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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

麻原彰晃らの死刑執行

2018年07月07日 | 社会・政治問題

 オーム真理教の教祖・信者7名の死刑が執行され、残りの6名ついても旬日のうちに刑が執行されるものと思われる。

 国内最大のテロ集団であったオーム真理教によるテロ行為は、平成元年から平成7年までに行われ30名近い犠牲者を出したものであり、罪状は明白であったにも拘らず実行者の数が多いことに加えて、罪状や証人の数が多いことから審理に長期間を要したものであるが、四半世紀を経てようやく法の裁きが下されたことになる。7名の死刑執行については、死刑廃止論者を除く大多数の世論は賛成していると思うが、テレビで流れた有名大学社会学教授の発言には疑問を感じた。教授は「死刑執行で真実は闇に消え、再発防止のための貴重な情報を得ることができなくなった」とコメントしていたが、彼の知りたい真実と情報とは何なのだろうか。入信するに至った動機と殺人まで正当化できた心の闇・思考過程を指しているのかと推測するが、もし長い時間をかけ百万言の供述を得たとしても所詮1個人の心情を理解できるかどうか程度の結果しか得られず、普遍的で何人にも適用できる万能薬など得られないことは明白と思う。DNA構造、生い立ち、教育によって形成された人格は一人として同じものは無く、それ故にこそ全人格を総称して「個性」と呼ぶのではないだろうか。最も論理的でない個性を科学的に分析して普遍的な心の襞を発見し、矯正の方法を見つけようとする不毛な努力には敬意を表するが、世の中に星座占いほどの効能も与えていないと思う。更には発見した手法にも異端はつきもので、異端の事象が生起すれば同様の作業を余儀なくされるという際限のない蟻地獄であろうと想像するところである。

 有史以来、犯罪やルール違反の対処療法として「刑法・刑罰」を使用してきたのは、完全な再発防止策は無いという諦観と賢明さの所産であろうと思う。刑の執行を延期して再発防止を模索するよりも、刑の執行による不適格者の排除と社会に対する警鐘を優先すべきであると考え、遅きに失した感あるとはいえ今回の死刑執行に賛成するものである。、