ある同業の方と共同して、某南米系の巨大企業の仕事をすることになった。その会社に働く人々は、都心の一等地のビジネス街に通い、英語も話すので、欧米諸国のビジネスエリート達と何ら変わりのないリッチな方々である。愛知県、神奈川県、そして群馬県などでみかける南米系の日系人とは、まったくの別世界に住んでいるエリート達である。いわゆる、経済的な勝ち組といえる方々である。
ところで、63年前の今日8月15日に、日本は現国連の常任理事国を中心とする連合国に対して無条件降伏を受諾して敗戦した日である。その敗戦が海の向こうで新たな悲劇を生んだ事は意外と知られていない。そして、今となってはその事を敢えて誰も語ろうとしないようだが・・・。
本来の”勝ち組”とは、第二次大戦終戦直後に、その南米某国政府より情報を遮断された一部の狂信的な日系人移民達の間で「日本が戦争に勝った」と思い込んだ過激な日系人グループの事を指すのだそうだ。つまり、経済的に勝ったか、負けたかでは無く、日本が戦争に勝ったと思い込んだグループを”勝ち組”と呼び、負けた事実を知っていたグループを”負け組”と呼んだようだ。
当時欧米諸国と交易をしていた比較的裕福な日系人達は”日本が全面降伏した”という正しい事実を知っていたのである。それに対して、某国政府から敵国民とされて、日本の情報を完全に遮断されてしまった低所得層の日系人グループは、何を間違ったのか「日本が戦争に勝った」というデマに踊ってしまったのであった。勝ち組の日系人グループは”日本が負けるはずなどない”と怒って、日本の敗戦を主張した”負け組”である裕福な日系人に対して襲撃事件を起こし、殺傷事件まで起こすように事態にまで発展してしまったようである。それは、単なる日本人の誇りとしての怒りだけではなく、実際は、貧富の差に対する怒りでもあったようだ。
ところで、残念ながら、グローバリゼーションの帰結なのであろうか、日本に住んでいる南米系日系社会にも、今で言うところの勝ち組、負け組が歴然と存在しているようである。勿論、あちらの本場南米日系人社会でも、お手伝いさんや家事使用人を沢山抱えた経済的な勝ち組の日系人と、低賃金で日夜苦労して、日本に出稼ぎに来なければならないような経済的負け組の日系人とが歴然と混在しているようである。
この同業の方には、私の持つノウハウを無償で提供する代わりに、報酬額の多少に関わらず日本での生活に関する手続きや相談に協力して欲しいとお願いしている。そうして頂ければ、私としては、とても有り難い話しなのである。
この国でも「勝ち組」と「負け組」の差は開いていくこととなるでしょう。
しかし、あまりに貧富の差が開きすぎると大きな反発が起きると思います。
まあ、日本人は大人しいのですぐにデモ行進をしたりなどはしないでしょうけど
夏を制していますか?いつもコメントありがとうございます。
ところで、社会的なハンデをつけないと、強者はもっと強くなり、弱者はもっと弱くなるようです。私が住んでいた某国では、日本ではとても想像もつかないような恐ろしいほどの超大金持ちがいるのですが、逆に信じられないような悲惨な貧困者層も沢山います。こういった人々の間には、かつてベルリンにあったような、目に見えない高い壁が存在します。
外国に駐在していた時代の経験の中でも、比較的貧富の差が少ないと思ったのがスペインでした。案の定、この国、今現在とても活気があるようです。
古典ロシア文学を読むと、当時の貧富の差が目に浮かんできます。だから、革命が起きちゃったのでしょうね。歴史的に、革命やクーデターは、貧富の差が大きく国でしか起こりませんからね。