滅多にあることではないのだが、DNA鑑定書を立証資料として添付する場合がある。
一般的には親子関係を立証す為には、STR(短鎖縦列反復配列)法という検査方法が最も良く用いられるようである。
染色体DNAの場所を表す領域をローカス(LOCUS)と呼ぶそうだが、ヒトにはこのローカスが約150万存在するらしい。そのローカス塩基それぞれに1対2つの反復回数単位があり、一つは父親から、もう一つは母親から必ず受け継がれているのである。(以下の図参照)
上記のサンプルで見られるように、子のローカス(真ん中)には、父親のローカス(右側)の一対の一つの反復回数単位を持つ塩基(緑色)が必ず一つ組み込まれている。また、同様に母親のローカス(左側)の一対の一つの反復単位を持つ塩基(ピンク色)も必ず一つ組み込まれているのである。
では、実際に行われた鑑定(海外)の場合だと、次のような鑑定結果が得られるのである。(以下の図参照)
擬父(Suposto pai)の対の反復回数単位を持つ塩基のうち、13.2、18、10、11、11、10、12、21か15、11、32.2か30、12、15、10、3.2、20、23、8、7、11、20とローカス20領域のすべてに対して、擬父の持つ塩基の一つが必ず子(Filho)に受け継がれていることがはっきりと分かる。
従って、この鑑定書の結論の部分に書かれてあるとおり、99.99%の確率でこの擬父はこの子の生物上の父であるという検査上の推論が出せるようだ。
勿論、これら検査の為の検体の採取方法が厳格でなければ、たとえ検査結果が99%以上であっても、折角の親子関係の信憑性に重大な疑義が持たれしまうのである。
ちなみにこの検体採取では、公証人が検体対象者、医師2名の身分を確認の上、検体の採取と封印に立ち会っており、それを公正証書にして貰っているので、信憑性は極めて高いのである。