文科省局長の子弟が、東京医大に裏口入学した疑惑が世情を騒がせている。
父親である局長が医大に便宜供与する代償として大学側が入試成績を水増ししたもののようで、先行き不透明ながら父親は受託収賄に問われ、子息の合格は見直される事態にまで発展することも予想される。医大卒業は医師免許の受験資格が得られるだけで、国家試験というハードルがある以上医大への裏口入学はメリットが少ないようにも思えるが、医師免許取得にも隠された便法があるのかもしれない。本日の口上は「私大への裏口入学根絶の妙案」である。裏口入学が取り沙汰されるのは裏口があるからであり裏口も正門としてしまえば全て解決する。裏口入学が許されないのは私学が国費の助成を受けているからであり、国費の助成を受けない代わりに寄付金の多少によって合格者を定め、大学経営に十分な授業料を徴収する私大を作れば、一挙に解決できると思う.現在でも私大への推薦入学や特待生制度が存在していることを思えば、成績の代わりに寄付金という尺度を用いることに何ら問題は無いと思う。大学教育を受けるに十分な学力を有する青年は国公立大学に、金余り保護者の子弟で国公立に進めぬ学力ながら大卒の経歴が欲しい青年は高額の寄付金と授業料を払って学士の称号を得る、この方法こそが大卒者の質的低下を防ぐという喫緊の対策にも資するものと思う。このような金まみれ大学が増えれば、国費の節約にも繋がり、余った助成金は給付型奨学金の拡充にも充当できる。学力であれ金力によってであれ、卒業生が勝ち取った学士の称号の質は、以後の人生で社会が正当に評価するものと思う。
近年の私大卒業者を見るに、福沢諭吉・大隈重信・新島襄と言った建学者の理想像を窺わせる人物は少なく、金太郎飴的な人物が多いように思われる。このことは、厳しい国(文科省)の規制によって私大が保守的になり、私学独特の自由闊達な学問が行われていないことも一つの原因ではなかろうかと愚考するものである。