朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

ノーベル賞と中国の民主化

2010-10-18 | 外国の風物
ノルウェー・ノーベル賞委員会が中国の民主活動家、劉暁波氏への平和賞授与を決めました。

ノーベル賞はスウェーデンが主催すると思っていましたが、平和賞だけは委員会の本拠地がノルウェーにあることを認識しました。

中国政府は事前にその雰囲気を感じていて、何日か前に外交ルートでその決定の阻止を図ったとの報道がありました。発表の当日は外国のテレビ衛星放送のニュース報道をブラックアウトし、国内報道では無視しました。

服役中の劉氏に彼の奥さんが面会し受賞を伝えることは許可したのですが、その後は奥さんを軟禁隔離して外部との通信を遮っています。その直前に、彼女が発信したTwitterメッセージによってかろうじて刑務所の様子が外国に伝えられました。



上の写真は上海万博のノルウェー・パビリオンです。訪問した時はまだ騒ぎの前だったので、約30分の行列がありました。今はどうなのかな。まさか火炎瓶などを投げられることはないでしょうね。

中国政府は大国らしくもなくノルウェー政府に外交圧力をかけています。ノルウェー政府は正々堂々と受けて立ち、経済的不利益の可能性などものともしていません。



この看板は入場待ちの行列のためのテントに掲げられていたもの。先月、上海で出席した結婚式での新郎はノルウェーの人でしたので、このパビリオンを見学しました。

中国は確かに広大な面積を有し、多民族、多くの文化と宗教があり貧富格差大の国家です。民主化、すなわち複数政党制をとって、選挙の条件を緩めると一時的には混乱も起きるでしょう。分離独立運動も盛んになるでしょう。しかし、世界で2番目の経済規模にまで成長したのです。合理的に少数意見や弱者にも配慮する民主主義政治が長期的には国家を強くすることは歴史が示していると思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする