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Mikuのブログ

「ロシア-ウクライナ「代理戦争」の様相を呈する、米「ロシア疑惑」問題」

2017-07-16 12:24:36 | 国際ニュース・国際問題

[HRPニュースファイル1841]http://hrp-newsfile.jp/2017/3227/

幸福実現党・政調会外交部会 副部会長 彦川太志(情報分析担当)

◆7月7日、G20サミットが開催

7月7日、ドイツでG20サミットが開催され、初の米露首脳会談に注目が集まりました。トランプ政権の誕生以来、米国内での「ロシア疑惑」の追及のためになかなか関係修復の糸口が掴めなかった両国ですが、事後の報道を見ると、「対立の中の協調」とでも言うべき成果があった事を見て取る事ができます。

今回は、まず米国での「ロシア疑惑」に関して整理した上で、2回に分けて首脳会談後の米露関係について解説したいと思います。

◆トランプ大統領の「ロシア疑惑」について整理する

まずは、トランプ大統領を悩ませる「ロシア疑惑」問題の大枠ついて整理したいと思います。

「ロシア疑惑」問題の発端は、米大統領選が行われていた2016年、数度にわたってヒラリー陣営の内部メールが「ウィキリークス」を通じて暴露された事件にあると言えます。

オバマ大統領はロシア政府によるサイバー攻撃の可能性を疑い、大統領選期間中から「ロシアの介入」を警告する発言を繰り返していました。

さらには退任間近の2016年12月、事実上の報復措置として駐米ロシア外交官35人の国外追放等に踏み切りました。

このような経緯を背景として、「トランプ氏が大統領選に勝利するため、ロシア政府と意思を通じていたのではないか」と言う報道が熱を帯びてきたのです。

トランプ陣営とロシア政府の繋がりを疑う報道の影響は大きく、選挙戦の最中にはポール・マナフォート選対本部長を辞任に追い込み、大統領就任後はマイケル・フリン補佐官を失脚させるなど、実際の政権運営にも実害を与えています。

疑惑の追及も厳しく、当初はトランプ氏とロシア政府の「共謀があった可能性」に関する報道であったものが、解任されたコミーFBI長官(当時)の証言を通じて、トランプ大統領が自身の側近に対する捜査を「妨害」していたのではないかと言う疑惑に発展するに至り、一時は議会による弾劾の可能性まで取り沙汰されることとなりました。

最近では、トランプ氏の長子であるトランプ・ジュニア氏が選挙期間中にロシア人弁護士と会合を行っていたことが問題となりましたが、結局、トランプ大統領とロシア政府の関係を立証する決定的証拠が提示されるには至っておりません。

◆ヒラリー陣営にもあった!?外国政府との取引疑惑

ところで、ヒラリー陣営にも「外国政府との接触」の問題があることは意外と知られておりません。少なくとも、トランプ氏の大統領就任前後で一度、報道されているのですが、なぜかその後メディアから姿を消し、十分な追及は行われていなかったのです。

ところが、トランプ大統領が新たにクリストファー・レイ氏をFBI長官に指名し、上院でこれを承認するための公聴会が開催されて以降、再びこの問題に注目が集まっています。

それは、「2016年の大統領選当時、民主党全国委員会の関係者であったウクライナ系アメリカ人が、ウクライナ政府からトランプ大統領の不利となる情報提供を受けていた」と言う事実を暴き出す内容です。

つまり、「選挙戦を有利に進めるために外国政府と取引をした」疑いは、ヒラリー陣営にもあると言う事です。

もし米メディアが自国の選挙に対する「外国政府の干渉」問題に取り組むのであれば、ヒラリー陣営とウクライナ政府の「関係」も、「ロシア疑惑」と同様に追及していくべきだと言えるでしょう。

◆「ロシア・ウクライナの代理戦争」の様相を呈した米大統領選

なお、FBI長官にレイ氏が指名されたことで、日本のメディアは「ロシア疑惑の追及」が加速すると見ていますが、米メディアではまったく逆に、「(レイ氏が)承認されれば、この問題(ウクライナ問題)を掘り下げていくつもりである」ことを公言した(※1)と報道されています。

さらには「次は民主党がFBIの追及に直面する可能性が高い」とも報道されている(※2)ほか、大統領選自体を「ロシアとウクライナの代理戦争(※3)」と表現する記事があるほどです。

ロシア寄りの人選で政権を固める事が予想されていたドナルド・トランプ氏の存在は、ウクライナにとって「危険な存在」以外の何物でもないと映っていた事でしょう。

◆ウクライナ問題での協調見えた米露首脳会談

レイFBI長官の下、民主党に対する「ウクライナ政府との関係」が追及される事態となれば、トランプ大統領の政権運営や、米露関係の修復にも大きな影響が生じていく事が予想されます。

実際に、G20の米露首脳会談で取り上げられたテーマの一つに「ウクライナ問題」がありましたが、両政府関係者の発言を詳細に分析すると、表面的には対立を演出しつつも、米露が協調してミンスク合意を履行させ、ウクライナ問題を終息させようとする意図が見えてきます。

次回は、以上のような米国内の情勢変化を踏まえた上で、G20以降の米露関係・国際情勢を予測してみたいと思います。

 

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■7/22 (土)13時~ 幸福実現党政調会・外交部会 月例公開セミナーのお知らせ

日々、幸福実現党にご支援を賜り、誠にありがとうございます。

7月22日(土)13時より、ユートピア活動推進館3階大会議室において、幸福実現党政調会・外交部会主催の公開セミナーを開催させていただきます。

今回のセミナーでは、G20サミット以降の米露関係と、国際情勢の展望について報告させて頂きます。

当日ご参加頂きました皆様には、外交部会作成のお持ち帰り資料をご用意させていただきます。多くの皆様の御参加をお待ちしております!

テーマ:「G20サミット以降の米露関係・国際情勢について」質疑応答
日時:6月17日(土)12:45開場 13:00開始
場所:ユートピア活動推進館2F礼拝室  東京都港区赤坂2-10-8
会費:1000円(持ち帰り資料あり)
主催:幸福実現党政調会 外交部会
講師: 同 副部会長 彦川太志(情報分析担当)

◆お申し込み・お問い合わせ
ご参加のお申し込みは、【お名前】、【電話番号】、【所属支部(任意)】を明記の上、下記までメールをお送りください。

※件名に「7月22日セミナー希望」とご記入ください。
担当:彦川太志 【victory777dh@gmail.com

 

<参考記事>
(1) 2017/7/12 CNN「DNC denies working with Ukrainian government, but contractor floated anti-Trump material」
(2) 2017/7/12 Washington Examiner「DNC could face investigation into Ukraine ties if Christopher Wray is confirmed」
(3) 2017/1/11 Politico「Ukrainian efforts to sabotage Trump backfire」

 

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