スパイ容疑で3年前に拘束されていた日本人に、懲役12年の地裁判決が宣告された。
当然のことながら、スパイ容疑であるために犯行の詳細や背景は公にされず、中国の言いなりになるしかない。例によって政府は官房長官が遺憾の意を表明して在日中国大使を呼んで抗議することしか対抗手段を持たないことにいら立ちを感じる。今回の判決が1審である地裁判決で、しかも拘束後に3年も経過していることから想定されることは、実際のスパイ行為は無く有利な交換条件を日本が提示しなかったために、拘束事件に一応の幕引きを図ったものと思われる。前にも書いたことであるが、スパイ罪で拘束された邦人を救出するためにはスパイの交換か中国有利の政策に同意することしか有効な手段がないことは冷戦以降の歴史が証明していることである。おそらく中国はアジアインフラ投資銀行や一帯一路構想に対する日本参加への取引材料として拘束していたものかと考えれば、拘束時期が首肯できるのみならず、両者への不参加が確実となった時点での判決時期とも符合する。取引として国威・国益を損なう一帯一路構想等への参加は論外として、公安及び外務省は拘束日本人救出のための交換要員を確保していないのだろうか。在日・帰化或いは短期滞在の中国人の中には、防衛施設周辺の土地を買いあさる者、対北朝鮮への経済制裁に違反する者、公然と中国共産党のプロパガンダを繰り返す言論人、その気になれば疑わしい中国人は履いて捨てる程国内にいると思う。乱暴であるが、彼等をスパイ容疑で拘束し未決のまま収監して不意の事態に備えることは無法ではあろうが無法な国への対応策として許されるべきであると思うのだが。
国際法遵守と人権擁護或いは等方位(弱腰)を外交方針とし、相手国にも同等の誠実な対応を期待することは一見誠実に見えるが、中国や韓国のように民度が低い無法国家には通用しない現実をそろそろ国民は知るべきではないだろうか。中国にはまだ7人のスパイ容疑で拘束された日本人がいるが、これは政治的な拉致・監禁と呼ぶべきであると思う。