行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

行政書士の資格を持っていても食えないという人々とは・・・

2016-05-09 09:19:00 | 行政書士のお仕事
 私は、43歳までは第一線のビジネスマンだった男です。

 ですから、どんなビジネスでも、国籍や資本を問わず、

 誰でも参入して来ることが前提での対策が常に頭にありました!

 ところが、行政書士業界というのは、そもそも

 合格率5~13%で合格した者達しか参入できない世界であり、

 つまり国家資格者という限られ一部の者達だけの競争しか

 認められていない、実はとても優遇された世界だと思います。

 勿論、このような優遇された世界にいる私達ですから、

 一般の商業的なビジネス感覚で行ってはならないという意味で、

 行政書士法第10条では品位を保つことを義務づけられて

 いると私は理解しています。

 しかし、仕事が天から降ってくる訳ではありませんから、

 どのような士業でもそれなりの営業努力は不可欠です。


 ところが、かつて、私が某中堅事務所に所属していたとき、

 下請として手伝って貰っていた某行政書士の先輩がいました。

 彼は、社労士の資格も待つ、W資格保有であり、

 K大卒で某大手企業の勤務経験もあった方だったのです。

 しかし、彼は仕事が天から降ってくると思っていた類いの

 個人事業主としては絶対に向かないタイプの人でした。

 彼は、行政書士と社労士の資格を取り、それで独立しましたが、

 士業の看板を掲げ、簡単な広告を打つだけで何もせず、

 自分を売り込む努力も出来ず、また専門性も乏しく、

 自分をアピール出来るような性格でもなかったようです!

 そんな彼の事務所は、当然ですが1年で閉鎖せざるを得ず、

 私が所属していた事務所の下請行政書士、下請社労士として

 ぶら下がるしか選択肢はなかったのでした。

 
 私に言わせれば、どんな資格で食えるとか、

 或いは、食えないとかをネットに書き込んでいる人々は、

 仮に、弁護士や医師の資格も得たとしても、

 多分食えない人々であると想像します。

 それは、士業ビジネスは、そもそも開業時点から

 有資格者という限られた者しか参入できないという

 大変優遇されたビジネスだからです。

 しかし、資格を取ったからといって、

 直ぐに依頼が来る筈もありません。

 通常の事業を始めるのと同様に相当な営業努力は必要です。

 また、専門家として認められる為には日々の勉強、

 自己研鑽は絶対に欠かせません。

 特に、試験科目と実務知識に全く直結していない

 行政書士試験では試験に合格し、登録開業した途端に、

 その圧倒的な知識不足に直ぐに気付く筈です。

 それでも通常のビジネスに比べれば、

 格段に競争相手が少ないのが、行政書士や

 その他の士業者だと私は思っています。

 勿論、合格者数が極端に少ない士業資格であれば、

 参入するライバルが少ない訳ですから需給関係では、

 需要が上回り、比較的楽に依頼が舞い込んで来る筈です。

 その楽だった状況が急速に悪化したのが、今の弁護士業界です。

 この需給関係で見れば、確かに行政書士は他士業比べれば、

 遙かに競争が激しく厳しい士業であることは明白です。

 つまり、限られた者達だけの世界での競争にさえも

 勝てなかった人々にとっては、行政書士は食えない資格という

 自己への言い訳で、ご自分の営業努力や勉強不足を誤魔化し、

 すり替えているだけの話しだと私は思っています。


 最後に、事業者として既に軌道に乗せている同業者の方々

 へのお願いです!

 支部活動を通じての地域活動、若手や後進の育成、或いは、

 社会貢献活動などにも少しはお時間を割いていただき、

 業界の地位向上活動にご協力いただければ嬉しい限りです。

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