パサデナは、LA郊外、北東の山の麓です。米国の宇宙開発を行っている国家機関NASAの研究所のひとつがこの町にいあります。
この研究所を見学しました。
カリフォルニア工科大学(CalTech)の一部でもあります。この大学はNASA設立以前から、ジェットエンジンの研究をやっていたそうです。NASAを新設するため、米軍の研究機関や大学の組織を統合した際、土地や建物、実験設備はNASAの所有とし、研究員など人員はCalTechの所属としました。
宇宙開発の技術は、ミサイル製造に直結するため高度な軍事機密も含まれています。そのため、見学は事前の許可手続きが必要で、かつ外国人には厳しい審査があるそうです。
今回は友人の紹介で特別な許可をいただきました。(以下の写真は全て撮影許可された場所です)
大変幸運なことに、日本人研究者の方に案内していただきました。このような高度に先端科学技術の研究所にも、若い日本人の方々が働いています。
NASAは、テキサス州ヒューストンに本部があり、有人飛行、つまりスペースシャトルとかスペースステーションの運用は、ヒューストンで実施されています。
JPLでは、ディープスペース、無人探査機を太陽系や銀河系に飛ばして調査するプロジェクトを担当しているそうです。
上の写真は、火星表面探索のための新型機械です。
最初の火星地表探索機Phoenixは、2008年5月に火星に着陸して
観測に成功しています。現在は火星の砂地にスタックして停止している模様です。
この部屋は、実際に飛行中の宇宙機器をコントロールしている管制室です。
宇宙開発には巨額の費用が必要で、米国民の税金で研究活動がまかなわれているため、国民(納税者)の理解を得るための広報活動もしっかりやっています。機密保持と同時に、情報開示が重要と政府は考えています。
そのため、毎週、見学ツアーが組まれていて、この管制室の見学が一番の人気だそうです。
コンソールの前には、数人の担当官が働いていました。現時点で、約30基の機器が飛行中だとのことでした。数秒に1回くらいの間隔で観測データが受信され、正面左側の大きな
ヂスプレイが更新されていました。
5000人くらいの人々が、ここJPLで働いているそうです。
これは、新型の火星探査機の組み立て工場です。この場所全体が「クリーンルーム」になっているので、上部に作られた見学用の窓から眺めました。
これは、探査機が火星地表の砂地にスタックした状態を再現して脱出方法を実験している様子です。