”帰国する日系人に30万円、その家族一人につき20万円の帰国費用を援助する。但し、原則として3年間の日本への再入国は認めない。景気がすごく良くなれば再入国禁止期間を短縮する”との川村官房長官や舛添厚生労働大臣の答弁から、厚労省の官僚達の魂胆が見えて来ました!
おそらく、ほとんがの方々が、一時金を貰って帰国するのならば、3年間再入国禁止とするのもやむを得ないであろうと思われるかもしれません。しかし、この3年という数字には、実は次のようなトリックが隠されています。
外国人へ許可されている在留期間は1年又は3年です。そして、その在留期間の限度内で再入国許可が与えられます。つまり、永住者を除いて、ビザを更新せずに3年以上滞在できる日系人はいないのです。更には、永住者でも、再入国許可の有効期間は3年間です。
どうゆう事かといえば、3年間の再入国禁止期間の間に、彼等日系人及びその家族の在留資格(一般的には、ビザの事です。)はすべて失効してしまうのです。勿論、永住権も失効してしまいます(但し、在外公館が1年に限って再入国許可を延長することができますが、保証はされていません。)。つまり、一旦帰国事業援助を受けたら、ビザは基本的にはすべて失ってしまうのです。
では、どうやって戻ってくるかと言えば、昔最初に来た時と同じように、日本に住む親族に依頼して在留資格認定証明書交付申請をして貰い、在留資格認定証明書を地方入管より取得しなければなりません。
ところがもし日本政府が、日系人とその家族に対する許可条件として、日本語能力?級程度が無ければ許可しないと決めたら、それでもう日系人のほとんどは再入国できなくなります。
そんなひどいことはしないでしょう!なんて思わないで下さい。実は、日系人の日本語能力要件を課す案については、法務省入国管理局も、そしてその他すべての官庁筋や政治家筋も、実はみな賛成なのです。
従って、結果としてこの日系人帰国支援事業でお金を受け取ったら最後、受け取った日系人は、もう日本には戻れなくなる可能性が著しく高いと思います。いや、間違いなく戻って来られないと私は思っています。
こんな、姑息な手段で、日系人達や国際世論を欺こうとする厚労省の魂胆が、私にははっきりと見えます。呆れました!彼等のやることには・・・。
今の経済を維持して行くには外国の方の力が不可欠です。
田舎に住んでいる私でさえわかっている理屈と逆の政策をなぜ官僚は打とうとするのでしょうか?
人口減少の推計を出しているのも厚労省、外国人を追い返そうとするのも厚労省・・・
象徴の縦割りの弊害が批判されて久しいですが、省内で矛盾する行動をとられると先生同様私も呆れてしまいます。
厚労省は、企業による日系人達の偽装請負を長年放置しました。それを、派遣法改正という形で誤魔化しました。
その結果、雇用調整弁となってしまったとてつもない数の失業者を生み出してしまったのです。
その厚労省自身の大失態を彼等を追い出す事で再び誤魔化そうとしていることは、余り知られていません。
更に言えば、外国人に対する社会保険加入義務や年金加入義務も目を瞑って来ました。ですから、日系人のみならず、多くの年金未加入外国人(日本人配偶者などの中国、フィリピン、韓国、アフリカ系、インド系など)を生んでしまいました。
こういった数十万人に及ぶ年金未加入外国人達が、将来高齢化した時に、生活保護に殺到する危険性を、私は昔から指摘していましたが、厚労省は放置し、法務省は厚労省の管轄だからと無視して、永住許可を出し続けました。縦割り行政の弊害の良い例かもしれません。
今、政府内で議論されているのが永住権の取り消しだそうです。これも失政の誤魔化しに過ぎません。これが、今の霞ヶ関の感覚なのでしょうか。
日系人の帰国支援事業について、中村様のこのブログを紹介してくだいました、ありがとございます。ブログを、特に日系人についてを読ませて頂きましたが、大変興味深い内容です。
この場をお借りして大変失礼かとは思いますが、ご挨拶とお礼を申し上げます。
コメントありがとうございました。
実は、私は、貴女様のブログの愛読者でして、ブラジル関係記事は常に拝見させて頂いておりました。
また、業界で日系ブラジル人を扱おうとする者には必見と勧めている程、素晴らしい内容だといつも関心しております。
仕事柄、日系人の方々をお世話する事が多く、永住し続けている日系人の方々の行く末を実は以前から心配しておりました。
残念ながら、その心配が当たってしまったようです。
今後更に問題となるのは、やはり年金未加入問題でしょう。この点も盛んにIPCの方々に言いつけて来たのですが・・・。
これも何かのご縁ですから、小職でお役に立つことがございましたらご遠慮なくご相談下さい。
今後とも、どうか宜しくお願い致します。