行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

日本国籍の喪失にご用心!

2014-09-30 06:33:52 | 行政書士のお仕事
 本邦の国籍法第11条によると、「日本国民は、

 自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、

 日本の国籍を失う。」とされています。

 これは、意思決定の出来ない赤ちゃんや幼児であっても、

 その法定代理人である両親が手続を行った時点で、

 自己の志望でなされたものとみなされます。

 一方、米国やその他の南北アメリカ大陸諸国のように、

 両親の国籍に関わらず、その地で生まれたことを以て、

 国籍を得られる出生地主義国で生まれた日本人の子や、

 外国人を親に持つ子が、望むと望まないとに関わらず

 日本国籍とは別に外国籍が与えらるような場合など、

 出生を届出ることによって自動的に外国籍が

 授与される場合には、日本国籍喪失の対象とはなりません。

 昨今の国際結婚の急増により、この様に二重国籍を持つ

 子供達が急増しているので、結果として重国籍の子供達が、

 今では当たり前に普通に見られるようになっていることから、

 多くの外国人と婚姻したご夫婦は、子供は22歳まで当然に

 二重国籍者となれると思い込んでいる方々が多数おり、

 多くの国際結婚をしている方々の中で誤解や勘違いが

 生じているのが実情です。

 更なる問題は、戸籍の専門家であるべき行政書士でさえ、

 不知であったり、勘違いしている者が多数いることです!

 例えば、在ロシア日本大使館のウェブサイトでは、

 日本国籍を失ってしまう可能性があるので注意喚起しています。

 渉外戸籍を専門の一つとする行政書士であれば、

 この様な知識は当然知っておくべきだと思います。

 とはいえ、国際結婚をした一般の日本人の方々は勿論のこと、

 渉外戸籍を専門としない行政書士も、外国人と婚姻した日本人と

 外国人との間で、本邦で生まれたお子さんの出生の届出を、

 在日外国大使館に行い、そのお子さんの外国旅券取得手続を

 行う場合には、その国の制度を慎重に確認する必要があります!

 確認をせずにお子さんの外国旅券を取得したことで、

 お子さんの日本国籍喪失という事態に発展してしまう

 という思わぬトラブルが起きてしまう可能性もあるからです。

 なお、この様な重国籍の子供達は、22歳に達する迄に

 日本国籍を選択する旨の宣言をしなければ、

 日本国籍を失ってしまうので、この点でも充分に

 注意喚起していただきたいと思う次第です!

にほんブログ村 士業ブログ 行政書士へにほんブログ村


にほんブログ村 経営ブログ コンサルタントへにほんブログ村



市民のための国籍法・戸籍法入門
クリエーター情報なし
明石書店
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする