボクはやってない』を見た直後とあって、つい裁判モノに手を出してしまった。

 感想は……ビミョー。ふとしたことから裁判所の傍聴マニアになった著者が、離婚やら無銭飲食からオウムの麻原まで、様々な裁判を傍聴したルポ。裁判の様子に様々な人間模様を垣間見るという著者のスタンスはわからなくもないが、個人を特定できないまでもプライバシーをさらけ出される当事者や関係者が読んだらどんな気持ちがするかと考えずにはいられなかったからだ。特に、自分が女性だからか、強制わいせつや強姦の裁判に好奇心ムンムンの著者のスタンスは不快だった……被害者が裁判でセカンドレイプを受けると感じるというのも、むべなるかな。

 野次馬根性それ自体は、まぁいいでしょう。でも、事件の裏にある関係者の葛藤やら苦悩やらとは距離を置いた面白半分の傍聴記でしかないのは、余りにも薄っぺらい。amazon.co.jpのレビューでも評価がまっぷたつに割れるのは、著者のスタンスに共感できるかどうかが試金石になっているのだろうと思う。