ハイブリット攻撃という概念を知った。
近年、欧米で提唱された概念で、プロパガンダやフェイクニュースで相手国の世論を操作し、生活インフラへのサイバー攻撃、反体制勢力への支援等を通じて直接的な軍事行動を容易にしたり、軍事行動なしに相手国に傀儡的な友好政権樹立を目指すものと解説されている。一般的な情報戦にアクティブな電脳戦を付加した態様がハイブリットと呼ばれるのであるかもしれない。官製メディアを擁し、サイバー部隊を保有し、豊富な資金で後進国を金縛りにして利権を獲得し、世界各地の社会に溶け込みある程度の影響を地域社会に与え得る華僑を駆使してと、将に今中国が展開している作戦が該当するのであろう。話変わって、南京大虐殺記念館を見学して中国寄りの発言をしたと報じられていた福田康夫元総理のインタビュー記事も同時に目にした。福田氏は、見学はノスタルジック(幼時に南京に居住)な思いからのもので、発言についての記憶は定かでないとしているが、見学の趣旨と発言の要旨は中国の官製メディアが都合よく編集したものかと考えれば、ハイブリット攻撃の一端が窺えるのかもしれない。この手法は中国に限らず、高官の発言要旨を手短に放映するための編集と称して、前後の脈絡を無視した一言半句を切り取って恰も全体の論調として放送していた故筑紫哲也氏率いるTBS報道スタッフが常套的に使用していた手法で、反論を受けて「編集権」なる造語を生んだことでも知られている。中国製ニュースは妄信しないものの、福田元総理の記念館訪問はあるまじき言行として考えていた自分としては、騒動に即応するのではなく詳報を得て冷静に判断すべきであると反省した案件であった。
久米宏氏、古舘伊知郎氏等の人気テレビキャスターも柔和な仮面の下には別の曲々しい素顔が隠されているかもしれない。現役時代の事績を反故にしている小泉純一郎氏、記念館を見学した福田氏、現役時代の迷走を今に続ける細川護熙・鳩山由紀夫・河野洋平・村山富市各氏。相手国からのハイブリット攻撃もさることながら、彼らの動向と背景にも留意すべきとも思う。