スイス生まれの画家パウル・クレー(Paul Klee, 1879-1940)の展覧会が、京都国立近代美術館にて、5月15日(日)まで開催しています。その後、他の都市にも行くらしい。

岡崎公園にある平安神宮の巨大な鳥居の横にこの美術館があります。初めて入りました。

クレーの絵は色彩が鮮やかな抽象画だという思い込みがありました。十年以上前にスイスの美術館でも鑑賞した記憶がありますが、今回の展示はとても網羅的で驚きました。
"PAUL KLEE | Art in the Making 1883-1940"
これが展覧会のテーマです。
このブログを書くため誕生と没年を調べると、1879-1940年。とすると上記テーマの1883-1940は、何を意味するのか。
改めて、展覧会公式ウェブで「展覧会趣旨」を読むと、1883年は彼自身が作った作品リストで最初の製作年でした。なんと4歳のとき。
『クレーは1911年から終生、制作した作品のリストを作り続けました。1883年、画家4歳のときの作品を手始めに約9600点もの作品からなるこのリストには、作品のタイトルだけではなく、詳細な制作方法が記載されていることからも、「どうやって作ったか」は、この芸術家にとって極めて重要な関心事だったのです。その「制作プロセス」を、クレーは、アトリエ写真という形で記録に留め、自ら「特別クラス(Sonderklasse)」とカテゴリー分けした作品を模範作品として手元に置くことで、反芻し続けました。』(引用:パウル・クレー展公式web http://klee.exhn.jp/intro/index.html)
スイス人らしい厳密さ。そして、創作技法の創意工夫に大変な努力をしていたこと、記録魔であったことを、知りました。

もっと学術的にこの画家のことを知りたくて、美術館の売店でこの小冊子を購入してしまいました。
「クレー」新潮美術文庫50、新潮社、昭和51年発行

「さえずり器械」(引用:「クレー」新潮美術文庫50、作品8)
独自技法「油彩転写」の作品とその技法を映像化した説明ビデオがありました。驚愕です。鉛筆やインクで描いた素描を、黒い油絵の具を塗った紙の上に置き、描線を針でなぞって転写した後、 水彩絵の具で着彩するという技法です。
上記、新潮美術文庫の表紙のように抽象度の高い作品がある一方で、「星よりの使者」「哀れな天使」などのかわいいイラストレーション風の作品があります。

「忘れっぽい天使」1939年
引用:日本パウル・クレー協会ミュージアムギャラリーhttp://www.paul-klee-japan.com/
この本の解説(大岡信著)によれば、数多くの天使などの線画は晩年、大変な難病と闘っていた時期に描かれたとあります。最晩年の2年間で1500点もの作品を残しています。
「芸術は眼に見えるものをあらためて提示するのではない。見えないものを見えるようにするのだ」

岡崎公園にある平安神宮の巨大な鳥居の横にこの美術館があります。初めて入りました。

クレーの絵は色彩が鮮やかな抽象画だという思い込みがありました。十年以上前にスイスの美術館でも鑑賞した記憶がありますが、今回の展示はとても網羅的で驚きました。
"PAUL KLEE | Art in the Making 1883-1940"
これが展覧会のテーマです。
このブログを書くため誕生と没年を調べると、1879-1940年。とすると上記テーマの1883-1940は、何を意味するのか。
改めて、展覧会公式ウェブで「展覧会趣旨」を読むと、1883年は彼自身が作った作品リストで最初の製作年でした。なんと4歳のとき。
『クレーは1911年から終生、制作した作品のリストを作り続けました。1883年、画家4歳のときの作品を手始めに約9600点もの作品からなるこのリストには、作品のタイトルだけではなく、詳細な制作方法が記載されていることからも、「どうやって作ったか」は、この芸術家にとって極めて重要な関心事だったのです。その「制作プロセス」を、クレーは、アトリエ写真という形で記録に留め、自ら「特別クラス(Sonderklasse)」とカテゴリー分けした作品を模範作品として手元に置くことで、反芻し続けました。』(引用:パウル・クレー展公式web http://klee.exhn.jp/intro/index.html)
スイス人らしい厳密さ。そして、創作技法の創意工夫に大変な努力をしていたこと、記録魔であったことを、知りました。

もっと学術的にこの画家のことを知りたくて、美術館の売店でこの小冊子を購入してしまいました。
「クレー」新潮美術文庫50、新潮社、昭和51年発行

「さえずり器械」(引用:「クレー」新潮美術文庫50、作品8)
独自技法「油彩転写」の作品とその技法を映像化した説明ビデオがありました。驚愕です。鉛筆やインクで描いた素描を、黒い油絵の具を塗った紙の上に置き、描線を針でなぞって転写した後、 水彩絵の具で着彩するという技法です。
上記、新潮美術文庫の表紙のように抽象度の高い作品がある一方で、「星よりの使者」「哀れな天使」などのかわいいイラストレーション風の作品があります。

「忘れっぽい天使」1939年
引用:日本パウル・クレー協会ミュージアムギャラリーhttp://www.paul-klee-japan.com/
この本の解説(大岡信著)によれば、数多くの天使などの線画は晩年、大変な難病と闘っていた時期に描かれたとあります。最晩年の2年間で1500点もの作品を残しています。
「芸術は眼に見えるものをあらためて提示するのではない。見えないものを見えるようにするのだ」