行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

明治の偉人達の訳語造語は凄かった!

2008-02-17 14:36:09 | どうしてなんだろう?

 アメリカ大統領選の民主党の指名候補者選びが白熱しています。ところで、Democracyを”民主主義”と訳したり、Peopleを”人民”を訳したり、或いは、LibertyもしくはFreedomを”自由”と訳したのは明治の人々であったそうです。福沢諭吉、坪内逍遙、夏目漱石、森鴎外等々、明治時代に活躍した多くの人々は、当時日本語になかった外国語から新たな日本語の訳語造語をいくつも造ってくれたのでした。それは、政治・経済分野にとどまらず、医学や産業技術、それに文化、芸術、スポーツと多岐に渡ったのでした。例えば、上院(Senate)、株(Stock)、聴診器(Stethoscope)、蒸気機関(Steam locomotive)、自動車(Automobile)、映画(Movie)、交響曲(Symphony)、歌劇(Opera)、野球(Baseball)、卓球(Ping-Pong)等々数えたらきりがありません。

 物知りである隣のオジサン曰く、毛沢東は中華人民共和国という国家の名称の中華以下が、憎き日本によって造られた言葉であった事から、最後まで悩んだのだそうで。そんな、創造的な人々がいなくなってしまった現代のニッポン社会では、情けないほど新しい訳語造語が生まれません。

 20年ほど前、私が某メキシコ国営企業で働いていた頃、インフラ、ロジスティック、エコロジーなる単語が、局長クラスを相手にした会議でポンポン飛び出て来ていました。当時はこれらの用語は、日本経済新聞や朝日新聞ではあまり見かけない、まだまだ一般的な用語ではありませんでした。そこで、私は辞書にあるとおり”社会基盤”とか、或いはそのまま”インフラストラクチャー”と訳していました。ロジスティックについては、ご存じのとおり元々は前線の戦闘員に対する弾薬や食料の兵站という軍事用語でしたから、”物流戦略”とか”商品・資材の搬入・物流システム”なとど訳していました。エコロジーについても、エコロジーとそのまま言うか、或いは”社会生態学”とか”生態環境保全学”と苦労しながら訳していたのでした。
 しかし、今現在の日本では、社会基盤、物流戦略、社会生態学なんて誰も言いませんし、多分通じないと思います。もう、インフラ、ロジスティック、エコロジーといったカタカナ外来語としてすっかり定着してしまっているのです。こんな芸のないカタカナ外来語が最近あまりにも多すぎます。スキル(能力)、トレンド(傾向)、コンセンサス(合意)、リスク(危険)、コンプライアンス(法令遵守)、スキム(枠組み)等々山ほどあります。情けない限りです。
 私個人としては、インフラは”公共投資構造物”、ロジスティックは”物流企略”、エコロジーは”環境経済学”と訳したいと思うのですが・・・。
 これをカミさんに言ってみたところ、「なんか変~!」と一蹴されてしまいました。やはり、明治の偉人達ようにはゆかないようでして・・・。技術系用語の”液晶画面”や”携帯電話”、或いは中国語の”電脳”のような素晴らしい訳語造語がどんどん出来ると良いのですが・・・。

コメント (2)
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