http://the-liberty.com/article.php?item_id=12078
フィリピンと中国が、本格的に関係改善に動き出した。
フィリピンのドゥテルテ大統領は、中国の習近平国家主席と北京で首脳会談を20日、行った。習氏が「政治的な相互信頼を増進し、互恵的な協力を深め、摩擦を適切に処理する努力をしたい」と発言すると、ドゥテルテ氏は「積極的な両国関係の発展に尽力し、中国との協力を強化したい」と応じた(21日付朝日新聞)。
両国は南シナ海の領有権問題で争っていたが、それを棚上げし、フィリピンは中国からの経済支援を引き出す機会にしたい考えで、約400人の財界人を伴っての訪中だ。
ドゥテルテ氏は、首脳会談前後の演説などでも、これまで経済的・軍事的に協力してきたアメリカよりも、中国に対する期待感を表明した。
「ハーグの仲裁裁判所が下した南シナ海での中国の主権は認められないという裁定は、自発的には取り上げない」「中国がフィリピン経済にとって唯一の希望だ」(19日の記者会見)
「アメリカとは軍事的にも経済的にも決別する」(20日の経済フォーラム)
ドゥテルテ氏の親中路線がはっきりと示された形だ。
世界を二分する流れ
これは日本にとって好ましくない流れだ。中国によるアジア諸国への懐柔がまたひとつ成功しつつあると言えるだろう。
背景には、ドゥテルテ氏が国内で進める「麻薬撲滅運動」がある。麻薬犯罪の捜査において、警察が容疑者を現場で殺害することを容認するなど、強硬手段をとるドゥテルテ氏に対し、国連やアメリカは非難を表明した。しかし人権問題など気にしない中国は、これを機にフィリピンを支援して、アメリカとフィリピンを引き離したい考えだ。
ドゥテルテ氏はまた、「中国とロシア」との協力関係に言及している。これは、「アメリカをはじめとした西側陣営」と、「中露を筆頭とする反西側陣営」を意識した言葉だろう。両者の対立がエスカレートすれば、世界を二分する第二の冷戦へと突き進む危険もある。
フィリピンが今後、中露と接近し、3国間で連携を取り始めれば、西側と反西側の図式はますます色濃くなってしまう。
この流れを防ぐには、一つは、現在、悪化してしまっている米露関係を改善する必要がある。欧米は、ウクライナ問題を発端にロシアに経済制裁を科し、経済的に窮地に立たされたロシアが中国と近づかざるを得ない状況をつくり出した。しかし一方で、ロシアも中国の拡張主義に対する警戒感を持っている。欧米諸国が「ロシア悪玉論」を捨てれば、対中国でロシアと協力することはできるはずだ。
もう一つは、日本がアジア諸国に対して強いリーダーシップを発揮することだ。もちろん、ドゥテルテ氏の麻薬犯罪取締における強硬なやり方をそのまま支持するわけにはいかないが、フィリピンが中国に経済的に依存して抜け出せなくなり、属国のようになってしまうことを見過ごすわけにはいかない。知恵を絞って、中国とも欧米とも違ったアプローチを考えていかなければならない。(片/紘)
【関連記事】
2016年9月9日付本欄 東アジア会議で「中国包囲網が破れている」ことが明らかにhttp://the-liberty.com/article.php?item_id=11904
2016年7月1日付本欄 フィリピン新大統領、ドゥテルテ氏ってどんな人? 中国との外交は大丈夫?http://the-liberty.com/article.php?item_id=11574
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このニュースは昨日の夜、移動中の車の中ラジオで聞いたんですが。びっくりしました。
ネットニュースでチラっと見て気にはなっていたんです。
とにかく比大統領は、警察や政界までが絡んだ麻薬犯罪に対して、メキシコなどもそうですが、もうにっちもさっちもいかず、ああいう強硬手段に出たんだろうと、それは多少仕方ない面もあるのかなという感じは、個人的にはしていました。このことに関しては私以外にも結構理解あるコメントはありましたよ。ただ確かに禁じ手ですよね。
それで欧米なんかは、特に民主党のオバマは非難はしますよね(自分たちは棚上げして)。それで、米大統領に逆に言い返しちゃったっていうのも・・・まぁわかるよ。うん。
そういう熱い人なんだなぁって。
でも、反省していたみたいじゃないですか。
まさかね。
まさか、だからって中国側についちゃうって、もうびっくりです。
オバマ大統領に馬鹿呼ばわりしてしまったのは、麻薬取締の方法を非難されて頭にきただけじゃなく、アメリカは中国に対して何もしない癖に偉そうに言うなってことでしょ!?と、私は思ってたんですわ。私がそう思っていたもんで・・・
そうじゃなかった!?
単に非難されて ふてくされていた?
ラジオによると、若い頃、アメリカへ渡ろうとしたけど、ビザが下りなかったということでアメリカに対してあまり良い感情がないらしいということですが。当時フィリピンはアメリカの統治下。ドゥテルテ氏は当然エリートであり。なのに、なぜ、自分が?というショックは大きかったようだと。
ま、それはどうか知りませんけど、
そんなところへ中国が近寄ってきたからといってねぇ。
お金もらえば、アメリカがちょっと非難すれば、南シナ海はどうでもいいのか?それじゃ幼児ではないか。
中国に寝返るアジア・アフリカはもう自分たちの事しか頭にないという共通項があると思います。類は友を呼ぶのか・・。
日本は日本でそんな中国に強気に出られない・・・・。これだって結果寝返ってるのと同じことですよ!
知恵がないということは、能力がないという事です。結果悪に繋がるということです。
政治では致命的な欠陥ですよ!与野党共にね。